Stay With Me
ー Forever & Always (4) ー
沙良ちゃんと食事の約束をした夜になった
お 、今日は前のマニッシュ系とは違うな
ロングだけど 一応はスカートを履いてる (笑)
店ではいつもデニムだったしな …
一応 デートってことを意識してくれたのか?(笑)
「 すみませーん! 」
小走りで息を切らしやってきた
「 遅れてすみません! 」
「 いや 大丈夫だよ (笑) 」
女の子が好きな感じの落ち着いた創作居酒屋の個室を予約していた
ワクワクしている表情の彼女が前に座った
仕事で若いモデルの子を撮ることはあっても
プライベートでこんなに年齢が離れている子と食事をしに行くことなんてなかったな
寺崎が15歳も年下の彼女に気後れしていたこともわかる気がする
「 なに飲む? 」
「 じゃあビールでぇ! 」
言い方が …
「 クククッ (笑) 」
なんとも可愛いらしい
「 可笑しいですか??? 」
「 いや 、可愛いなと (笑) 」
目を大きく開いてぱちぱちさせている
この癖も (笑)
恋愛感情は正直なところ
今は感じてはないけど
この子を見てると癒される
そうだな
仔犬を見ているような感覚に似ているかも
たわいもない会話でも
この子が話す姿を眺めているだけで良い
「 そんな風にずっと微笑みかけられると話づらいんですよ! 」
照れてるのもね
「 一応 、俺 男として意識してくれてるの? 」
彼女がまた目をぱちぱちさせた
「 そりゃもちろんですよ! 」
「 それは良かった (笑) 」
「 もしかして冷やかしで誘ってくれたんですか? 」
え?
「 まさか、なんで ? 」
「 何となくですけど … 」
えー? ほんとにー? と思っているような目で俺を見た
ー Forever & Always (4) ー
沙良ちゃんと食事の約束をした夜になった
お 、今日は前のマニッシュ系とは違うな
ロングだけど 一応はスカートを履いてる (笑)
店ではいつもデニムだったしな …
一応 デートってことを意識してくれたのか?(笑)
「 すみませーん! 」
小走りで息を切らしやってきた
「 遅れてすみません! 」
「 いや 大丈夫だよ (笑) 」
女の子が好きな感じの落ち着いた創作居酒屋の個室を予約していた
ワクワクしている表情の彼女が前に座った
仕事で若いモデルの子を撮ることはあっても
プライベートでこんなに年齢が離れている子と食事をしに行くことなんてなかったな
寺崎が15歳も年下の彼女に気後れしていたこともわかる気がする
「 なに飲む? 」
「 じゃあビールでぇ! 」
言い方が …
「 クククッ (笑) 」
なんとも可愛いらしい
「 可笑しいですか??? 」
「 いや 、可愛いなと (笑) 」
目を大きく開いてぱちぱちさせている
この癖も (笑)
恋愛感情は正直なところ
今は感じてはないけど
この子を見てると癒される
そうだな
仔犬を見ているような感覚に似ているかも
たわいもない会話でも
この子が話す姿を眺めているだけで良い
「 そんな風にずっと微笑みかけられると話づらいんですよ! 」
照れてるのもね
「 一応 、俺 男として意識してくれてるの? 」
彼女がまた目をぱちぱちさせた
「 そりゃもちろんですよ! 」
「 それは良かった (笑) 」
「 もしかして冷やかしで誘ってくれたんですか? 」
え?
「 まさか、なんで ? 」
「 何となくですけど … 」
えー? ほんとにー? と思っているような目で俺を見た
「 本当に冷やかしなんかじゃないよ。
君を見てたら癒されるし楽しい。だから誘ったんだよ。」
「 だからそういう目で見ないでくださいよ(笑) 困ります(笑) 」
ますます照れてる
ほんと可愛い表情するなぁ
「 どんな目 ? 」 わざとじっと見つめる
「 その目ですよ! 鏡 見ます!? 」
彼女の顔が赤くなってきた
「 顔赤くなってきたよ (笑) 」
ちょっとからかってみたら
ますます顔を赤くした
「 お酒で赤いんですよ! 」
ムキになった
ふふっ
25よりも若く感じる
ほんと10代だ (笑)
それにしても
えらく早いペースで飲むなぁ
「 ペース早くない? 大丈夫 ? 」
「 大丈夫! 」
まさか緊張してる?
