■マーケット
「利上げは9月にすべき」
先週金曜日はFRBのイエレン議長の講演に注目集まりましたが今回、イエレン議長以上に市場に影響を与えたのはフィッシャー副議長でした。イエレン議長は「利上げの条件が整ってきた」としながらも具体的な時期には言及しませんでしたが、フィッシャー副議長がイエレン議長の発言を補足する中で年内2回の利上げに言及。このフィッシャー発言で市場の想定を上回る利上げペースにアメリカの金利が上昇し、反発していたダウは一時100ドル以上下げました。9月の利上げについても意識せざるを得なくなったことで週末の雇用統計がより大きな意味を持つことになりそうです。金曜日の株価終値です。高安まちまちでした。ダウは3日続落、53ドル安の1万8,395ドル。ナスダックは反発、6ポイント上昇の5,218。S&P500は3日続落、3ポイントマイナスの2,169でした。

月曜恒例、アメリカの専門家インタビューです。ジャクソンホール経済シンポジウムでFRBのイエレン議長やフィッシャー副議長は利上げに意欲を示しました。エコノミストは、12月を待たず、9月に利上げすべきだと主張します。
《ウェルズ・ファーゴ/マーク・ヴィトナー氏》
「今回の講演内容はFRBのこれまでの政策方針とあまり変わらない。『米経済は正しい方向に向かい、利上げは近づいている』と言い続けている。残念ながら実際起きていることは、経済が良くなかったかと言えば、その後に悪い内容の経済指標が出たりして、利上げが見送られるというパターンだ。12月まで利上げを待つのはリスクと言える。もしその間に世界で問題が発生したら、FRBはまた利上げ機会を逃すことになる。9月利上げが理に適っている。」
また、今週金曜日には、利上げ判断につながる8月の雇用統計が発表されます。ヴィトナー氏は、雇用の健全さが確認される内容になると予想しています。
「非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増程度で、平均時給は前月比で0.3~0.4%上昇するだろう。インフレ率が2%以下で非常に低いため、多少の賃金上昇でも増えたことを実感できる。」
【為替見通し】注目ポイントは「ドル/円 本格反転のタイミング」
解説はクレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏
--まずは先週の相場を振り返っていかがでしたか。
先週はジャクソンホールでイエレン FRB議長が利上げの条件は整いつつあるとの発言を受けてドル円は上昇しましたけれども、時期の言及はなかったことで一旦は値を下げる場面がありました。しかしフィッシャー副議長が TVのインタビューで 9月を含む年 2回の利上げの可能性を肯定すると発言したことからドル円は一時 101円94銭まで上昇しました。もちろんこれらの条件は経済指標次第という前提ですので、今週金曜日のアメリカの雇用統計に注目が集まります。本日は月末を睨んでドル売りも出やすいと思われますけれども、金曜日にアメリカの雇用統計を控えてますので下値は限定的とみています。
--101.00円 - 102.50円、注目ポイントは「ドル/円 本格反転のタイミング」です。

ドル円は上昇しましたけれども、依然として今月の高値も抜けていません。しかし売られすぎ買われすぎを示す週足の RSIチャートを見ますと、過去 10年で売られすぎを示す 30を明確に下回ったのはリーマンショックのあった 2008年の 3回だけです。また売られすぎを示す 30近辺に張り付いている期間は過去 10年でも最長で 6か月から 9か月となっています。今年は年初からすでに 7か月ほど 30近辺に張り付いてますので、このチャートからは今後 1、2か月で相場が反転する可能性を読み取ることができます。そうなりますと 9月21日の FOMC と総括的な検証の結果注目される日銀金融政策決定会合が今年の相場にとって極めて重要なイベントになるということになりまして、このタイミングが意識されることになりますね。

【日本株見通し】注目ポイントは「日銀のETF購入」
解説は大和証券の木野内栄治氏
--今日の予想レンジは、16400~16600円です。
先週金曜日の東京市場は久しぶりに大きく下落しました。しかし日経平均の銘柄入れ替えに伴います特殊要因もありましたし、今朝は大きく円安で戻ってきています。よって本日の東京市場は値段を戻して始まりそうです。

--注目ポイントは「日銀のETF購入」、これは実際に日銀の購入は進んでいるんでしょうか。
いいえ、従来型のETFの購入に関しましては、日銀は全般にある程度下落した場合に購入すると決めているようでして、結果的に今月は買い入れペースが計画線よりも遅れてしまっています。よって今後日銀はよりアグレッシブにETFを購入する方式に変える必要があるのですが、こういった方式の変更はこれまで毎月の第2営業日に変更されることが観測されています。つまり来月は今週金曜日に2日を迎えますので、日本銀行がETFを積極的に購入し始める可能性が今週末は高いというふうに考えることができます。

