■マーケット
動揺走る国債市場
午後1時前、今日行われた10年物国債の入札結果が出ました。結果は「不調」で、国債の価格は値下がりして、利回りは一時マイナス0.025%まで一気に上昇して、4か月半ぶりの水準となりました。投資家が国債を手放す背景には、29日に日銀が「次の金融政策決定会合で金融政策の総括的な検証をする」と発表したことで、日銀が国債の買い入れなどを縮小するのではないかという臆測が市場に広がっていることがあります。これに対して、日銀の黒田総裁は「いろいろな政策自体は全く変わっていないし、緩和の縮小にはならないと思う」と話しました。
《SMBC日興証券金融市場部長/相原卓和氏》
「次の決定会合で“総括的な検証をする”ということで先行き不透明感が出ている。」
英 EU離脱影響じわり
EUからの離脱を決めた英国では、景気の先行きに不安が広がっています。最近出た英国の経済指標はいずれも悪いものが目立ち、早くも景気にマイナスの影響を与えています。英国での日本企業の活動に悪影響が出ないよう、不安を払拭する意味でも日本政府は英国と直接、経済協定を結ぶ検討を始めています。6月から駐英国大使を務めている鶴岡公二氏はTPPで日本の首席交渉官を務めた方で、TPPをまとめ上げた鶴岡大使の交渉手腕に注目です。
《在英国日本大使館/鶴岡公二大使》
「日本企業が今後英国で活動を続けていくことができるようどのような条件や環境整備が必要かしっかり英国に伝えたい。二国間で経済連携協定をまとめようとすれば長期間の交渉が必要だとは思わない。」
中継担当:ロンドン支局豊島晋作記者
■【コメンテーター】ロバート・A・フェルドマン氏(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト)
・喚起策次々出すも、消費は本当に戻るの?
--消費を伸ばすのに一番効果があるのはどの様な事なのか。
「消費総額は大体300兆円ですから、いま仰ったように中間相当言うことですけれども、一番大きいのはやっぱり賃金ですね。賃金を上げること。
時給の4四半期移動平均の前年同期比を見てみると、今年1年間はあまり景気が良くないのに加速して上がってきているので、そんなに悪くないと思いますが、うに見えるが、結局労働圧迫があってこうなったということです。人が足りない所があって時給が上がっているということです。生産性が伴わない賃金の上昇は長続きはしません。だから結局、長期的に賃金を上昇するどうかは、生産性が上がるかどうか、ということです。じゃあどうやって生産性を上げていくのか。労働市場、同一労働同一賃金をどうやって実行するかが大きな問題です。いま動けない労働者がいっぱいいます。例えばいま大きな会社にいてやりたいことをやっていないけれども、辞めたら全然給料が安くなってしまう、あるいはずっとやってきた年功序列で貯めたお金が無くなってしまう。」
--日本は人材の流動性がないと言われていますね。
「そこで私のちょっとした個人の提案があります。最低退職年齢を60歳から40歳にする。そうすると人が動きやすくなりますね。そういうふうにやれば、もう少し流動性が高くなって、適材適所、同一労働同一賃金になるのではないか、と思います。」
・長期金利が急上昇・大切なのは“政策の透明化”
--住宅ローン金利などの指標となる10年物国債の利回りが、4カ月半ぶりの水準まで急上昇した。先行き不透明感が出ているとここまでマーケットが動揺するんだなと思いますけれども、これを解決するためにはどうすればいいのか。
「マイナス金利政策の行方をはっきりさせるということですね。9月にまた検証すると日銀は言っていますけれども、決定は9月21日ですから、結構遠いですね。」
--ということは、そこまで不透明感が続くんですか。
「続くんですね。じゃあその間どうすればいいのかということですけれども、やっぱり日銀も学者も民間の金融機関もマイナス金利の影響はどうだったか、調査をしてそれを発表して大体混戦策が出来上がるような結果を出さないといけないと思いますね。この混沌から結論を引きs¥出すということは、9月21日だけではなくて、それまでにどんどん研究結果を出しましょう、ということが不透明感を減らすということではないか、と思います。」
--民間でも方向性をいろんな方々が示すべきだということですか。
「ということですね。例えばマイナス金利継続ということになった場合、少なくとも不透明感がなくなります。解消しますということになったら、金利はもちろん上がりますけれども、正常化ということですからあまり不安定にはならないと思います。とにかくはっきりした方向性を見せていただきたいという感じです。」
