朝、早起きして岡山へ。
来月の式の打ち合わせや準備です。
うっかり者の僕に比べ、
妻はしっかり者で立派です。
* * *
あれこれ打ち合わせが終わり、夜。
実家への帰り道。
JR吉備線で、この平和な岡山を震撼させる大事件!
これを語るには、まず吉備線がなんたるかを説明する必要がある。
吉備線とは岡山-総社間を片道30分ほどで結ぶ、
付近住民にとっては岡山中心部へ出るためにはなくてはならない重要な線である。
だがしかし、列車はほぼ単線。
駅にやってくるのは時間によっては1時間に1本だったり、
おまけに1両で運転するときもある。
また、電気ではなくディーゼルで走っているというのも素晴らしく、
電車ではなく、列車なのである。
さらには、車内に吊り下げ広告の類は少なく、
時には昔話列車として、謎のアナウンスとともにノースポンサーでカタコト走るときもある。
非常にのんびりした平和な列車なのである。
* * *
今日も、2両編成なのに
ほとんどの人が座席に座れるという、のどかな環境の中、
吉備線は岡山駅から総社へ向けて走っていた。
21時26分発。夜の列車。
平和なひととき。
誰もがこの日常が続くことを信じていた。
しかし、それを切り裂く悪夢は、
足音も立てずにすぐそばまでやってきていたのだ―――
一宮駅で、事件は唐突に起こった。
初めは何が起こったのか、
乗客のほとんどが理解していなかった。
いや、あまりに突然すぎて理解できなかったのだ。
しかし、しばらく時間が経つにつれ、気付いた人々がざわめき始めた。
何分経っても、一宮駅から列車が出発しないのだ。
一宮駅は単線の線路のため、
上り下りの列車行き違いで長時間停車するなど有り得ない。
その一宮駅で列車が停まることは非常事態を意味しているのだ。
それは異様な光景だった―――
恐怖にかられ、私の妻の隣りにいた老婆が、
馬のいななきのような叫びをあげる。
絶望的な目をした若い女性が、
「今日のmixiの日記のネタはこれじゃ!」と唸り声を上げる。
猜疑心に充ちた中年男が、
ゆらゆらしながら吊り革にぶら下がる―――
―――いや、大袈裟に言ったらそんな感じなんですけどね。
実際は、ちょっとざわついたくらいです。
私の妻はよく見ていて、
隣りのおばさんに説明してあげてました。
立派です。
どうやら、携帯のカメラかなんかで盗撮をしたらしき人がいて、
それが、やった・やらないで揉めているようでした。
「カシャ」って音がした!
とかしてないとか、
当人どうしの不毛な感じのやりとりでしたが、
最終的には痴漢事件として、パトカーも駆け付けてきて、
列車も30分ストップするという惨事に。
一宮駅は無人駅だったから、
被疑者を駅員に引き渡すこともできず、
警察が来るまで待つしかなかったんです。
車内は野次馬だらけで、めっちゃのどかな時間が相変わらず流れてました。
30分待たされても、みんなこのハプニングを楽しんでいたようでした。
うーむ、盗撮でこんなにも止まってしまう吉備線もすごいし、
それなりに楽しむ乗客もすごい。
こんなガラガラで静かな車内で盗撮行為に及ぶ被疑者も凄まじいです。
さらには吉備線スピードなさすぎて、
しばらく線路の隣にある国道を走る、被疑者を乗せたパトカーと
並走してしまっていたのもすごかったです。
今日も平和な吉備線でした。
来月の式の打ち合わせや準備です。
うっかり者の僕に比べ、
妻はしっかり者で立派です。
* * *
あれこれ打ち合わせが終わり、夜。
実家への帰り道。
JR吉備線で、この平和な岡山を震撼させる大事件!
これを語るには、まず吉備線がなんたるかを説明する必要がある。
吉備線とは岡山-総社間を片道30分ほどで結ぶ、
付近住民にとっては岡山中心部へ出るためにはなくてはならない重要な線である。
だがしかし、列車はほぼ単線。
駅にやってくるのは時間によっては1時間に1本だったり、
おまけに1両で運転するときもある。
また、電気ではなくディーゼルで走っているというのも素晴らしく、
電車ではなく、列車なのである。
さらには、車内に吊り下げ広告の類は少なく、
時には昔話列車として、謎のアナウンスとともにノースポンサーでカタコト走るときもある。
非常にのんびりした平和な列車なのである。
* * *
今日も、2両編成なのに
ほとんどの人が座席に座れるという、のどかな環境の中、
吉備線は岡山駅から総社へ向けて走っていた。
21時26分発。夜の列車。
平和なひととき。
誰もがこの日常が続くことを信じていた。
しかし、それを切り裂く悪夢は、
足音も立てずにすぐそばまでやってきていたのだ―――
一宮駅で、事件は唐突に起こった。
初めは何が起こったのか、
乗客のほとんどが理解していなかった。
いや、あまりに突然すぎて理解できなかったのだ。
しかし、しばらく時間が経つにつれ、気付いた人々がざわめき始めた。
何分経っても、一宮駅から列車が出発しないのだ。
一宮駅は単線の線路のため、
上り下りの列車行き違いで長時間停車するなど有り得ない。
その一宮駅で列車が停まることは非常事態を意味しているのだ。
それは異様な光景だった―――
恐怖にかられ、私の妻の隣りにいた老婆が、
馬のいななきのような叫びをあげる。
絶望的な目をした若い女性が、
「今日のmixiの日記のネタはこれじゃ!」と唸り声を上げる。
猜疑心に充ちた中年男が、
ゆらゆらしながら吊り革にぶら下がる―――
―――いや、大袈裟に言ったらそんな感じなんですけどね。
実際は、ちょっとざわついたくらいです。
私の妻はよく見ていて、
隣りのおばさんに説明してあげてました。
立派です。
どうやら、携帯のカメラかなんかで盗撮をしたらしき人がいて、
それが、やった・やらないで揉めているようでした。
「カシャ」って音がした!
とかしてないとか、
当人どうしの不毛な感じのやりとりでしたが、
最終的には痴漢事件として、パトカーも駆け付けてきて、
列車も30分ストップするという惨事に。
一宮駅は無人駅だったから、
被疑者を駅員に引き渡すこともできず、
警察が来るまで待つしかなかったんです。
車内は野次馬だらけで、めっちゃのどかな時間が相変わらず流れてました。
30分待たされても、みんなこのハプニングを楽しんでいたようでした。
うーむ、盗撮でこんなにも止まってしまう吉備線もすごいし、
それなりに楽しむ乗客もすごい。
こんなガラガラで静かな車内で盗撮行為に及ぶ被疑者も凄まじいです。
さらには吉備線スピードなさすぎて、
しばらく線路の隣にある国道を走る、被疑者を乗せたパトカーと
並走してしまっていたのもすごかったです。
今日も平和な吉備線でした。