■マーケット
日経平均7日続落にアベノミクス応援団
6日の日経平均株価は7営業日連続で下落となりました。2012年12月に安部政権が誕生して以来はじめてのことです。為替市場では6日にドル円相場で一時109円94銭をつけて、1年5ヵ月ぶりの円高水準となりました。そうした中、自民党本部では「アベノミクスを成功させる会」が開かれました。出席した議員の大半が消費税率の引き上げに慎重な考えです。この議員連盟は、2014年にも安倍総理に増税の延期を提言しています。会長の山本幸三衆議院議員は「消費の数字からいえばリーマン・ショック以来の事態が起きている。増税どころか減税すべきだともよめる」と話しました。一方で菅官房長官は、「リーマン・ショック以来の事態が起こっているとは思わない」と否定しています。
最低賃金 15ドルへ引き上げ
米国では先週、カリフォルニア州とニューヨーク州が最低賃金を時給15ドルにまで引き上げると決定しました。2つの州は最低賃金を来年から段階的に引き上げ、2020年前後に時給15ドルにします。15ドルへの引き上げは州単位では初めてです。連邦政府の設定する最低賃金が7.25ドルで据え置かれるなか、今年の初めには14の州が最低賃金を引き上げています。背景には大統領選を通じた所得格差への問題意識の高まりがあります。最低賃金の引き上げは消費の底上げにつながる期待がある一方、引き上げ額が高すぎたり、引き上げるペースが急だと雇用が抑制されたり、企業の収益を圧迫する可能性があります。現在時給15ドル以下で働く労働者の割合は42%にのぼるとのデータもあり、段階的とはいえ15ドルまで引き上げるとその影響は小さくありません。
中継担当:三菱東京UFJ銀行 栗原浩史氏
■【コメンテーター】髙橋進氏(日本総研 理事長)
・価格戦略に知恵しぼる
--消費者に受け入れられる価格ラインを見極めるために各社が苦心をしているようです。デフレ脱却というのは安倍政権での大きなテーマですが、いまデフレに後戻りしそうな瀬戸際なんでしょうか。
瀬戸際とまでは言い切れないですけれども、でも戻る危険性はあります。企業を見ているとデフレ脱却を睨んで低価格競争から脱却しようとしました。高付加価値で値段も上げていきましたが、そう簡単に受け入れられていないです。それでもうまくヒット商品が出ると業績がアップする。だけどヒットを出す方程式がなかなか見つからない。しまむらは今期はいいですけど先期までは悪かった。ユニコロも前は良かったけれど今期は悪かった。彼らも業績がアップダウンしている。そういう意味では企業努力に限界があると思う。
--では値上げに消費者が着いていけない状況をどう克服していきますか。
基本的には消費が良くないということです。良くない理由は賃金がまだよく上がっていないということ。あるいは賃金が上がっても消費が良くないのは子育て層です。ですから政策的には子育て層に極めて抜本的にテコ入れしていくということです。待機児童の解消、幼児教育の無償化、できれば高等教育のところももう少し低所得の方にテコ入れするとか、そういう政策を取っていくべきです。それからもし消費税を上げるということであれば、その見返りに個人所得減税をやるとかも必要でしょうし、上げない場合でもやはり消費の底上げを図るような政策、子育て層支援をやらないといけないと思います。
--吉野家でも今あるものは上げたくないという思いは感じました。それよりす他の価格帯の商品を新たに出すということで、やはり値下げ競争に戻りたくないがありますね。
マクロ経済もそうですし、個別の企業も皆もうデフレには戻りたくないと思っています。
・日経平均7日続落にアベノミクス応援団
--消費の数字から見ればリーマンショック以来の事態が起こっているという発言がありましたけど、現状をどう見ていますか。