--そのETFの購入がしっかり確認されるとなると大きなインパクトはありそうですね。
はい、6兆円以上買い越しをした主体が登場する年というのを過去調べますと、過去25年間で5回しかないんですね。すごい年ばかりです。いずれの年も日経平均は上昇していますし、今回この状況ならば外国人投資家も追随して買いに回るというふうに考えられます。そこでこのランキングの上位3回の日経平均の上昇幅を最大買い越し主体の買い越し額の6兆円辺りに換算して計算しますと、だいたい日経平均は2000~3000円、6兆円買い越ししますと、高くなるという効果があることが計算できます。今週末からの日銀によるETF購入スタンスの変更に注目したいと思います。
■【エマトピ】進む少子高齢化に商機?(タイ)

東南アジアでシンガポールに次いで少子高齢化が進むタイでは高齢者をターゲットにしたビジネスが活況で、一足先に少子高齢化社会に突入した日本のノウハウが優位に立つとみています。
解説はキャピタル・ノムラ・セキュリティーズ・バンコク中村貴仁氏
--来年末にも軍政から民政に移る選挙が行われる予定で、ようやく政道の安定にも期待できそうなタイですが、経済状況はいかがでしょうか。

「2014年に落ち込んだGDP成長率ですが、その後、緩やかながら8四半期連続で上昇し、今年の4-6月期には前年比3.5%まで回復しました。ただ依然として民間消費や投資の伸びが弱い状況が続いております。」
--経済は安定しているということですけれども、今後のタイの課題というのは何でしょうか。
「ここ数年で大きな課題として意識されてきましたのが、日本と同じく少子高齢化問題です。1997年に全体の7%だった60歳以上の人口が、2014年には15%にまで上昇、そして2030年には25%、つまり4人に1人が60歳以上になると見込まれています。」
--国はどういった対策を取っているんですか。
「充分に国が豊かになる前に高齢化社会に突入するタイは、日本のような医療保険や年金、また介護制度等の整備が財源的にも時間的にも追い着かないとの指摘もあります。そこで当局は国民の老後の資産形成の後押しにいま積極的になっています。例えばプロビデントファンドと呼ばれる退職金積立制度は、55歳まで解約しなければ運用益が非課税になるという税制を設けています。またタイ当局は外国資産への投資促進にも積極的になっておりまして、加盟国との間で投資信託を販売しやすくするアジア地域ファンドパスポートという制度にASEANの中でもいち早く参加しました。」
--高齢化に対する企業の動きはどうですか。
「こちらも日本と同じく、高齢者向けビジネスが活況になりつつあり、ネットショッピングが伸びています。」
--それは高齢者向けのネットショッピングということですか。
「タイの方はアジア太平洋地域15カ国で、仕事以外にネットを使う時間が一番長いという調査もあります。スマホやタブレットの普及に伴い、1日のネットの利用時間も伸びてきています。この世代はクレジットカードの所有率も高く、自宅に居ながら買い物ができるオンラインショッピングにはまるシニア層が急増し、健康や旅行、そして仏教などをキーワードにした商品の販売が好調です。またタイで人口の半分に近い3300万人が利用しているLINEも、今年の5月に宅配ビジネスに参入し、宅配サービス「LINE MAN」を開始、利用者も順調に増えています。幅広いユーザーに向け、使いやすいシステムになるよう、開発に力を入れていくということですので、今後、ご高齢の方の利用者も増えていくそうです。」
--高齢者ビジネスとなりますと日本にも商機がありそうですよね。
「そうですね、既に進出し老人ホームを運営しているリエイでは、タイ人向けに施設の運営や訪問介護を手掛けるほか、買い越しの育成にも力を入れています。まtあ病院向けのベッド販売が好調なパラマウントベッドは、在宅介護高齢者向けにも力を入れています。一足先に高齢化社会に突入した日本の様々なノウハウがタイでも優位に立つものと考えられます。」
■アメリカの食に変化?広がる「ポケ・ブーム」
アメリカでは今、「ポケ」というハワイ生まれの食べ物が流行になっています。マグロなどの刺身をしょう油とゴマ油などで和える、日本の「ズケ」に似たようなものです。アメリカで広がるポケ・ブームと変わりつつあるアメリカの食文化を取材しました。
マンハッタンだけでも今年5軒以上の新しいポケレストランが開店。ポケ専門チェーン店も登場した。ニューヨークタイムズやザガットで紹介された『ワイズフィッシュ・ポケ』は平日でも賑わっている。このお店をオープンしたのは、以前は金融関係で働いていたブライアン・コーワンさんとドリュー・クレーンさんだ。ウォール街を離れ、ビジネス拡大の可能性を秘めたポケ・レストランを今年から始めた。
《共同創業者ドリュー・クレーン氏》
「ウォール街とは畑違いだが、魅力的なビジネスだ。」
《共同創業者ブライアン・コーワン氏》
「NYだけでなく全米にポケ人気が広がっている。このビジネスに参入する人も増えている。」
1日500食ほど売れるというこの店の人気商品は、お米などの炭水化物を使わないポケ丼。お米の代わりに使うのはズッキーニで、醤油ベースのスペシャルソースをかけて食べる。ポケ丼(レギュラーサイズ)10ドル95セント(約1000円)。魚にはアメリカ人が好きというサーモンが入っている。米国人の魚の消費量は1人平均で年間6.6キロ(日本人の約4分の1)。しかしここ数年、魚を好んで食べる健康志向の人が増え、ポケブームを後押ししている。
さらなるトレンドを求め、ニューヨークの最新ファッションや食の新しい文化を生む話題のスポット、ブルックリンのウィリアムズバーグにある注目の場所を訪ねた。アメリカ人の魚人気が高まる中、ニューヨーク近海の魚ばかりを扱う鮮魚店OSAKANAでは、オーナーの原口雄次さんが料理教室を開催して人気を集めている。寿司やポケをきっかけに家でも魚を調理して食べたいという人が増えている。昆布じめや湯引き、皮を焼くあぶりなど、日本の伝統的な調理方法を実演する。さらに生の魚を扱ったことがないという参加者が包丁を使ってみる体験もできる。家庭で刺身を楽しむためのこのクラスは、1ヶ月先まで予約が埋まっているほどの人気ぶりだ。
《鮮魚店OSAKANA/オーナー原口雄次さん》
「予想以上に客が自宅で刺身を食べたいと言っていた。魚の教室に対するリクエストも多い。」
魚の食文化が今最新トレンドとしてアメリカでさらに広がろうとしている。ポケについては、アメリカのメディアでも大きく取り上げられていて、今年はポケモンとポケの時代だとうたう記事もあるほどだという。
■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間8月26日~28日、番組出演者37人にアンケート調査)
(1) 今週末の日経平均予想

