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2016.8.11 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年08月11日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

オリンピック 米 株式市場に追い風?
米株式市場は主要3指数ともに過去最高値圏ですが、この勢いは続くのでしょうか。実は、歴史的にはオリンピック期間中、株価は上昇しやすい傾向があります。ある調査によると、1928年のアムステルダム大会から、前回のロンドン大会までデータが取れなかった2回を除いた20回中、11回は株価が上昇しています。ただ、オリンピックの期間は2週間ですから、オリンピック後が気になります。米国ではオリンピックの年には大統領選があります。2000年のシドニー大会以降、ロンドンまでの4大会のうち3回は、閉会式の翌日から3ヵ月後の株価をみると下落しています。新しい大統領が決まるまで様子見モードが高まるのが一因です。米国の新しいリーダーが決まるまでは上値の重さが意識されやすいかもしれません。
中継担当:ニューヨーク支局池谷亨キャスター





■特集 追跡! 中国映画ビジネスの光と影china1.JPG
経済成長の減速が懸念される中国で、次の産業の柱の政府が成長を推し進めるのが映画です。中国の映画産業は映画館の整備や、国産映画の制作に対する巨額な補助金などに後押しされ急成長、市場規模は去年、アメリカに次ぐ世界2位に膨らみました。一方で、映画の内容への検閲は厳格化されていて、その影響が一国二制度のもと検閲を受けない香港にも及び始めています。今年、香港の映画祭で最優秀作品賞を受賞した映画『十年』は、中国政府の支配が強まった社会を描いた内容で自主制作ながら香港で大ヒットしましたが、「有害」な映画だとして中国本土では上映禁止になっています。『十年』の監督たちのように反骨精神を持つ制作者は今の香港では少数派で、中国市場を意識せず動くのは難しいのが実情です。

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中国では経済成長が減速する中で国策的に映画を次の産業の柱として育てようとしている。中国不動産大手のワンダグループ(大連万達集団)は新疆ウイグル自治区にシネコンを建設中。12の大画面スクリーンを擁し、最新のシステムを導入している。中国政府がいま補助金を出すなどして全土で映画館を整備を加速している。

中国映画市場スクリーン数はこの5年間で5倍に増え、去年2015年には3万を超えた。映画市場興行収入去年2015年初めて400億元(8500億円)を突破した。(出所・中国国務院)。その市場規模はアメリカについで第2位、日本の4倍近い市場規模だ。特に伸びているのが国産、つまり中国映画で、興行収入は7割増加した。政府は有望な映画を選んで、年間15億円余りを拠出するなど国産映画作りを後押ししている。china3.JPG

6月に開かれた上海国際映画祭。中国の映画スターが集結する華やかな舞台の裏で、『映画と投資』と題したシンポジウムが開かれていた。そこに登壇したのが不動産大手のワンダグループとネット通販大手のアリババグループの幹部だ。どちらも資金力を背景にいま中国の映画業界をけん引する新興勢力だ。
《アリババ・ピクチャーズ/張強CEO》
「いま中国の映画業界の天地がひっくり返った。資金は豊富にあるが、監督や俳優が見つからない。」
《ワンダ・シネマズ/曽茂軍CEO》
「世界市場で戦える映画を作るには100~200億円の製作費が必要だ。そういう資金でなければ中国映画は世界で戦えない。」

映画の撮影には政府が全面協力し、島の清掃に軍隊を派遣する。このような国の支援が映画に出資する決め手になったとプロデューサーは言う。大ヒットを狙うような対策ではないが、製作費は日本円で7億6000万円以上、従来の平均と比べて2倍の水準だ。この道20年の監督は中国映画が新たな時代に入ったと考えている。
《映画監督/何潤氏》
「今の中国映画業界は資金が非常に豊富だ。中国は工業の革命を既に達成した。これからは文化やソフトの時代だ。」

一方、中国ならではの壁は当局による検閲だ。若手監督の呉琴さんは最近日本人男性と中国人女性の恋愛映画を製作したが、内容の修正を余儀なくされた。
《映画監督/呉琴氏》
「映画の中に二中戦争に触れる部分があり、国はそこに非常に敏感だった。支持された通りに修正して、再審査の後に上映許可が下りた。」
この1-2年、審査が厳しくなったという。ただ中国の映画市場で生きていくために、検閲は避けては通れない道だ。

