■マーケット
市場から5兆円消滅 日本株の評価は
日経平均株価は今日は小幅に上昇しましたが、今年に入ってからは16%の下落と調子が上がってきていません。主な原因は証券取引所の売買全体の7割近くを占める外国人投資家が売りに向っていることです。ただ一部の外国人投資家からは日本株を再評価する動きも出てきました。
日本の株式市場で外国人投資家の“売り”が止まりません。日銀の投資部門別売買動向の資料によりますと、年の初めから3ヵ月連続で日本の株式が外国人投資家に売り越され、合計約5兆円が市場から消えました。先月、世界最大の資産運用会社であるアメリカのブラックロックは日本株の見通しを「強気」から「中立」に引き下げました。円高による輸出企業の業績悪化を懸念しています。しかし同じ外資系のフィデリティ投信は今週発表したレポートでアメリカやヨーロッパなどを抑えて日本株が最も将来性があると評価しています。フィデリティ投信は今週発表したリポートでアメリカやヨーロッパなどを抑え日本株が最も将来性があると評価している。外国人投資の多くが懸念する日本の少子高齢化を成長のチャンスと見ています。
《フィデリティ投信のスコア》
・ 日本 6.3
・ ヨーロッパ 5.1
・ アメリカ 4.7
《フィデリティ投信/ポール・サイ調査部長》
「日本株は有望だと思っている。注目しているセクターはIT産業やヘルスケア・医薬品産業やロボット産業です。働く人の生産性を引き上げる産業なので、少子高齢化のテーマに沿う。」
消費税増税延期≠格下げ?
来年4月に予定通り消費税を上げるのかどうか、海外でも注目が集まっています。もし消費税の引上げが先送りされた場合、日本の国債の格付けが引き下げられるのか、これが市場の関心事の一つですが、アメリカの大手格付け会社の幹部は、「増税が延期されても必ずしもすぐに格付けの引き下げに結び付くわけではない」との見解を示しました。
格付け会社S&Pで、格付け担当の責任者を務めるジョン・チェンバース氏はテレビ東京とのインタビューで、日本国債に対する方針はまだ決まってないとした上で、重要なのは経済成長だと強調しました。
《S&Pソブリン格付け委員会/ジョン・チェンバース委員長》
「消費税などの増税は個人消費を冷え込ませる可能性があり、経済全体が低迷するかもしれない。それでは増税の目的である税収増は望めない」
--ではその経済成長に必要なのはなんだと見ているんでしょうか。
チェンバース氏は、構造改革による経済活性化が長期的のみならず短期的に見みても効果を生み出すと考えています。
「第3の矢である構造改革は短期的にも成長を促す効果が期待できる。日本政府はこうした取り組みを続けるべきであり、それが日本国債の格付け維持につながる。」
中継担当:NY支局 影山秀伸記者
■特集 中国・習国家主席崇拝の裏側
中国の新たな動き。2月に中国の地方政府が作った公式ビデオの映像。称えているのは習近平国家主席。インターネットで公開され1か月余で10億回以上再生された。このビデオの舞台となった村を取材すると中国の今が垣間見えてきた。
【小さな山村に観光客20万人】
中国・湖南省の山間にある十八洞村。主な産業は農業で、人口900人余の小さな村だ。ところが最近ある変化があった。900人の村に今年に入り20万人もの観光客が殺到している。この村は貧困対策の対象として習近平国家主席の視察先に選ばれた。習政権は所得の多い都市部と少ない農村部の格差を埋めるため貧困対策に力を入れている。その結果、村の様子は激変。補修が必要な道路は政府が無料で舗装してくれ、これまで井戸で水を汲んでいた村に水道が完備された。工事は全て政府が行い、小さな村に3億円以上が費やされた。村の女性は水道ができる前は毎日山道を20分かけて水を汲みに出かけていた。