・企業の不正…投資家の責任
--三菱自動車の不正を繰り返す体質、変えるには誰の力が必要ですか。
「個別銘柄の話はしませんけれども、やっぱり第三者の目で見てもらうとうことが防衛策の一つだと思います。例えば、機関投資家、アナリストたち、あるいは大株主がちゃんと中を見ていると、経営者側がそういうことを隠そうとしないですね。やはり情報開示がいかに大事かということが分かります。都知事選でもこれは話題になりましたけれども、金融危機で分かったんですけど、情報開示のない金融機関は信頼されません。しない場合は悪循環が発生します。優秀な社員がいなくなる。株価が下がる。新商品は開発できなくなる。だからやっぱり情報開示はその企業のためになるということで、見てもらって良くなるということではないか。」
--再発防止策を考えるプロセスなども開示するといったことも考えられるのか。
「ですね。」
■ニュース特集
消費者心理3ヵ月ぶり悪化・経済対策事業規模28兆円
正露丸の大幸薬品は江の島東浜ビーチに大々的に看板を出して胃腸薬のPRをしています。年間一番売れるのが夏だからです。また、ユニリーバジャパンは男性用シャンプーの消費を喚起するため、頭皮用警告アプリを開発中です。各企業が消費アップのために試行錯誤を繰り返す中、内閣府は7月の消費者態度指数を発表、3ヵ月ぶりに悪化した結果となりました。個人消費が伸びない中で政府は事業規模28兆1,000億円の経済対策を発表しました。新たな経済対策では住民税が非課税となる低所得者に1万5,000円を給付します。また雇用保険料も引き下げることとしています。ただ、これらの政策は専門家によると大きな成果は見込めないとしてます。
【猛暑に期待する企業・江の島に大量“正露丸”】
江の島東浜ビーチでは、今年の猛暑を消費に結びつけようと企業が動き始めていた。夏には欠かせないかき氷店も大繁盛。しかしビーチの至る所に胃腸薬・正露丸の広告があった。正露丸が最も売れるのは夏。多くの人が集まる海水浴場でPRして売り上げアップを狙う。大幸薬品マーケティング部・岡本智充マネージャーは「暑ければ熱いほどチャンスになる」と話した。
【猛暑に期待する企業・髪のダメージに商機】
大手家電量販店ではこの夏、ドライヤーが売れている。乾かすだけでなく紫外線で傷んだ髪をケアしてくれるものが登場するなど、この夏は高機能なドライヤーが人気という。猛暑による髪のダメージに商機を見出す企業は他にもある。日用品の販売などを手掛けるユニリーバジャパン。頭皮の不快指数の測定器を開発した。これはヘルメット内に取り付けたセンサーが温度や湿度、臭いを測定し不快度が一定以上になるとアラームが鳴る仕組みだ。これまで難しかった頭皮の状況をアプリを使って可視化する事で、自社で販売している男性用シャンプーのPRに繋げる狙いだ。
《ユニリーバジャパンカスタマーマーケティング/竹下公一朗さん》
「男性用シャンプー市場は大きな伸びは見込めない状況。需要を喚起するという意味では新しい切り口が市場に求められている。」
【消費者心理・3か月ぶりに悪化】
各企業は真夏の消費を盛り上げようと試行錯誤を続けている。こうした中、内閣府は今日、7月の消費者心理の明るさを示す調査結果を発表した。内閣府が今日発表した7月の消費動向調査によると消費者心理を示す消費者態度指数は前の月に比べて0.5ポイント低下の41.3となり、3か月ぶりに悪化した。また収入の増え方や雇用環境も0.7ポイント低下している。今日の決算会見で山崎製パンの飯島延浩社長が感じていると述べた客の節約志向の継続。また大手冷凍食品のニチレイの決算会見でも安田一彦経理部長が「今年に入って消費は落ち着いてきた感覚は持っている」と述べた。
28兆円の経済対策を決定
個人消費が上向かない中、政府は今日臨時閣議を開き事業規模28兆1000億円の経済対策を決定した。
《大浜キャスター解説》
【政府の主な消費喚起策】
(1) 住民税が非課税になる低所得者向けの現金給付。これは消費税が8%に引き上げられた2014年4月に導入され現在1人当たり年6000円が給付されているが、消費税率10%が2年半延期するのに伴ってこの2年半分に当たる1万5000円を一括給付するというもの。
(2) そして雇用保険料の引き下げ。これは4月に引き下げられたばかりだが、失業者が減っているという事もあってさらに引き下げる事で働き手の手取りを増やして消費の喚起に繋げたい考えだ。これまで政府は参議院選挙の直前の6月に低所得高齢者に対して3万円の給付を決め、既に始めている。