一国二制度の下、当局の検閲がない香港の映画も中国の政府の影響を受け始めていた。4月香港のアカデミー賞とされる香港電影金像奨では、作品賞の授賞式で、「十年」という作品がグランプリに輝くと賛否両論が噴出し、大きな議論を引き起こした。

映画「十年」は2025年の香港の様子を予測したオムニバス映画だ。中国政府の支配が一層強まった香港の社会を描いている。
「中国の標準語を離せないタクシー運転手は空港などで客を乗せてはいけません。」
「広東語を話すことが違法だというのか。」
映画の中の街では様々な本が販売禁止になっている。違反がないかチェックするのは軍服のような制服を着た子供たちだ。さらに「香港には独立宣言する権利がある。独立なしに真の参政権はない。」と。香港独立を求める若者が力で制圧される姿は、2014年に起きた大規模デモの後継と重なる。

この映画は中国本土では有害と認定され上映禁止になった。映画「十年」を製作したのは香港の若手監督たちだ。予算およそ700万円の自主製作映画だが、香港の将来を不安に思う市民の共感を呼び、9000万円の興行収入を記録した。

《映画「十年」監督/郭 [至+秦] 氏》
「香港社会が受け身になっていることへの懸念を伝えたかった。人々が自ら選択するという意識を失い、どうせ変えられないと考えている。」

上映までの道のりは困難の連続だったという。

《映画「十年」監督/周冠威氏》
「最も苦労したのがキャスティング。俳優に依頼すると、出演したら本土の映画に出られなくなると出演を拒否する俳優は何人もいた。」

彼らのような反骨の製作者は香港の映画界で少数派になりつつある。

《映画「十年」監督/歐文傑氏》
「投資家は皆、中国本土の市場を目指すべきという。香港の映画業界は検閲を受けることに慣れてしまった。」

《映画「十年」監督/蔡廉明氏》
「資金が潤沢で市場も大きい中国本土との合作が非常に増えている。通常、劇場で最優秀作品は再上映されるが、」

グランプリに輝いても彼らの前途は多難だ。
《蔡廉明氏》 「「十年」は売り上げの大半を劇場に渡す、と言っても誰も再上映したがらない。」
《歐文傑氏》 「君たちはブラックリストに載ったから、もう中国本土の仕事はできない。君たちの将来は厳しいと映画関係者に言われた。」

膨張する中国映画の未来は、もし金がすべてとなってしまうなら、その魅力は長続きしないかもしれない。






■【コメンテーター】飯田展久氏(日経ビジネス編集長)

・東京五輪でどう消費を喚起?、企業は今から仕掛け作りを

--オリンピック熱が盛り上がってきまして、関連の消費も徐々に増えてきたようには見えるんですけど、その消費については飯田さんは実は懐疑的だそうですね。

「ええ、確かに金メダルラッシュで盛り上がりますよね。だからって何かを買おうって気になりますか。いま個人消費全体が停滞気味ですけど、それを押し上げるほどの力は残念ながらオリンピック関連では無いような気がするんでしょね。」

--以前私もアテネオリンピックの時にテレビを買い替えたりしたんですけど、最近はそういうものの消費にはつながりづらくなっているんですか。

「そうですね。モノはもういきわたっているし、だいたい皆さん液晶の大型テレビを持っている方が多いにで、4Kに変えるとかあるかもしれないけど、それは全体にはなかなか盛り上がらないので、むしろオリンピックで盛り上がるってこと自体を4年後の東京オリンピックにどう生かすかっていうことを今から考えたほうがいいかもしれないですよ。」

--そうですね。ニッポンはこのリオから何を学べばいいですか。

「とにかく世界中から観戦に来るわけです。いまインバウンドがどんどん増えています。爆買いの一服感はあるんですけど、むしろ日本の文化に触れたいとか、自然に触れたいという外国人は増えている。ですから4年後に観戦プラス日本の文化に触れるような体験型消費をどういうふうに提案していくか、というのをこのリオ五輪から考えて、今から仕掛けていくということが大事のような気がしますけどね。」