《村の女性》「子供を背負って水汲みをしていて大変だったよ。今はほら、蛇口をひねれば水が出る。習主席が来て福が来たよ。神様のおかげだよ。私たちの生活は本当に良くなった。」
公式ビデオは地方政府が習主席による偉業として作成したものだった。今年に入りこのビデオが話題になると村は一大観光地になり、習主席が訪れた家では定食まで出していた。
《店員》「1日に約5万円の売り上げがある。昔は出稼ぎに出ていたけどもう大丈夫。ドイツからも観光客が来たの。習主席さまさまよ。」
《龍徳成さん(76)》は習主席が来た際に隣に座って出迎えた一人だ。村には習主席だけではなく、毛沢東の絵も飾ってあった。
「習主席は背が高く私は肩までしかなかった。本当に感激した。習主席に会って若返ったよ。(習主席と毛沢東あえて選ぶと)習主席の方が好きだ。だって民を大事にしてくれる。みんな習主席が好きなんだよ。」
【大衆を引きつける「“毛”的手法」】
今年に入り急速に進んでいる習近平国家主席崇拝の動き。先月、北京を訪れたチベット自治区の代表団の胸には習主席の顔が写ったバッヂがある。個人崇拝を禁止している中国では異例のことだ。専門家は、大衆の人気を元に強権的な手法を駆使した毛沢東のスタイルに似ていると指摘する。
《拓殖大学/富阪聡教授》「毛沢東的手法を完全に習近平は使っていると思います。権力の集中が実際にものすごく起きています。個人的に習近平が熱狂的な人気によって支えられている。」
習氏は国家主席に就任後、改革を掲げ軍事や経済、ネット規制などのポストを新設して自らトップの座に就いた。権力の集中を図る習主席。その一方、2月には人民日報など国営メディアを相次いで視察し、「メディアは共産党の代弁者」と中国共産党の言い分をもっと流すよう強い圧力をかけた。さらに習主席の親族らが租税回避地に法人を所有していたと報じた「パナマ文書」の問題についてはネット検索が出来ないようにするなど情報統制を強め、疑惑の封じ込めを図っている。
《北京市民》
「知らないわ。そんなの聞いたことがない。」
「もし真実なら(共産党の)幹部が言うはずだろ。まだ何も言ってないだろ。」
《記者会見》
Q.パナマ文書の問題を中国政府は調査しないのか。
A(外務省報道官)雲をつかむような話だ。
《拓殖大学/富阪聡教授》
「言論の統制は間違いなく強めている。中國には民主化は合わないと割り切った。(中国経済の)緊急時に力を(習主席に)集めて乗り切るという事で走りだした。」
■【コメンテーター】髙橋進氏(日本総研 理事長)
・一目でわかる!習主席と毛沢東
--権力の集中を図って言論の統制を強める。毛沢東の政治手法にも似ているということでしたが、高橋さんはどう見ていますか。
非常にわかりやすいチャートがあるので、これを見てください。これは富士通総研の柯隆(か りゅう)さんが作った図です。
(図1)
中国社会を①政治統制の座標軸、②経済の自由化、③ナショナリズムという座標軸で見ていきます。鄧小平は経済の自由化を進め、胡錦濤はカリスマ性がなかったので、むしろナショナリズムに訴えて政権を維持した。習近平は経済自由化が後退して政治統制色が強まっている。
(図2)
これに毛沢東時代を書き加えてみると、習近平より政治統制が強かった。習近平がどんどん毛沢東時代の様になりつつある。今は経済非常時だからという事だが、非常時が終われば経済自由化に進むかと言うと必ずしもそうとは言い切れない。
--そうなりますと、中国に進出している日本企業はなかなか経済の自由化を待てない。
尖閣問題などあるが、習近平は実は言われている程はナショナリズムは強くない。もしナショナリズムが強くなると日本企業は出ていってしまう。これは経済にとってマイナスなので、ナショナリズムは強くならないだろう。しかし政治統制は強くなるかもしれない。
・消費税増税の先送り・格下げの可能性は?