店を出た時 彼女はすっかりできあがっていて足取りが危なっかしい
若い子の飲み方だな (笑)
ふらつく足取りの彼女の肩を支えてタクシー乗り場に向かった
まさか1件目でこんな状態になるとはな (笑)
あまり飲ませ過ぎたら俺がママに怒られちゃうよ
「 まだ帰らないよっ 」
少しろれつが回らない口調で帰ることを拒んだ
「 いやいや、もう帰りな (笑) 」
「 まだ1件しか行ってないのに~ 」
酒癖悪いな (笑)
「 せっかく斉藤さんと飲みに来たのに … 」
シュンとなった
だったらそんなに飲まなくても良かったんじゃ?と思ったが
そんな残念そうな表情されると …
「 んー じゃあ 、、あと1件だけね 。どこ行きたいの? 」
「 クラブで躍るのはー? 」
それじゃますます酔いが回るだろう!?
危ない危ない!
「 クラブは今度ね。他は? 」
「 じゃあ飲む! 」
まだ飲みたいのか(笑)
「 そんなに飲んで大丈夫? 」
「 友達とは朝まで飲むよ! 」
若いな!
あー でも俺も若い頃はそうだったな
「 んーじゃあ 、あと1杯だけ。で 、帰ろうね(笑) OK? 」
「 えー!わかったぁ。OK~♪ 」
あぁ 早くこの子を家に帰さないと
近くの居酒屋に入って彼女はまたビールを頼んだ
終始ご機嫌な様子
「 君はどんな男と付き合ってきたの? 」
「 うーん ? ダメな男が多かった (笑) 」
「 どんな? (笑) 」
「 二股とか?(笑) 」
あぁ … なるほど
「 斉藤さんは優しいよねー (笑) 顔良し 、性格良し 、 センス良し!
それでモテないわけないよね(笑) 」
「 まぁ、、それなりに? (笑) 」
「 でしょうね!(笑) で? なんで誘ってくれたの? 」
「 可愛いからだよ(笑) 」
「 可愛いなんてこと初めて言われたよ
。」
目をぱちぱちさせた
「 でももう深酒はやめようね (笑) 一晩中介抱したくなるから。」
ぶはははは と爆笑した
いやいや
ここ爆笑するところじゃないと思うけど?
でもその豪快な笑い方に俺もつられて笑った
本当に1杯だけにして彼女をタクシーに乗せた
「 あれ? 家まで送ってくれないの ? 」
「 部屋に上げてくれるならね(笑) 」
「 いいよ!あ!じゃあ家で飲もう! 」
いいの?
しかもまだ飲む気!?
「 んー。 わかった。」
取り敢えず送り届けないとと思い
一緒に彼女のマンションに向かった
おぼつかない足どりで部屋の前に着き
鍵を開けた
「 どうぞ~! 」
こんな軽いノリで男を部屋に招き入れて
この子 大丈夫なんだろうか
「 じゃあ、お邪魔します。」
へぇ~
部屋は女の子らしいんだな
ミッキーが好きなのか
ミッキーやミニーのグッズやぬいぐるみが沢山あった
「 ビールしかないけどいいかなぁ。 」
よほどビールが好きなんだな
「 うん 。いいよ 。俺 どこに座ればいいの? 」
「 狭いからどこでもどうぞぉ! 」
彼女はベッドを背もたれにして座った
そこが彼女の定位置のようだ
スルメに柿ピーか
まるでオッサンだな(笑)
そういえばママが …
女らしくして欲しいとこの子に口酸っぱく言ってたな
「 ねぇ 。俺 、男だけどこんなに簡単に部屋にあげて良かったの? 」
「 え ? … 」
え? なに?