ポイントはリーマンショックと比べて落ち込みがどうかということと消費の実態がどうかということです。まず落ち込みということで言うとGDPはリーマンショックの時は11兆円落ちました。今回は18兆円落ちています。但し今回は消費税の駆け込み、その反動が大きくてそれが6兆円ぐらいあるので、ならすとそんなに大きいかというと微妙なところです。もう一つは、消費がどんどん悪くなっているかというと、いま政府の景気判断は横ばいで良くはないがどんどん悪くなっているという雰囲気ではない。そういう意味で消費も含めて日本経済全体がリーマンショックの時のようにどんどん落ち込んでいるかというとそうではない。但し問題は世界経済の方にあると思います。リーマショックの時は世界経済がドンと落ち込んで回復しました。あの時は中国がものすごい景気対策をやり、各国も大金融緩和をやりました。今回はその中国が原因で悪くなっている。今回は急激な落ち込みではないけれど、緩慢だけど非常に長く落ち込んでいるということだと思います。かつ中国が原因で中国がまだどうなるかわからない。だから先進各国もどうすればこの状況から脱却できるのかわからないという意味ではまだ出口が見えない。だから世界経済はリーマンショック以来というか、それに匹敵するような状態ではないとは言い切れない事態かなという気がします。
--そんな中、消費税を再び先送りをしたほうが良いという声が高まってきそうなんですが、先送りする必要はありますか。
それは足元の景気、消費動向をよく見極めてということだと思います。
--世界的には日本は増税してくれるなというムードですか。
必ずしもそうではない。サミットで日本はリーダーシップを取らなければならない立場です。おそらく先進国で財政出動を各国がやって支えるという話になる。そうすると日本は財政に関してどういう手を打ちますか。そうなると消費税延期という一つのコマが出てくるわけです。
・賃上げ起点に好循環を
アメリカではニューヨーク州とカリフォルニア州で最低賃金を時給15ドル(1650円)まで引き上げるということです。これは所得格差の是正には効果がると見ていますか。
もちろんあります。アメリカ共和党は最低賃金を上げると効用が減ると反対している。それで州ごとになっているんです。日本政府は最低賃金を毎年3%ずつ上げて、2020年に今の800円を1000円にしたい方針を打ち出しています。雇用が減るという議論はあるが、いま日本は大変な人手不足でですから多分雇用は減らない。中小企業の経営が苦しくなると言われますけど、地方のことを考えると賃金が上がって消費が増えて地域経済全体が潤っていくという好循環を作ることが必要だと思います。その時に中小企業がついてこれないといけないのですが、でも経営努力をして生産性を上げて、政府もそれを支援してあげるという形でいい循環を作ることが必要なんだろうと思います。
--今週はテーマとして消費をどう伸ばすか、物価をどう上げていくかというところですが、カギは賃上げですか。
中小企業の賃金が今年は結構上がりそうだということで、これはすごくいいニュースだなと思っています。
■シリーズ特集【カイシャの鑑】
客にもライバルにもノウハウを全部公開
独自の制度や経営手法を取り入れ、結果を生む会社に注目する「カイシャの鑑」。今回は、すべての情報を客にはもちろん、ライバル企業にまでオープンにした異色の建築設計事務所「フリーダムアーキテクツデザイン」です。この会社では、設計士が営業マンなど複数の仕事を兼務しています。また、過去に行った工事費の内訳を客に公開するという取り組みもしています。一般的に、設計士は自分のノウハウをほかに見せることを嫌いますが、社内の設計士同士がアイデアを出し惜しみせず助け合う決まりがあるのです。さらに、業界のレベルアップのため、設計図や使用建材のデータを社外に公開しました。ところが、この2年で、設計士を中心に入社希望者が増え、社員数は大幅に増えました。業績も右肩上がりです。設計士が、建築後のアフターケアまで行い、客との信頼関係を築ける仕組みになっていることなどが、やりがいにつながっているようです。
取材先 ・フリーダムアーキテクツデザイン
《大浜キャスター》客と設計士の幸せな関係
フリーダムアーキテクツデザインでは2年前にノウハウの公開に踏み切ってから入社希望者が殺到しているとのことで、社員数が2年前に比べて69人増えている。それに合わせて会社の業績も好調で、2014年度の契約件数はどんどん増え318件、売上高は15億円と過去最高。またフリーダムの設計士の仕事は営業からアフターケアまで沢山。中には土地探しや住宅ローンの相談、施工業者の選定まで行い忙しい。それでも集まって来る理由は何処にあるのか。