予想中央値(16600)先週終値(16360)
《SMBC信託銀行プレスティア/山口真弘氏》
(16800円予想)
「ドル円の上昇が株価サポート」
《大和証券/石黒英之氏》
(16200円予想)
「円安の動きは長続きせず、週初めの株高後は利益確定の売り膨らむ」

(2) 今週末のドル円相場予想
予想中央値(102.00円)先週終値(101.84円)
《ブラウンブラザーズハリマン/伊庭剛氏》
(103円予想)
「先週末のFRB高官発言を、金曜日の雇用統計が裏付ける展開となれば、円買いポジションの調整局面入りが本格化する可能性がある」
《東海東京証券/佐野一彦氏》
(99.50円予想)
「好き利上げ観測の強まりなどの材料が無いと、円高ドル安トレンド続く」
(3) 米国利上げ時期予想
イエレン議長の講演は、米国利上げ時期に予想どう影響したのか。
9月(24%)、11月(3%)、12月(68%)、17年7月以降(5%)
■特集 働き損のない所得税改革とは
来月から議論が始まる来年度の税制改正。議論の焦点はタックスヘイブン対策や第3のビール税、今年度末で切れるエコカー減税の延長問題などがあります。その中で政府の掲げる「一億総活躍プラン」の成功の鍵となるのが所得税改革といいます。ニッセイ基礎研究所の矢嶋氏は中でも配偶者控除の改革は個人ではなく世帯単位でとらえる、また社会保険料と税を一緒に考えて議論することが重要といいます。