今 初めて気付いたようなその反応
「 あはっ、あはは … そうだったね 」
彼女は笑ってごまかした
「 ほら! 斉藤さんは私のこと女に見えないでしょ!? 私 オッサンみたいだからさー! あははっ 」
「 俺には女に見えてるけど? 」
びっくりして目をばちぱちする彼女が可愛いくて眺めていた
「 だから見つめないでくださいよー (笑) あははっ 」
「 俺のこと男として意識してくれてるの? 」
「 まぁ 、そりゃ、 、 」
照れくさそうに返事をした
「 良かった (笑) 今度は酒抜きでデートしよう 。
じゃあ俺 、帰るね 。」
ジャケットを持って立ち上がろうとした
「 え? もう帰っちゃうの ? 」
残念そうに目を潤ませて俺を見つめた
そんな顔
されたら …
目を見つめながら顔を近づけた
「 それは … 今夜 ここに泊まっていいってこと? 」
視線を反らして迷っている表情が可愛い
「 ふふっ (笑) じゃあ帰るね。」
髪を撫でて立ち上がった
「 またデートしよ? 連絡待ってるから。」
彼女の部屋を出て表通りでタクシーを拾い乗り込んだ
“ 初めてが酔った勢い ” だったなんて
まるで卑怯な男がやることみたいだろう?
わざと女を泥酔させる奴もいるけど
俺はそういうのは好きじゃない ーー
でもなぁ …
あんな表情されたら
さすがに大人の男の理性もグラグラ揺れたわ(笑)
ーーー
顔見知りの恋愛ベタな若い女の子に
軽い気持ちで食事に誘っただけ
ただそれだけだった
でも最後は俺の方が彼女を女として意識した
そんな自分自身に少し驚きを感じる
純粋な反応が新鮮だからかもしれないが
ずっと見つめていたいと思わせるものがある彼女
また二人で会えればな
俺は彼女の方から連絡が来るのを密かに期待した
ーーーーー
それから10日間
その間 数回店で彼女と顔を合わせた
彼女から連絡が来ることはなく
俺達の関係は店員と客のまま何も変わっていない
まるで何事もなかったかのようないつもの彼女だった
「 そう言えば 、二人デートしたんじゃなかったっけ ? 」
カウンターの隅が定位置の年配常連客の泰三さんが俺に話しかけてきた
「 ええ、とても楽しかったですよ(笑) 」
「 私 、調子こいて飲み過ぎちゃってほとんど覚えてなくて …
食事してたのは覚えてるんだけど、どうやって帰ったんだろ~ (笑) 」
え? あの日のこと忘れてたの?
しかも食事中からって _
ほとんど忘れてるってことなのか?
そこまで酔ってるようには思えなかったけどな
だから連絡がなかったのか
なんだ
俺 フラれたのかと思ったよ
良かった
「 まぁ珍しい。そんなこともあるなんて (笑) 」
ママが笑った
それは いつもなら記憶が無くなることはないってこと?
「 斎藤さん素敵だから凄く緊張して直ぐ酔っちゃった(笑) 」
そんなには緊張してなかっただろう!(笑)
「 なんで緊張したの? 」 そう尋ねると
「 それは斉藤さんが格好良いからですよ! (笑) 」
泰三さんが 確かにな 、と笑った
あれ? なんか …
沙良ちゃんにLINEを送った
“ ほんとに食事したことしか覚えてない? ”
それを読んだ沙良ちゃんは俺の顔を見た
“ 次のデートの約束のことも? ”
彼女がそのメッセージを読むと
慌てて空いた皿を引き上げだし洗い物を始めた
あの反応 …
覚えてるけどスルーしてたってこと、か
やっぱり俺 フラれたのか
そうか …
「 ママ 、お勘定お願い 」
店を出てLINEを送った
“ 俺フラれたんだな。約束したことは忘れてね。”
直ぐに既読がついた
“ そういう訳じゃなくて ”
あれ? 違うのか?