--世界が消費税増税の先送りを容認し始めたというふうに見てもいいんでしょうか。
そういえないこともない。やはり3年間の安倍政権の実績を見ると、経済が良くなる中で税収が伸びて、その結果財政赤字が縮んできている。安倍政権は常々「経済再生無くして財政健全化なし」と言っていて、実際にその通りになっているわけです。だからやはり増税して経済が冷え込んでは元も子もないというところを海外にもわかってもらえているんだと思います。
但しチェンバースさんの話で私が注目したいのはむしろ後段の部分で、じゃあ何をするんですかというところで、成長戦略を加速するために構造改革をやれ、と言っているわけです。海外から見ていると日本は労働市場改革がまだ遅れている。外国人の活用も遅れている。農業改革も遅れている。こういうところを日本は改革する姿勢を示すことです。
それからもう一つは、新分野を進めていくという前向きなところと、改革の姿勢の両方で成長戦略を加速させていく姿を一緒に示すことが大事だと思います。
--ただ引っかかったのが「必ずしもすぐに格下げに結び付くわけではない」、すぐに、ということは・・・
だから構造改革をやらないとだめですよ、それが一緒でないとだめですよ、と言っているんだと思います。
・株価下落や急激な円高・さらなる金融緩和は?
【質問】連日の株価下落や急激な円高でさらなる金融緩和策はありますか?(Twitter・MOYA#GOMAXさん)
結論的には可能性はあると思う。いま株と為替が下がっているのは、日本国内の元より海外要因なので、なかなか止まらない可能性がある。そうすると企業マインドが冷えて実体経済に影響が出てくる。だから何か動かなくてはいけない。こういう時には為替介入が良く使われるが、いま世界中が自国通貨安をやりたいと言いっているときに日本だけやるのはなかなか難しいので、そうすると残った手段は金融緩和です。量的緩和、質的緩和、マイナス金利とありますが、マイナス金利をさらに拡大して手を打つことできると思います。それでも金融緩和で時間を稼げるのはしれているので、次の手として景気対策(財政出動)も考えなくてはいけない。特に消費が悪いので消費をテコ入れするような対策を打つ。そうやってお金を使うだけではなくて、同時に経済を活性化していくための構造改革も一緒に打ち出すこと、パッケージで打ち出すことが必要だと思います。
■ニュース
甘利氏の金銭授受問題 特捜部がURなどを家宅捜索
甘利氏の金銭授受問題で、東京地検特捜部は千葉県内のUR=都市再生機構の事務所などを家宅捜索しました。捜索を受けているのは千葉県印西市にあるUR=都市再生機構の事務所や、千葉県白井市の建設会社「薩摩興業」などです。この建設会社は千葉県の道路工事を巡りURと補償交渉を行っていましたが、その間、建設会社の元総務担当者が甘利氏やその秘書に対して現金あわせて600万円を渡していました。URが公表した資料から甘利氏の元秘書らが、URの担当者らと12回面会し補償交渉などについてやりとりしていることが明らかになっていて、先月、東京の弁護士団体があっせん利得処罰法違反の疑いで告発状を東京地検に提出していました。東京地検特捜部は現金の詳しい受け渡し状況や補償交渉の経緯などについて調べを進めるものとみられます。甘利氏の事務所は先月、告発された際には「あっせん利得処罰法違反に当たるような事実はない」とコメントしていました。
五輪新エンブレム案公表
2020年東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレム最終候補4作品が、きょう公表されました。「組市松紋」は日本の伝統色・藍色で描いた市松模様がモチーフ。「つなぐ輪、広がる和」は選手の躍動と観客の喜びを輪で表現し、「超える人」は選手たちの躍動感を、風神・雷神で表現しました。そして「晴れやかな顔、花咲く」は、アスリートや観客の表情を空に向いて開花する朝顔に重ねました。組織委員会は、絞り込まれた9作品を商標調査にかけ、類似デザインのある5作品を除外、残った4作品が公開されました。前回のエンブレム白紙撤回を受け、選考では「公平性と透明性」が課題となっていたことから、今回は公募で案を募集しました。今後似たデザインが見つかる懸念について、組織委員会の武藤事務総長は「商標チェックしているので、似たものがあるとは考えていない。結果的に似たものがあっても、偶然であればオリジナルだ」と述べました。
番組で新橋・銀座・渋谷の3か所で聞いた限りではD案が優勢ということになっています。まず今日から10日間インターネットなどで国民から意見を募集していきます。その結果を参考にしながらエンブレム委員による投票が行われて、今月の25日に新しいエンブレム1作品が決定して公表されるということです。国民から集めた意見は要約されて21人の委員に手渡され、それが参考にされるということです。
イソジンVSカバ 勝つのは?
