ネットを使ったオンラインゲームの世界では、(とくにヨーロッパを中心に)ホームレスとして無法都市を生き抜くサバイバルをテーマとするRPG(ロールプレイングゲーム)の分野が一定の人気を保っているのだそうです。
広く知られているのが、チェコのゲーム企業Perun Creativeが公開しているサバイバルRPGの「Hobo: Tough Life」というもの。(正直、私はやったことありませんが)2年ほど前に日本語版もリリースされていて、価格は2570円(税込)で誰でも参加できるということです。
本作の設定は,冷戦の終結により共産党政権が崩壊し,政治的混乱から回復しつつあるヨーロッパのPraslavという架空の都市。新しい社会経済情勢に適応できずにホームレスとなったプレイヤーは、ホームレスとして厳しい日常において命をつないでいかなければなりません。
生き抜いていくためには、食事や体調管理に加え、気候への対応や住処(シェルター)の確保などが求められ、食事ひとつとってもゴミ箱漁りから始めなければならないとのこと。ドラム缶に火を焚いて暖を取り、理不尽な暴力に耐え,行き交う人に施しを求めたり,犯罪行為に手を染めたりしながら物資を調達し,シェルター(住処)での生活環境を整えていくということです。
命さえ明日に繋いでいければ、(とりあえずは)なんとかなる。ゲームのような状況ばかりでなく、毎日テレビの画像を通してウクライナでの戦場の毎日やガザでの難民生活を見ていると、今、ここにある逆境を生き抜くことの重要さというのがよくわかります。
と、いうことで、4月19日の情報サイト「日刊SPA!」に『知らないと死ぬ!人間が生きるために「水、食事よりも必要」な最優先事項とは』と題する記事が掲載されていたので、参考までに概要を小欄に残しておきたいと思います。
人間が生存するために必要な要素を優先順に並べたものを「セイクレッドオーダー」という。危機的状況に陥ったときに死なないためには、生存するための優先順位を知っておき生存計画を立てることだと記事は解説しています。
まず確保しなければならないのは(当然ながら)「空気」で、これがないと3分で命を落とす。通常の環境では空気を心配することは少ないが、火災などが起きればそういう状況も十分あり得るということです。
空気に次ぐ2つ目は、「体温」とのこと。命を落とすまでの時間の目安は3時間ほどで、夏でも濡れた状態で風にあたると急激に体温を失ってしまう。実際、アウトドアでの死亡の原因のほとんどは低体温症によるものだと記事はしています。
そして優先順位の3つ目は「水」です。人間が水を飲まずに生きられる時間はおよそ72時間。それまでに何らかの方法で飲料水を得なければならないと記事は説明しています。
ちなみに、優先順位の4つ目は「火」、さらに(素人が考えがちな)「食」は5番手だと記事はしています。
火が4番手に入るのは意外かもしれないが、調理をする熱や明かり(安心感)となる光が得られる火は、人にとってとても重要なもの。一方、人間は食料がなくても3週間から30日は生き延びることができるで、「食」は優先順位としてはそのあとに位置づけられるということです。
さて、取り敢えずの問題として、緊急事態で優先するべきは「獲得する」ことよりも「保持する」ことだと記事は指摘しています。
これは体温も同じで、焚き火などで体を温めることを考える前に、自分の体温を逃さないことを考えるべき。因みに体温を逃さない3カ条は、①濡れない、②風に当たらない、③冷たいものに触れないで、そのために必要なのが衣服の重ね着「ウェアリング」の技術だというのが記事の認識です。
焚き火ができるアウトドアなら、シェルターと寝袋などの装備があれば、屋外でも快適に夜を過ごすことができる。しかし、災害時に十分な装備もない状態で寒い夜を過ごすのはとてもつらいはずだと記事は言います。
発汗や風よけを考えながら、重ね着などで衣類の内側に空気の層を作ること。装備があり、状況が許すのであればむろん横になりたいが、そうすると体と地面が触れる面積が広がり体温がどんどん逃げていってしまう。体温を保持するためには、できるだけ地面に触れる面積を小さく、つまり座った状態でいられることも重要だということです。
いずれにしても、災害が発生したばかりで未知の危険がある状態だとすれば、ぐっすり眠ること難しい。そうした中で可能な限り体力と体温を温存し、明日に命をつなげていく工夫が大切だと話す記事の指摘を、私も興味深く読んだところです。
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