なぜ私のようながさつな女を誘ったのか
あの夜のこと思い出したら照れくさいのにまた二人きりでどんな顔すればいいのかわからない
そんな可愛らしい内容の返事をくれた
なんだ やっぱり忘れてなくて
ちゃーんと覚えてんじゃん(笑)
俺のこと意識してくれてる
“ あれから一度も連絡くれなかったのに ? ”
わざと
いけずな返しを送った
“ なんて返したら良いかわからなかったから ”
“ 俺はずっと楽しみに待ってた。フラれたんだなと思って諦めるよ。”
彼女はスマホの画面を見ながら慌てて店の外に出てきた
店の傍の曲がり角にいた俺に気付かず
彼女は俺に電話をかけてきた
『 もしもし? 』 彼女を見ながら電話に出た
『 だからそういう訳ではなくて、私は … 』
「 “ 私は ” なに ? 」
彼女に歩み寄った
俺の顔を見るなり彼女は驚いた
「 あーっ、えーっと、、」
顔が赤くなっていくのを俺は微笑みながら見つめた
「 また、デートを … 」
恥ずかしそうにうつむいた
「 今度は酒抜きでデートしよ 。で 、次は … 」
そっと彼女の顎を上げて唇を指先でなぞった
キスを予告するように
真っ赤な顔で目をぱちぱちさせた
「 OK? 」
「 それは、、 」
動揺してる
黙って返事を待った
「 おっ、、OK 、、」
「 嬉しいよ。デート楽しみにしてる 。
じゃあ俺の休みの日にち、連絡するね 。 」
髪を撫で
彼女と別れた
彼女の素直さが
「 だからそういう目で見ないでくださいよ(笑) 困ります(笑) 」
ますます照れてる
ほんと可愛い表情するなぁ
「 どんな目 ? 」 わざとじっと見つめる
「 その目ですよ! 鏡 見ます!? 」
彼女の顔が赤くなってきた
「 顔赤くなってきたよ (笑) 」
ちょっとからかってみたら
ますます顔を赤くした
「 お酒で赤いんですよ! 」
ムキになった
ふふっ
25よりも若く感じる
ほんと10代だ (笑)
それにしても
えらく早いペースで飲むなぁ
「 ペース早くない? 大丈夫 ? 」
「 大丈夫! 」
まさか緊張してる?
店を出た時 彼女はすっかりできあがっていて足取りが危なっかしい
若い子の飲み方だな (笑)
ふらつく足取りの彼女の肩を支えてタクシー乗り場に向かった
まさか1件目でこんな状態になるとはな (笑)
あまり飲ませ過ぎたら俺がママに怒られちゃうよ
「 まだ帰らないよっ 」
少しろれつが回らない口調で帰ることを拒んだ
「 いやいや、もう帰りな (笑) 」
「 まだ1件しか行ってないのに~ 」
酒癖悪いな (笑)
「 せっかく斉藤さんと飲みに来たのに … 」
シュンとなった
だったらそんなに飲まなくても良かったんじゃ?と思ったが
そんな残念そうな表情されると …
「 んー じゃあ 、、あと1件だけね 。どこ行きたいの? 」
「 クラブで躍るのはー? 」
それじゃますます酔いが回るだろう!?
危ない危ない!
「 クラブは今度ね。他は? 」
「 じゃあ飲む! 」
まだ飲みたいのか(笑)
「 そんなに飲んで大丈夫? 」
「 友達とは朝まで飲むよ! 」
若いな!
あー でも俺も若い頃はそうだったな
「 んーじゃあ 、あと1杯だけ。で 、帰ろうね(笑) OK? 」
「 えー!わかったぁ。OK~♪ 」
あぁ 早くこの子を家に帰さないと
近くの居酒屋に入って彼女はまたビールを頼んだ
終始ご機嫌な様子
「 君はどんな男と付き合ってきたの? 」
「 うーん ? ダメな男が多かった (笑) 」
「 どんな? (笑) 」
「 二股とか?(笑) 」
あぁ … なるほど
「 斉藤さんは優しいよねー (笑) 顔良し 、性格良し 、 センス良し!