もらった人はどれだけ消費に回しているのか聞いた。これから3万円を受け取る人も使い道は決まっているようで、狙い通り消費に結びついているよう。
【給付金の効果は?「一時的にはあるが」】
政府の消費喚起策は効果があるのか、SMBC日興証券シニアエコノミスト・宮前耕也に聞いた。低所得者向けの給付金の効果については低所得者は消費性向が高いので効率が良いが、GDPの押し上げ効果は0.04%程と低い。また雇用保険料の引き下げに関しても消費者は浮いた分のうち消費に回すのは3割程で効果はそれ程でもなく、全体で見てみても大きな効果はない。こういった中で若い世代や中間所得層の消費をどの様に喚起していくのかが大事になってくるのではないかという。
三菱自動車 不正発見も「問題なし」
三菱自動車の燃費データ不正問題で、弁護士らから成る特別調査委員会が不正の経緯や原因に関する調査報告書を発表しました。調査では5年前に行った全社員を対象にしたアンケートで、不正に関する複数の指摘があったにも関わらず、三菱側が社内調査の結果「問題なし」として不正を見過ごしていたことが明らかになりました。5年前の2011年に、全社員を対象に行った無記名のアンケートで「虚偽報告が存在する」「品質記録の改ざん」など不正に対する複数の指摘がありました。これらは経営陣に報告され、社内調査が行われましたが、燃費不正の当事者だった性能実験部の部長が「問題なし」と報告。不正は見過ごされました。
《三菱自動車/益子修会長》
「多数の皆様に多大なるご迷惑ご心配をおかけしていますことを改めてお詫びを申し上げます。こういう不正を発見するチャンスがあったのを見逃してしまったという意味では非常に反省をしておりますし、刑事責任について知らなかったということで責任を逃れることはできない。責任の取り方は囲炉裏おあると思うが、再発防止策をまず進めることで、次に来る新しい体制に課題を整理解決して引き継ぐことも、私に与えられた責任だと考えている。」
経営責任を認めたうえで、当面辞任の意向はないとした。今回の報告書では経営陣の開発現場に対する関心の低さも不正の原因の一つと指摘されました。開発部門のトップとして就任した日産出身の山下副社長は「入り込んで一緒に議論ができていれば、今回の様な問題は防げたのではないか。私自身が開発現場の中で技術論議に参加できるような仕組みをつくっていきたい」と話しました。
《大浜メモ》 今度こそ変われるのか?
「3時間の会見で今回はかなり丁寧に説明をされていた。それでもやっぱり気になるのが、今度こそ本当に三菱自動車は変われるんだろうか、ということです。実は今回の調査委員会なんですが、いろいろ調査はしているが、今後の具体的な再発防止策というのは提案していない。これはなぜかというと、これまでも三菱自動車は立派な再発防止策を何度も何度も作っている。再発防止策は作れるが、問題なのはそれを実行してこなかったという三菱自動車自身の問題であって、ここでさらに再発防止策を作ってもしょうがない。やっぱり危機意識を社内全体で上から下まで共有できていない社風がどうしてもあって、それを変えなくてはいけない。会見で今回は変えられると言い続けているのは、日産自動車という外の目が入ってきて、外のノウハウを入れてきているからそれを軸にして変わるんだということを言っているんですが、これはもう見ていくしかないですね。」
名古屋メシ続々東京進出
なごやめしの代表格、台湾ラーメンの味仙が東京に初めて進出しました。創業してから50年以上たった老舗の県外初進出。その戦略は、満を持した関東進出にもかかわらず慎重に小幅な一歩を踏み出す「名古屋式進出」といわれる独特のものです。同様にあんかけスパゲティの「ヨコイ」も4月に東京進出を果たしています。こちらは六本木の飲食店と提携し、内装はもとの店のままスパゲティだけを提供する“間借り”のような業態です。相次ぐなごやめしの東京進出を後押しするのは、リニアや国産ジェット機製造など、大型投資案件による名古屋の景気です。
【名古屋メシ・続々東京進出】
コメダ珈琲のモーニングや世界の山ちゃんの手羽先など愛知県発祥のなごやめしが今、東京などでも存在感を高めている。中でもエース級とも言われる店が今日、東京に進出した。その戦略には名古屋ならではのやり方があるよう。
【ピリ辛ラーメンの秘策】
