気まぐれ徒然なるままに

気まぐれ創作ストーリー、日記、イラスト

たしかなこと 2 (2)

2020-04-25 23:00:00 | ストーリー
たしかなこと 2 (2)





白川さんと久しぶりにデートらしくプラネタリウムを見に行った

カップルシート座り 白川さんの男性的な厚みのある大きな手が私の手を包んだ

この手が私に安心感を与えてくれる
守ってくれているようで…


プラネタリウムを出て車に乗り込んだ


夜の車中は密室感があって
二人の距離がより近く感じる

ハンドルを握る手の血管や腕の筋肉の筋が“男”ということを私に意識させているようでほんとドキドキする


「カップルシートってちょっと照れました(笑)」

「また行きましょう。」


この落ち着いた低い声が好き…


「はい、是非… またカップルのシートが良いです…

なんとなく照れちゃうな


「困りましたね… そんな可愛い顔されるとキスしたくなるじゃないですか(笑) 今、運転してるのに(笑)」

顔が火照ってきた

もういい加減慣れてもいいのに
この人のこういう言葉はいまだに照れてしまう


「じゃあ信号が赤になったら… 」

「わかりました。」


これからキスしますよって予告が
ますますドキドキさせる


あの時の
流星群を見に行った帰り道を思い出した

次は赤になるようにと願っていた頃の白川さんと今の白川さんは違う人みたいに余裕が…

あ…
車は信号で停止した

白川さんはあの頃と違い
躊躇なく両手で引き寄せられ甘いキスをしてきた


ーー あっ…


信号は青になって白川さんは何事もなかったかのように前を向き車を発進させた


ドキドキがおさまらない
以前と明らかに違う


幾ら夜で周りから見えづらいからって車に囲まれたあの状況であんな大胆な…




スタバのドライブスルーで珈琲を購入し夜景の見える埠頭に着いて車から降りた



綺麗だなぁ… 夜景なんて久しぶり



「綺麗ですね(笑)」

「そうだね。」

優しく私を肩を抱かれた
白川さんの手はいつも私に安心を与えてくれる

風に乗って白川さんの匂いとフレグランスが混じった良い香りがした


「白川さんの匂い… 」

白川さんが驚いて身体を離した
「まさか、加… 」

「加齢臭じゃないですよぉ(笑) はははっ(笑)」


今までそういうこと気にしてた?
そんなの気にするなんて意外だなぁ(笑)


「白川さんの匂い好きです(笑) 白川さんが今夜みたいな満月の夜に初めて“月が綺麗ですね”って言ったあの時から… ずっとこの香りに心が惹かれてました… 」


桜の花びらが月明かりで輝く水面で揺れていたあの美しい光景と白川さんの香りがいつも同時に浮かんでくる


「あの時すでに僕は貴女に恋をしていました… 今は… 」


私を見つめる白川さんの手が頬に優しく触れ言葉にならない感情が湧いてきた

「心から愛してる… 毎日こうして貴女に触れていたい 」


え…


「それは… 」

つまり…


「貴女が欲しい。大切にする。だから… 」


だから…?


「僕との結婚を考えてもらえないだろうか。」


えっ!!


「愛してるんだ… 貴女を」

愛してるって言葉を今まで言われたこともあるし言ったこともある

でも今のこの感情が本当に “愛してる” ってことなんだと思う


私… 白川さんと結婚したいと
すっと思ってた


「返事、 」

「直ぐじゃなくても良い。よく考えてから返事をして欲しい。」


白川さんも私との結婚を考えてくれていた事が嬉しかった

白川さんは再婚になるし年齢差もあるからきっと真剣に慎重に考えた末の プロポーズなんだと思う…



「返事はいつでもできます。」

「今じゃなくても、、いいんですよ、、」


いつも余裕のある大人の男性の白川さんがこんなに自信なさげに見えるのは初めて…

「どうしてそんな自信のない顔するんですか?白川さんらしくないですね(笑)」

「自信なんて元々無いですよ(笑) 年齢差もありますから。」


やっぱり…
でもそんなこと始めからわかってることだし


「結婚したいです(笑) 私で良ければ(笑)」


「…え?」

「え?」

「ほんとに?」


まるで予想もしていなかった返事を貰ったかのような白川さんの動揺に私も驚いた



「えっ、ええ、、はい(笑)」

「ありがとう… ありがとう…」

泣きそうな表情をして私を抱き締めた


「嬉しいです(笑)」

そう言った私の言葉に更に強く抱き締められた


「必ず幸せにします!」

「今までも幸せでしたよ(笑)」

「もっと、もっともっと沢山です!」


嬉しそうな声…
これだけで充分 幸せだよ

白川さん…







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