それでモテないわけないよね(笑) 」
「 まぁ、、それなりに? (笑) 」
「 でしょうね!(笑) で? なんで誘ってくれたの? 」
「 可愛いからだよ(笑) 」
「 可愛いなんてこと初めて言われたよ
。」
目をぱちぱちさせた
「 でももう深酒はやめようね (笑) 一晩中介抱したくなるから。」
ぶはははは と爆笑した
いやいや
ここ爆笑するところじゃないと思うけど?
でもその豪快な笑い方に俺もつられて笑った
本当に1杯だけにして彼女をタクシーに乗せた
「 あれ? 家まで送ってくれないの ? 」
「 部屋に上げてくれるならね(笑) 」
「 いいよ!あ!じゃあ家で飲もう! 」
いいの?
しかもまだ飲む気!?
「 んー。 わかった。」
取り敢えず送り届けないとと思い
一緒に彼女のマンションに向かった
おぼつかない足どりで部屋の前に着き
鍵を開けた
「 どうぞ~! 」
こんな軽いノリで男を部屋に招き入れて
この子 大丈夫なんだろうか
「 じゃあ、お邪魔します。」
へぇ~
部屋は女の子らしいんだな
ミッキーが好きなのか
ミッキーやミニーのグッズやぬいぐるみが沢山あった
「 ビールしかないけどいいかなぁ。 」
よほどビールが好きなんだな
「 うん 。いいよ 。俺 どこに座ればいいの? 」
「 狭いからどこでもどうぞぉ! 」
彼女はベッドを背もたれにして座った
そこが彼女の定位置のようだ
スルメに柿ピーか
まるでオッサンだな(笑)
そういえばママが …
女らしくして欲しいとこの子に口酸っぱく言ってたな
「 ねぇ 。俺 、男だけどこんなに簡単に部屋にあげて良かったの? 」
「 え ? … 」
え? なに?
今 初めて気付いたようなその反応
「 あはっ、あはは … そうだったね 」
彼女は笑ってごまかした
「 ほら! 斉藤さんは私のこと女に見えないでしょ!? 私 オッサンみたいだからさー! あははっ 」
「 俺には女に見えてるけど? 」
びっくりして目をばちぱちする彼女が可愛いくて眺めていた
「 だから見つめないでくださいよー (笑) あははっ 」
「 俺のこと男として意識してくれてるの? 」
「 まぁ 、そりゃ、 、 」
照れくさそうに返事をした
「 良かった (笑) 今度は酒抜きでデートしよう 。
じゃあ俺 、帰るね 。」
ジャケットを持って立ち上がろうとした
「 え? もう帰っちゃうの ? 」
残念そうに目を潤ませて俺を見つめた
そんな顔
されたら …
目を見つめながら顔を近づけた
「 それは … 今夜 ここに泊まっていいってこと? 」
視線を反らして迷っている表情が可愛い
「 ふふっ (笑) じゃあ帰るね。」
髪を撫でて立ち上がった
「 またデートしよ? 連絡待ってるから。」
彼女の部屋を出て表通りでタクシーを拾い乗り込んだ
“ 初めてが酔った勢い ” だったなんて
まるで卑怯な男がやることみたいだろう?