設計士は通常、設計と工事監理以外は関わらないが、この会社では完成後に定期的にアフターチェックを行っている。設計士が一貫して関わる事で客との信頼関係が構築できる。設計士・須原実さんは「設計者なら誰でも望んでいる事だと思うが、最後まで責任持って携わっていきたい」と話した。
またこの会社では設計だけでなくありとあらゆる事をやるので、実践的な家造りのノウハウが早めに見につくというメリットもあるとのこと。さらに設計費用や監理費用の目安が工事請負金額の13%と決まっていて、分かり易い。
■ニュース
セブン-イレブン 社長交代の方針固める
業績好調の「セブン&アイ・ホールディングス」が、コンビニエンスストア事業を手掛ける子会社「セブン-イレブン・ジャパン」の井阪隆一社長を交代させる人事案を固めたことが明らかになりました。テレビ東京の取材に対してセブン&アイの幹部が認めました。井阪氏は2009年に社長に就任し4期連続の最高益を達成するなどセブン-イレブンの好調な業績を牽引してきました。セブン&アイ・ホールディングスの幹部によりますとあす開かれる取締役会で井阪社長の退任を決め、新社長にセブン-イレブンの古屋一樹副社長をあてる人事案を提出します。ただ、複数の社外取締役が反対していて取締役会が紛糾する可能性もあります。ある幹部は今回の人事の狙いについて「7年も経ったので新鮮な感覚を持ち、力のある人を起用したい」と述べた。井阪社長はテレビ東京の取材に対して「取締役会で決まったことに従う」と述べました。新社長が決まれば、あす午後の決算会見で発表する見通しです。明日も注目のニュースです。
1ヵ月に20枚が届く ワイシャツ 新ビジネスとは?
新年度がスタートした4月と5月はワイシャツが最も売れるシーズンです。サラリーマンに話を聞くと、ワイシャツの洗濯やクリーニングに関して悩みを抱える人が多いようです。そこで、ベンチャー企業NextRは今月1日から「ワイクリン」というサービスを開始しました。1ヵ月、税別1万2,800円の利用料金で、毎月初めに20枚のクリーニング済みワイシャツが届きます。利用者は、使ったシャツを洗濯せずに専用の袋に入れ、月末に返送する仕組みです。長尾社長は、臭いなどについては「大丈夫だ」と話します。
一方、ワイシャツの臭い対策に新たな技術が誕生、P&Gが新しい柔軟剤を発表しました。「レノア本格消臭」は、10年の研究から生まれた、臭いの原因を化学的に消すことができる柔軟剤で、防臭にも効果を発揮します。さらに防臭についてもその効果が発揮されるとのこと。これまでの製品はイヤな臭いを香りで抑え込み消臭する仕組みのため、時間が経てば臭いがぶりかえす。一方、新しい技術はイヤな臭いを化学的に根本から消すとのこと。スタニスラブ社長も「日本の柔軟剤市場に新たな成長をもたらすと思う」と期待しています。
消費不振 価格戦略に知恵しぼる
約4年半ぶりに、豚丼の販売を再開した吉野家。価格は並盛り330円で牛丼よりも50円安くなっています。2004年に吉野家は、アメリカ産牛肉の禁輸で販売できなくなった牛丼に代わり、豚丼販売をスタート。その後、牛丼販売が再開し、姿を消しました。しかし牛肉価格高騰で牛丼が値上げした後、吉野家の客数は減り回復の兆しはありません。そこで集客の目玉としたのが今回の豚丼でした。牛丼を巡っては、価格が高騰する牛肉に手をつけると、価格競争が再燃する恐れがあります。
《吉野家/鵜澤武雄上席執行役員》
「企業としては当然、利益を客に還元していくサイクルなので、価格競争はあまり好ましくない。」
消費者に受け入れられる価格ラインはどこにあるのか。
消費者に受け入れられる価格ラインは今、どこにあるのか。
ユニクロは2月、定番商品の一部を300~1000円程値下げした。原材料費の高騰などから2014年以降、2度に渡って値上げした事で客数が大きく減少。しかし値下げした現在も客数が戻っていない。
その一方で好調なのが、しまむら。2016年2月期の決算は増収増益。ユニクロと対照的に3月の客数は11%増えた。消費者に受け入れられる商品価格をまず設定。その価格の中でクオリティーを高める戦略。しまむらの商品1点当たりの単価は900円以下。原材料が上昇しても価格を変えず、徹底した割安感で客数を伸ばした。その一方、2900円という高めの商品「素肌涼やかデニム&パンツ」にも力を入れている。販売目標は80万枚と強気。
《しまむら・野中正人社長》