・飽和状態、コンビニにも成長余地、社会の要請にこたえる商品がカギ

--ファミリーマートが都内で初めて、コンビニとスーパーの一体型店舗をオープンしたということなんですが、今コンビニはできすぎて飽和状態とも言われていますけれども、それで変わらざるを得なくなっているということなんですか。

「いまコンピには全国で5万点以上あると言われているんですよね。特に都内なんかは歩けばコンビニっていう状態ですよね。そうすると同じような店が並んでいれば、それはやっぱり同質化競争に陥ってしまう。ですからこのニュースにあるように、生鮮食品があるコンビニ、あるいはドラッグストアと組んだコンビニ、個性的な店が競争していけば、まだまだ成長の余地はあるんじゃないか、という戦略ですよね。」

--同質化してしまうと、どうしても価格競争に陥りやすいのですか。

「今コンビニに対する社会のニーズはどんどん高まっていると思いますね。高齢化社会になる中で、やはり遠くのスーパーよりも近くのコンビニでモノが揃うのであればそちらを利用したいというふうになっていきます。そうすると品揃えも高齢社会に備えた商品やサービスに変えていくということが大事だと思うんですよね。ですから生鮮食品を食べたい人、簡便なおかずを食べたい人、そういう地域や社会に合わせたお店作り、品ぞろえというのを変えていけば、まだまだ成長する機会はあると思うんですよね。」

--たくさん出店するという方向性は変えずにいろいろな業態を出していこうということなんですか。

「特に地方へはまだまだ出店余地があるということなんですよ。ですから5万点が飽和状態というのは、それはおかしい。同じ店だから飽和だという。」

--そうしますとスーパーマーケットの存在意義というのが本当に難しくなってきますね。

「非常に難しいです。今まさにコンビニにスーパーが吸い込まれている、そういうニュースですよね。ですからスーパーやショッピングセンターも、規模がむしろ小さいほうが優位になる時代を迎えていると言えるかもしれませんね。」







・中国の映画産業、急成長の背景

--いま中国の映画産業に資金も相当集まっていて急成長しているようなんですが、その背景をどう分析されますか。

「これは中国の経済の構造転換を象徴する動きと言えるんです。中国というのは世界の工場といわれた通り、製造業中心で今まで高い経済成長率を誇ってきたんですが、今は成長率が鈍化しています。ですからいま製造業からサービス業への転換を急いでいて、そこに労働力もシフトしようとしているわけですよね。この娯楽産業である映画も輸出産業にしていこうということですけども、しかし先ほどあったように、映画のような文化・芸術というのは本来は政府の方針や資金とは離れた自由な発想で製作されるべきものですよね。ですからやっぱり政府の資金に頼らない自由な発想の映画でないとグローバルには通用していかないのかなという気もしますけどね。」

--いまは中国国内向けのものが多いようですけれども、いずれ輸出できるコンテンツとしてと考えたときは、グローバルにお金を集められるようなものになるべきだということですか。

「中国の製品というのはもうグローバルに通用するものが多いわけですから、今度はソフトがどれだけ通用していくかというのが、やっぱり政府がどどこまできちんと考えていけるかどうかということがカギだと思います。」








■ニュース特集

オリンピック 商戦も熱く
リオ五輪で日本人選手のメダルラッシュが続く中、寝不足気味の人が続出しています。そんな中、売り上げを伸ばしているのが眠眠打破です。朝や昼の都心のコンビニで売れています。家電量販店にも、オリンピック特需がありました。昨年に比べ、4Kテレビの売り上げは2倍、レコーダーは1.5倍増加しています。リオデジャネイロとの時差12時間も、売り上げ増加の後押しとなっていました。さらに同店では、オリンピックを観戦しながら飲んでもらうため、ブラジル産のビールも入荷しました。顧客の評判も上々のようです。



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初の「山の日」 記念式典が開催
今年から新たに祝日となった山の日。この「山の日」を記念する式典が長野県で開かれ皇太子ご夫妻が出席されました。「山の日」は「山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝しましょう」という趣旨で2014年に制定されました。ある証券会社の試算では個人消費を1,000億円押し上げる効果があるとしています。都内の百貨店では「山の日」にちなみ生鮮食品の「山盛り」セールが開催されました。価格は2割~3割ほど安く、見た目と価格のインパクトで客の心をつかむ狙いです。また、お盆直前のこの時期は手土産需要で菓子売り場がにぎわう時期であるため、「山の日」を機に生鮮食品売り場の客数をアップしたい考えです。ロッテリアはポテトを全品半額にしました。中でもSサイズの5倍ある「バケツポテト」は家族連れやグループなど祝日に訪れた客に好評でした。