--来月は臨時国会が召集される見込みで、今回はTPPの承認や経済対策など重要な法案があるわけですけれども、矢島さんが今注目しているのは何ですか。
「税制です。特に配偶者控除等々ですね。今年は税制では結構大きなテーマがあって、タックスヘイブン対策については皆さんやらなければいけないという話だと思いますし、第3のビール税・エコカー減税などは結構もめるかなと思います。安倍さんの経済最優先・女性活躍・一億総活躍という中で、この配偶者控除の見直しをやり切れるかどうか、ここが大きなポイントになると思います。」
--ただこの改革に関しては何度もやはりダメになっていますよね。できなかった。
「そういう意味では安倍政権下でも、そうは仰らないですけど、選挙があってだいぶ先送りされてきたのが事実だと思いますけど、今年は選挙が一応見えていないので、やれるタイミング、絶好のチャンスだと思いますね。」
--どういうふうにそれを変えたらいいのか、それが今言われていますよね。
「大きな方向性はもう決まっていて、所得税全体で中立のなかで、財源をやりくりしながら、子育て等々を支援しましょうという方向が出ているんですけども、配偶者向上に関しては夫婦世帯控除という形にちょっと衣替えをして、配偶者控除のマイナス分を夫婦でプラスにして全体としてうまく変えていきましょうというのが、たぶん方向性としては進んでいくと思います。」

ーー世帯の収入で、ということですよね。これまで専業主婦の皆さんの103万円の壁というものが指摘されてきました。これが変わるということですか。
「そうですね。そういう意味では、配偶者控除というのは1つ考えないといけないのが、壁があるとよく言われるんですけど、実は奥さんの年収で見ると、確かに100万円前後というのが配偶者控除で壁になっていると言われるんですが、世帯全体で考えたときに、実は働けばその分ちゃんと世帯の収入が増える、可処分所得が増えるということは普通に起きる。そういう意味では壁は実はないんです。しかし、これから先少し議論になってくるのが、130万円のところに大きな壁が実は存在しているんですよ。130万円ってどういうことかというと、奥さんが旦那の扶養に入っている場合、130万円を超えると、自分自身で社会保険料の支払い義務が起きますので、このように段差が起きるということは、ここの状況(103万円の時)と違って働き損が起きてしまうということです。これを解消するというのが結構必要で、配偶者控除は廃止の方向、見直しの方向で議論が進まないといけないんですけど、その先には実は130万円の壁の議論を本当はしないといけないという状況になっている。」
--社会保険料というものは、私たちの中で、医療費や年金といったものを自分で払うことになるということで、負担が生じて段差ができるということですね。
「そういう意味ではここ(130万円まで)は税の話ですけど、私たちの家計からすると、税金も負担ですし、社会保険料も負担です。だから全体の負担を考えて可処分所得を考えると、段差が存在しているので、実は配偶者控除というのは非常に重要で、ここもやっていただきたいんですけど、その先の議論として、実は税・社会保障を一体で考えたときに、働き損の状態が起きているというところを是正するというのが非常に大事になってくると思いますね。」