「単価の高いものはあまり扱っていなかった。扱っていない分野を扱っていこうと。でも低単価で気軽に買えるものも欲しい。両方揃えてトータルで平均単価が少し上がるという事でいいんじゃないか。」
ガソリン代は元秘書不正か
民進党の山尾政調会長は、自身の資金管理団体などの政治資金収支報告書に多額のガソリン代が計上されていたことを明らかにし、謝罪しました。山尾氏は、当時、在職していた秘書が不正に計上していた可能性があると説明し監督責任を認めました。ただ、自身の進退については、「引き続き国民の期待に応えたい」と述べ、役職の辞任などを否定しました。
LINEに立ち入り検査
無料通話アプリ大手のLINE(ライン)に対し、関東財務局が立ち入り検査を行っていることが分かりました。スマートフォン向けのゲームLINEPOP内の有料アイテム「宝箱の鍵」について、商品券やプリペイドカードなどと同様の「前払式支払手段」として使われているかなどを調べているとみられます。「前払式支払手段」はあらかじめ代金を払って商品やサービスの決済に使う仕組みのことで、事業者は、集めた資金の一部を法務局に供託することなどが義務づけられています。LINEは「前払式支払手段に該当しないと判断している」とした上で、「関東財務局の指導に従い適切に対応する」とコメントしています。
「パナマ文書」で不正否定
世界各国の政治家や著名人の税金逃れの実態を記すパナマの法律事務所の文書=いわゆる「パナマ文書」が流出した問題で、文書の出所となった「モサック・フォンセカ」の幹部が、ロイター通信などのインタビューに応じ、不正行為への関与を否定しました。一連の文書の流出はハッキングによるものとし、被害者として、捜査当局に告訴したとも述べました。各国の指導者などに税金逃れの疑惑が広がる中、アイスランドの首相が5日、辞任を表明する事態にまで発展しました。
航空自衛隊機が消息断つ
きょう午後2時35分ごろ、鹿児島県の上空を飛行していた航空自衛隊のU125飛行点検機がレーダーから消え消息を断ちました。航空自衛隊によりますと航空機には40代の男性の機長ら6人が搭乗していたということです。現場周辺では、煙が上がっていたという情報もあり、自衛隊などが引き続き山中などを捜索しています。
駅などでも投票可能に
投票率の向上に向けて、国政選挙などの投票を駅やショッピングセンターなどでも可能とする改正公職選挙法が、きょうの参院本会議で成立しました。二重投票を防止するため、各投票所をオンラインで結び、選挙人情報を共有します。また、期日前投票の投票時間も自治体の裁量で延長できるようになります。こうした改正は、夏の参議院選挙から適用される見通しです。
ネット通信制高校スタート
出版とIT事業を手がけるカドカワが、沖縄県に設立したインターネットを使った通信制高校の入学式が都内で開かれました。バーチャルリアリティー、仮想現実を体験するゴーグル端末をかけた新入生が見ているのは沖縄にある校舎で同時に開かれている入学式の中継映像です。カドカワの ネット通信制高校・「N高等学校」は、 授業を全てインターネットで、好きな時間に受け、高校卒業資格を得ることができます。さらに、大手予備校の人気講師などによる様々な課外授業も受けられます。
■【トレたま】未来の窓!
天気の情報だけでなくPM2.5花粉情報、さらに手でカーテンの映像を揺らすことができて外の状況がわかる「未来の窓」、サッシ部分にセンサーがついていて手の動きや位置を感知、窓の部分には透明な液晶ディスプレーが使われインターネットとつなぐことで映像を映す。さらに掃除をすると埃を感知して自動で上下左右窓が開き、部屋を換気してくれる。YKKAP/東克紀開発部長は「窓を変えるだけで部屋の改定規制は上がることに気付いてほしい、それを気付かせるための取り組み」と語る。実用化に向けてはさまざまな課題をクリアしなければならないですが、10年後の2026年には世に出したいという計画だそうです。
【商品名】M.W,(ムー)
【商品の特徴】サッシ部分を触ると、窓に天気情報やテレビなどの映像が映し出される“未来の窓”。
【企業名】YKK AP
【住所】(YKK AP 体感ショールーム)港区港南2-15-4 品川インターシティホール棟 地下1階
【価格】未定
【発売日】未定
【トレたまキャスター】北村まあさ