■ニュース

ファミリーマート コンビニとスーパーの一体型店
ファミリーマートはきょう、都内で初めてコンビニエンスストアとスーパーマーケットが一体となった店舗をオープンしました。これまで客から要望が多かったものの、仕入れなどに専門的な知識が必要で取り扱えなかった生鮮食品を中心に、およそ300品目増やしました。飽和状態ともいわれるコンビニ市場で、ファミリーマートは今後、客の需要に合わせてスーパーや薬局、書店などと組んだ新しい業態の店舗の出店を加速させていく考えです。




TX日経世論調査 「生前退位」89%が「認めるべき」abe.JPG
テレビ東京と日本経済新聞の緊急世論調査で、天皇陛下の「生前退位」について認めるべきか聞いたところ、「認めるべき」と答えた人は89パーセントにのぼり、「認めるべきでない」は4パーセントでした。また、「認めるべき」と答えた人に今後の政府の対応について聞いたところ、「今の天皇陛下に限って生前退位を認める制度をつくるべき」が18パーセント、「今後の天皇すべてに認める制度をつくるべき」が76パーセントでした。第3次安倍再改造内閣の発足を受けた内閣支持率は、7月末の調査から横ばいの58パーセントでした。一方、再来年9月までの安倍総理の自民党総裁としての任期を延長して総理大臣を続投することについて、「賛成」が41パーセントに対し、「反対」は45パーセントとわずかに上回りました。



帰省・出国ラッシュがピーク
お盆休みをふるさとや海外で過ごす人の帰省、出国ラッシュがきょう、ピークを迎えました。今年から11日が祝日になり、混雑は分散傾向。JR各社によりますと、東海道新幹線の下りは午前発の指定席がほぼ満席となりました。Uターンのピークは鉄道や高速道路が14日の見込みとなっています。



尖閣沖で中国漁船が沈没
きょう午前5時すぎ、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の公海上で、中国漁船とギリシャ船籍の貨物船が衝突し中国漁船は沈没しました。海上保安庁の巡視船が漁船の乗員6人を救助、行方不明の8人を捜索しています。外務省は外交ルートを通じて救助を中国政府に伝え、中国側は謝意を表明しました。



岸田外務大臣 フィリピン大統領と会談
岸田外務大臣は訪問先のフィリピンでドゥテルテ大統領と初めて会談し、南シナ海などで軍事拠点化を進める中国に対し、「国際法を順守するよう連携して働きかける」との考えで一致しました。また、岸田大臣は会談で、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の領海侵入が相次いでいる状況について説明し、日本の立場への理解を求めました。



東京駅前の「KITTE」で相撲イベント
日本郵便とJPビルマネジメントは、相撲体感イベント「はっきよいKITTE」を今月28日まで開催します。東京駅前の商業施設「KITTE」1階に本物の土俵を設置。最終日にはここで現役力士による取組も行われます。実際に使われていた化粧まわしや、力士になりきることができる「すもう撮りカメラ」など相撲を体感できる展示を行います。テナントも期間限定の商品を展開して、来場者を取り込む狙いです。





■【ヒットの順番】人気の山
年間で登山者が最も多い夏山シーズンが到来。登山者が選ぶ「山」のベストテンを紹介します。ランキングの半数を占めたのが、北アルプスです。1位は不動の人気「穂高岳」。ヨーロッパアルプスの様な豪快な岩の道が登山者から人気を集めました。番組が注目したのは、7位の「燕岳」です。山の上でケーキやビールを他の山小屋に先駆けて提供しました。アルプホルンの演奏を聴くこともでき、泊まってみたい山小屋ランキングでは1位を獲得しました。8位は「赤岳」です。整備された道を沢に沿って進むコースが、シニアや初心者を中心に人気を集めています。山小屋では、名物の厚切りステーキが提供され、それを食べに登山に来る客も増えているといいます。充実する山小屋のサービスで、登山がより身近になりつつあります。取材先・燕山荘・赤岳鉱泉
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