(「反日デモをめぐって」の続きです)
2.政治:
ところで、先の佐々木愛さんの伝えてくれた南京のデモの様子は、自然発生的というにはどこか不自然な風が見えた。
結論からいうと、私はこのデモは、「当局」の指示によるいわゆる「官製デモ」であり、全国各地で指示された人々によって演出されたものだろうと思う。「当局」が、日本の尖閣諸島国有化に如何に中国人が怒っているかを演出するために、裏から指示してやらせたもので、しかもそこには、国家の指導部の交替を前にした権力闘争が絡んでいるようだ。それに社会に不満を持つ人たちが便乗して、一部の都市ではかなり規模が大きくなった。その点について、貴重な情報を伝えてくれるブログがあったので、下にURLを貼り付ける。
鞦韆院落 北京で過ごすインデペンデント映画な日常:反日デモ(2012.9.16)
http://blog.goo.ne.jp/dashu_2005/
もうひとつ。
西端真矢ブログ:中国・反日デモ暴徒化の背景と、日中関係の今後~最も基礎から解説!(2012/09/18)
http://www.maya-fwe.com/Blog.html
いずれも、中国のことをよく知る方が、それなりに情報収集してまとめられたもので参考になる。
権力闘争の最中に対外関係が緊張して、弱気な姿勢を見せれば弱腰だと批判されるのを恐れて対応が強硬になる傾向があるのは、日本側も一緒だ。日中ともに、今は十数年に一度の権力が流動化している時期で、こんな時に日中関係が緊張すると双方がどんどん強硬になって、ほんとうにはらはらする。
同時に、中国の中にはそのような対応に批判的な人々もいて、そうした人々によって「官製デモ」の実態がネットなどで明らかにされてもいる。
ただし注意すべきは、暴力的な方法で抗議することに対しては中国国内でも批判が出ているとはいえ、「釣魚島(尖閣諸島)は中国領であり、日本政府が国有化したことはけしからん」という点については、多くの中国人は当然のこととして同意しているのではないかということだ。日本のマスコミが「尖閣諸島は日本固有の領土」と繰り返し、多くの日本人がそう思っているのと同じように、多くの中国人は「釣魚島(尖閣諸島)は中国領」と思っている。だからこそ、指導部が弱腰だと批判されるのを恐れることにもなるわけだ。
もっとも「それは政治のことで、自分には関係ない」という人も中にはいるのだろうけれど、デモには行かなくても「愛国的」な人は中国にも多いことは念頭に置く必要があろう。
(なお、このブログの以前のページ「尖閣諸島問題の歴史的背景」7月20日も参照されたい。)
(この問題について、まだ続きます。)
2.政治:
ところで、先の佐々木愛さんの伝えてくれた南京のデモの様子は、自然発生的というにはどこか不自然な風が見えた。
結論からいうと、私はこのデモは、「当局」の指示によるいわゆる「官製デモ」であり、全国各地で指示された人々によって演出されたものだろうと思う。「当局」が、日本の尖閣諸島国有化に如何に中国人が怒っているかを演出するために、裏から指示してやらせたもので、しかもそこには、国家の指導部の交替を前にした権力闘争が絡んでいるようだ。それに社会に不満を持つ人たちが便乗して、一部の都市ではかなり規模が大きくなった。その点について、貴重な情報を伝えてくれるブログがあったので、下にURLを貼り付ける。
鞦韆院落 北京で過ごすインデペンデント映画な日常:反日デモ(2012.9.16)
http://blog.goo.ne.jp/dashu_2005/
もうひとつ。
西端真矢ブログ:中国・反日デモ暴徒化の背景と、日中関係の今後~最も基礎から解説!(2012/09/18)
http://www.maya-fwe.com/Blog.html
いずれも、中国のことをよく知る方が、それなりに情報収集してまとめられたもので参考になる。
権力闘争の最中に対外関係が緊張して、弱気な姿勢を見せれば弱腰だと批判されるのを恐れて対応が強硬になる傾向があるのは、日本側も一緒だ。日中ともに、今は十数年に一度の権力が流動化している時期で、こんな時に日中関係が緊張すると双方がどんどん強硬になって、ほんとうにはらはらする。
同時に、中国の中にはそのような対応に批判的な人々もいて、そうした人々によって「官製デモ」の実態がネットなどで明らかにされてもいる。
ただし注意すべきは、暴力的な方法で抗議することに対しては中国国内でも批判が出ているとはいえ、「釣魚島(尖閣諸島)は中国領であり、日本政府が国有化したことはけしからん」という点については、多くの中国人は当然のこととして同意しているのではないかということだ。日本のマスコミが「尖閣諸島は日本固有の領土」と繰り返し、多くの日本人がそう思っているのと同じように、多くの中国人は「釣魚島(尖閣諸島)は中国領」と思っている。だからこそ、指導部が弱腰だと批判されるのを恐れることにもなるわけだ。
もっとも「それは政治のことで、自分には関係ない」という人も中にはいるのだろうけれど、デモには行かなくても「愛国的」な人は中国にも多いことは念頭に置く必要があろう。
(なお、このブログの以前のページ「尖閣諸島問題の歴史的背景」7月20日も参照されたい。)
(この問題について、まだ続きます。)