今日、味仙東京神田店がオープンした。味仙はピリ辛の台湾ラーメンの店。台湾ラーメンは名古屋のローカルフードで、味仙の台湾出身の店主が考案したとされている。地元名古屋の店を訪ねるとアメリカンコーヒーの様に辛さ薄めの「アメリカン」に辛さ倍増の「イタリアン」と好みで辛さが選べるのも人気の秘密。名古屋店は円卓を多く配置した2階建ての広々とした造りだが、東京の店舗はカウンター席中心の控えめな店構え。これは地元から飛び出す最初の一歩をあえて小幅にとどめる名古屋式進出。さらに創業から50年以上経って初の県外進出となった。
【あんかけスパ“慎重”出店】
スパゲッティハウスヨコイ。看板メニューは「ミラカン」で、東京ではここでしか食べられない。ヨコイはランチタイムのみの営業で、4月に六本木の飲食店と提携し内装は元の店のまま商品のスパゲティだけを提供するという間借りの様な業態。ヨコイは1963年創業で地元・愛知県民に50年以上愛され続けているが、今年初めて県外に出店。慎重で小幅な名古屋式進出。相次ぐ「なごやめし」の東京進出を後押しするのは自動車、リニア新幹線、国産ジェット機製造など大型投資案件に裏付けされた名古屋の景気。
■ニュース
あす内閣改造 世耕氏経済大臣 稲田氏防衛大臣
安倍総理大臣は、あすの内閣改造で、経済産業大臣に世耕官房副長官を、防衛大臣に自民党の稲田政調会長を起用する方針を固めました。女性の防衛大臣は東京都知事選挙で当選した小池百合子氏に続いて二人目です。また、文部科学大臣に松野博一議員が内定したほか、松本純政調会長代理、山本公一議員、金田勝年議員、山本幸三議員、鶴保庸介議員、今村雅弘議員の初入閣が固まりました。さらに、留任する加藤1億総活躍担当大臣に、新たに設ける「働き方改革担当大臣」を兼任させることが内定したほか、丸川環境大臣の閣内残留が固まりました。
小池都政スタート
東京都知事に就任した小池百合子氏が都議と職員およそ1,000人に出迎えられ都庁に初登庁しました。小池知事は職員への訓示で情報公開に積極的に取り組む姿勢を強調しました。しかし、都議会自民党は小池知事の挨拶回りの際に幹事長が不在とするなど対立姿勢を鮮明にしています。一方、自民党の東京都連会長を務める石原経済再生担当大臣は、推薦していた増田候補が小池氏に大差で敗れた責任を取り、都連会長を辞任する意向を固めました。今月4日に開かれる、都連の幹部会合で正式に表明する見通しです。また、石原大臣は都連会長の後任として、萩生田官房副長官を指名していることが、テレビ東京の取材で分かりました。
日本電産 米企業1,220億円で買収
日本電産はきょう、アメリカ電機大手のエマルソン・エレクトリックから、産業用モーターなどの事業を買収すると発表しました。買収額はおよそ1,220億円で、日本電産としては過去最大規模です。会見した永守・会長兼社長は、円高や、低金利で資金調達ができるマイナス金利は追い風だとして、他にも何社か年内に買収を検討していると話しました。
■特集 リオに懸ける!バレー公式球の実力
リオ五輪で、2大会連続のメダルを目指す全日本女子バレーボールチーム。そしてバレーボールの試合を陰で支えているのが、リオ五輪の公式球に認められた「ミカサ」のバレーボールです。「ミカサ」の作るバレーボールは、競技を魅力的にするボールでもあります。その一つが、ゴムボールに糸を巻き付けることで、強度を持たせ、球形を保つことができるバレーボールを完成させました。完全な球体に近づけることで、サーブを打ちやすくしています。また、特別に開発したボールの表面に貼る合成皮革にも特徴があります。皮革の枚数を少なくすることで、手触りのよい、コントロールがしやすいボールになります。さらに8,000にも及ぶ小さなくぼみをつけることで、空力性能を高めて、非力な選手でも、ボールが飛びやすくなる効果を持たせています。「ミカサ」の高い技術で、バレーボールにパワーだけでなく、選手の技術が生きる魅力的な競技にしています。
《ミカサ/小川龍太郎次長》
「選手の能力を十二分に引き出す。バレーボールそのものが盛り上がることがうれしい。」
取材先・ミカサ
■【トレたま】おやさいねんど
粉末した野菜や果物だけを使って色を付けている。キャベツ、みかん、トマト、むらさきいも、コーヒーの5色があり素材の匂いも感じられる。前に「おやさいクレヨン」を開発しその第二弾として誕生した。キャベツとトマトは青森県産で加工の際にでた皮や規格外の野菜を粉末にして使用している。
《mizuiro/木村尚子社長》
「47都道府県の色はそれぞれの地域の特産を生かせば表現できる」
【商品名】おやさいねんど
【商品の特徴】野菜の粉末を使って着色した粘土。野菜のほのかな香りも感じられる。
【企業名】mizuiro、アートクレイ
【住所】青森県青森市新町1‐8‐122F
【価格】1,296円【発売日】発売中
【トレたまキャスター】北村まあさ