わざと女を泥酔させる奴もいるけど
俺はそういうのは好きじゃない ーー
でもなぁ …
あんな表情されたら
さすがに大人の男の理性もグラグラ揺れたわ(笑)
ーーー
顔見知りの恋愛ベタな若い女の子に
軽い気持ちで食事に誘っただけ
ただそれだけだった
でも最後は俺の方が彼女を女として意識した
そんな自分自身に少し驚きを感じる
純粋な反応が新鮮だからかもしれないが
ずっと見つめていたいと思わせるものがある彼女
また二人で会えればな
俺は彼女の方から連絡が来るのを密かに期待した
ーーーーー
それから10日間
その間 数回店で彼女と顔を合わせた
彼女から連絡が来ることはなく
俺達の関係は店員と客のまま何も変わっていない
まるで何事もなかったかのようないつもの彼女だった
「 そう言えば 、二人デートしたんじゃなかったっけ ? 」
カウンターの隅が定位置の年配常連客の泰三さんが俺に話しかけてきた
「 ええ、とても楽しかったですよ(笑) 」
「 私 、調子こいて飲み過ぎちゃってほとんど覚えてなくて …
食事してたのは覚えてるんだけど、どうやって帰ったんだろ~ (笑) 」
え? あの日のこと忘れてたの?
しかも食事中からって _
ほとんど忘れてるってことなのか?
そこまで酔ってるようには思えなかったけどな
だから連絡がなかったのか
なんだ
俺 フラれたのかと思ったよ
良かった
「 まぁ珍しい。そんなこともあるなんて (笑) 」
ママが笑った
それは いつもなら記憶が無くなることはないってこと?
「 斎藤さん素敵だから凄く緊張して直ぐ酔っちゃった(笑) 」
そんなには緊張してなかっただろう!(笑)
「 なんで緊張したの? 」 そう尋ねると
「 それは斉藤さんが格好良いからですよ! (笑) 」
泰三さんが 確かにな 、と笑った
あれ? なんか …
沙良ちゃんにLINEを送った
“ ほんとに食事したことしか覚えてない? ”
それを読んだ沙良ちゃんは俺の顔を見た
“ 次のデートの約束のことも? ”
彼女がそのメッセージを読むと
慌てて空いた皿を引き上げだし洗い物を始めた
あの反応 …
覚えてるけどスルーしてたってこと、か
やっぱり俺 フラれたのか
そうか …
「 ママ 、お勘定お願い 」
店を出てLINEを送った
“ 俺フラれたんだな。約束したことは忘れてね。”
直ぐに既読がついた
“ そういう訳じゃなくて ”
あれ? 違うのか?
なぜ私のようながさつな女を誘ったのか
あの夜のこと思い出したら照れくさいのにまた二人きりでどんな顔すればいいのかわからない
そんな可愛らしい内容の返事をくれた
なんだ やっぱり忘れてなくて
ちゃーんと覚えてんじゃん(笑)
俺のこと意識してくれてる
“ あれから一度も連絡くれなかったのに ? ”
わざと
いけずな返しを送った
“ なんて返したら良いかわからなかったから ”
“ 俺はずっと楽しみに待ってた。フラれたんだなと思って諦めるよ。”
彼女はスマホの画面を見ながら慌てて店の外に出てきた
店の傍の曲がり角にいた俺に気付かず
彼女は俺に電話をかけてきた
『 もしもし? 』 彼女を見ながら電話に出た
『 だからそういう訳ではなくて、私は … 』
「 “ 私は ” なに ? 」
彼女に歩み寄った
俺の顔を見るなり彼女は驚いた
「 あーっ、えーっと、、」
顔が赤くなっていくのを俺は微笑みながら見つめた
「 また、デートを … 」
恥ずかしそうにうつむいた
「 今度は酒抜きでデートしよ 。で 、次は … 」
そっと彼女の顎を上げて唇を指先でなぞった
キスを予告するように
真っ赤な顔で目をぱちぱちさせた
「 OK? 」
「 それは、、 」
動揺してる
黙って返事を待った
「 おっ、、OK 、、」
「 嬉しいよ。デート楽しみにしてる 。
じゃあ俺の休みの日にち、連絡するね 。 」
髪を撫で
彼女と別れた
彼女の素直さが
とてもキラキラして見えて
心が惹かれた
彼女にまた会いたいと
ーーーーーーーーーーーー
心が惹かれた
彼女にまた会いたいと
ーーーーーーーーーーーー