「明治のイソジンうがい薬」は3月いっぱいで生産を終えました。その代わり今月発売を開始したのが「明治のうがい薬」です。カバのマークは一緒ですが「イソジン」という文字を外しました。「イソジン」の表記があるのは、アメリカ系の製薬会社「ムンディファーマ」が今日から発売する予定の「イソジン」です。もともとは「ムンディファーマ」が「イソジン」を開発して、明治がそのブランドを借りていたんです。しかし両社は提携を解消して、それぞれ独自のうがい薬を販売することになりました。ところがデザインが似ていることで法廷闘争にまで発展し、先月ようやく和解をした。それぞれの販売戦略を取材しました。
ムンディファーマが製造販売する「イソジンうがい薬」の販売が開始あされました。そのパッケージにはこれまでの「カバくん」に似たキャラクターが描かれています。ただこのキャラクターは「消費者が惑わないように」とするもので、今秋には新たなキャラクターを登場させる予定です。ムンディファーマはイソジンブランドで感染予防のカテゴリーを拡大させるために“脱・カバくん”を進めています。提携を解消した明治も、新たな、うがい薬の販売を始めています。新商品には「カバくん」がそのまま描かかれています。「カバくん」は1980年代から使用されていて知名度が高く、明治はイソジンという名称が使えなくとも影響はないと言います。さらに強みとして打ち出すのが新たなCM。楽曲はそのままで、これまで定着してきたイメージを武器に今後の販売を伸ばしていく戦略です。勝つのは名前かキャラクターか。うがい薬の熾烈な戦いが始まっています。
脱北者13人が韓国に
韓国統一省はきょう、北朝鮮が国外に設けたレストランの男性支配人1人と女性従業員12人、合わせて13人が韓国に亡命したと明らかにしました。13人はきのうソウルに到着したということです。動機については、国際社会の経済制裁で、レストラン経営が打撃を受けている上、北朝鮮当局からは上納金を要求され、「負担だった」と話しているということです。
化血研 アステラスと事業売却交渉
国の承認とは違う方法でワクチンなどを製造し、業務停止命令をうけた化血研=化学及血清療法研究所が製薬大手のアステラス製薬へワクチンや血液製剤の製造事業を譲渡する交渉を進めていることが分かりました。化血研は5月上旬までに合意を目指す考えです。アステラス製薬は、「事業承継により基盤が強化され、事業価値の向上にもつながると考えている」とコメントしています。
パナマ文書 英キャメロン首相利益認める
世界各国の政治家や著名人の税金逃れの実態を示す「パナマ文書」をめぐりイギリスのキャメロン首相は7日、父親が租税回避地に設けていたファンドに自らも投資し、利益を得ていたことを認めました。一方、ロシアのプーチン大統領は、友人による租税回避地の利用は「汚職ではない」と述べた上で、「ロシアの情勢を外部から揺さぶる試みだ」と主張し、外国による陰謀論を展開しました。
アサヒとなだ万の緑茶発表
アサヒ飲料は、2014年にグループ会社となった老舗料亭「なだ万」と初めての共同開発となる、緑茶の新商品を発表しました。「食事に合うすっきりした味」をコンセプトになだ万が監修、今月12日から販売します。アサヒは国内の緑茶市場でシェア2%ですが、新商品で巻き返しを図りたい考えです。
■【THE行列】アメリカ・NYの巨大シェイク
アメリカ・ニューヨークのソーホー地区にある「ブラック・タップ」は、平日でも1時間半待ちの行列ができます。名物は特大のミルクシェイクで、4個分のアイスクリームに牛乳を加え、チョコレートやホイップクリームなどを派手に盛り付け、1杯1,600キロカロリーと超高カロリーです。巨大シェイクを生み出したオーナーのジョーさんは、アメリカ大統領選の指名争いをにぎわすあのトランプ氏の元シェフで、トランプ氏も好むアメリカ伝統の味を商品化しました。客からはおいしいと好評で、シェイクをスマホで撮った写真がインスタグラムなどから広まり、海外からの客も呼んでいます。
■【トレたま】さかな畑
【商品名】アクアスプラウト~さかな畑~
【商品の特徴】水を循環させ魚と野菜を育てる
【企業名】おうち菜園
【住所】神奈川県横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2
【価格】3万6,504円
【発売日】2015年12月25日
【その他】インターネットで販売中
【トレたまキャスター】相内優香