話して~♪

私の話も、あなたの話も

朝焼けがまぶしい

2007-11-19 23:31:57 | 花日記 
眼の手術は、眼球に局所麻酔をするので想像してはいましたが
術中の全てが自分の目の前で起こるので、見ないでいることは
できませんでした。
考えてみればちょっとこわいでしょう?!

仰向けになると手術用ライトがぼんやりと二つ見えてきます。
布をかけられ、眼を開けたまま固定されると麻酔液が流されて
ヒアルロン酸に満たされていきました。
それはちょうど深い海の中から太陽を見るような、ゆらゆらと
した風景です。

白目の部分からレンズ部分へ管が差し込まれるのがわかります。

そして中身が吸い込まれていくにつれて見えるライトがどんどん
ぼやけて行き、やがて視界はただの光だけになりました。
ああ、全部吸い出されてしまって、今は袋の中が空っぽです。

そしてしばらくすると眼の中に人工レンズが差し込まれたその瞬間

「ボン!」

と音がしたような気がするほど視界が明るくなり、目の上のライトの
カバーの細かい模様までがわかるほどはっきりと見えるようになりました。

先生は眼科界ではトップクラスの「神の手族」
流れるような一連の手術は、芸術を見るようなよどみなく美しい流れ
で進み、その自信溢れる動きに私は安心して全てを任せることができました。


入院していたのは朝日の差し込む東南の窓際のベッドで、毎日朝日が
差し込んできました。
眼帯を外して見た世界は、左目が少し曇りがちの居間の白熱灯の世界、右目は
明るい昼間に灯る蛍光灯の世界でした。
不思議だけれど、これが今日からの私の世界なんですね。
見える喜びがどれほどのものか、そして見えなかった時の憂いや落ち込みが
どれだけ大きかったかをいまさらながら感じました。

登る朝日を見ながら神様に感謝しました。