--今は税の部分を考えていますけれども、では社会保障を含めた形ではどういう対応が考えられますか。
「重要なのは世帯でということで、今まではどちらかというと個人単位での税制ということですけども、家族単位でどうやって働き損を無くしてフラットな状況にしていくか、ということが1つ大事ですし、それから税だけの議論ではなくて、社会保険料と一緒に負担という問題で考えるということをやらないといけない。今もう一方で働き方改革をやっていますが、同一労働同一賃金や長時間労働の是正など、こういう労働改革をやって動かすためには、やっぱり税の話、社会保険料の話をトータルで議論していかないとなかなかうまく行かないんだと思いますね。」
--となると例えば、社会保険料を軽減してあげるとか、そういったような考え方もあるわけですか。
「そうですね。税で軽減するとか、社会保障で軽減するとか、いろんなやり方があると思うんですけど、分断した議論だとそういう結論にならないので、もうちょっと議論を広げて前に進めないといけない。そういう意味では今回、配偶者控除を突破口にいろんな議論が出てくるというのを期待する、そういう流れだと思いますね。」
--政府の本気度が試されますね。今こそやらなとというところ・・・
「このタイミングでやらないとまた当分できなくなってしまうと思いますね。」
■日経朝特急
① 公的マネー、筆頭株主に
公的マネーによる日本株の保有が急拡大している。日本経済新聞が試算したところ、公的年金を運用するGPIFと日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっていることが分かった。株価を下支えする効果は大きい半面、業績など経営状況に応じて企業を選別する市場機能が低下する懸念がある。
② コンビニ払い、用紙不要
NECと三井住友銀行は来年初めにもスマホを持っていれば用紙なしでコンビニで公共料金や通販代金を支払えるサービスを始める。大手コンビニ3社のコンビニ収納の取扱額は年間約9腸炎弱。この仕組みを導入することで、収納用紙の送付・保管の手間やコストを減らせる。
③ マイナス金利、効果強調
日銀の黒田総裁がジャクソンホールでの討論会で講演した。日本のマイナス金利政策によって「資金需要が刺激された」と語り、「幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と効果を強調した。また、金利引き下げの限界には「まだかなりの距離がある」とし、必要に応じてマイナス金利を深掘りする考えを強くにじませた。
■日刊モーサテジャーナル
① イエレン議長は「オオカミ少年」?(ウォールストリートジャーナル)
ジャクソンホール経済シンポジウムでFRBのイエレン議長が「利上げの根拠がここ数か月で強まっている」と述べたことについて、欧米の新聞は、早ければ9月利上げもあると解釈している。それにもかかわらずマーケットの反応は限定的で、株価は26日の終値で小幅な下落、金利もわずかな上昇にとどまったことを受けて、ウォールストリートジャーナルの見出しは、「Yellen Cries Wolf.」、イソップ童話のオオカミ少年を引き合いに出し、「イエレン議長が利上げのシグナルを出しても、市場から信用されなくなったのでは?」、と伝えている。記事は、これまでFRBは利上げが迫っているとのメッセージを出しつつも、結局動かなかったというケースが何度もあったとし、実は市場との信頼関係が崩れているのでは、と指摘している。ただ米国の雇用回復は強く、市場はブレグジットのショックからも立ち直ってきているので、投資家は今回こそ利上げに向けて準備したほうがいいとしている。
② 米国大統領選テレビ討論、準備に大きな差(ワシントンポスト)
米国大統領選は民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補の最初のテレビ討論会まで1ヶ月を切った。ワシントンポストは、両者の準備の仕方には大きな差があると伝えている。11月の本戦まで、3回行われるテレビ討論会は、国民の関心が非常に高く、選挙結果を左右する一大イベントだ。記事によると、クリントンは最新の政策に関する報告書を熟読し、リハーサルを何度もするなど、着々と準備を進めているが、一方のトランプ候補はそうした練習は行わず、週末はゴルフ場でリラックス。本番も自分の能力を信じて自然体で臨むとそうだ。
③ 米国の大学で拳銃所持、賛否両論
米国テキサス州では、公立大学では人目につかなければ、学生の拳銃所持を認める州法が施行され、はじめての新学期を迎えた。教育の現場からは賛否両論が出ている。
■ニュース
米EU投資協定に暗雲
アメリカとEU=ヨーロッパ連合が自由貿易の推進を目指すTTIP=環大西洋貿易投資協定の行方に暗雲です。ドイツのガブリエル経済相は話し合いは失敗したと述べました。ガブリエル経済相は28日、国内のTVインタビューに答え「TTIPを進める上でアメリカがEUに求める条件は受け入れられるものではない」と述べました。さらに、アメリカとの交渉が今後進展する可能性はないとの厳しい見方を示しました。アメリカとEUはこの自由貿易協定について3年間協議を進め今年中の締結を目指していましたが、農業分野など幅広い分野で溝を埋めることが出来ず協議は暗礁に乗り上げた形になりました。
アフリカ開発会議が閉幕
27日からケニアで開かれていたTICAD=アフリカ開発会議は28日、2日間の議論の成果をまとめた「ナイロビ宣言」を採択して閉幕しました。ナイロビ宣言では質の高いインフラ整備や保険システム強化などが盛り込まれました。安倍総理が示している支援策が反映されたもので、日本は官民合わせ3兆円規模の投資を表明しました。安倍総理は「日本は約束を守る国。一つ残らず実行する」と述べました。日本の質の高さをアピールし、中国との違いを打ち出しました。
内閣支持率 62%に上昇
テレビ東京と日本経済新聞の世論調査で、安倍内閣の支持率は前回の調査から4ポイント上昇して62%となり、おととし9月以来の60%台となりました。この調査は全国の18歳以上の人に対して無作為に電話をかけて行ったものです。安倍内閣を「支持する」と答えた人は、前回の調査から4ポイント上昇の62パーセント、「支持しない」は5ポイント減って27%でした。また、東京オリンピックまで安倍総理に総理大臣を続けてほしいと答えた人は59%でした。日銀が導入しているマイナス金利政策については、「評価する」が2月の調査と比べて10ポイント増加し、33%でした。これから物価が上がると思うかどうかについては「上がると思う」が60%となりました。
MRJ 2日連続「引き返し」
アメリカでの飛行試験に臨むため、きのう午後離陸した国産初のジェット旅客機・MRJの試験1号機が再び愛知県営名古屋空港に引き返しました。MRJはおとといも空調システムの異常が見つかり離陸後に引き返していました。
北海道の台風 激甚指定要請へ
自民党の二階幹事長は、相次いで台風による被害に見舞われた北海道を訪れ、橋が崩落した美瑛町などを視察しました。視察後、二階幹事長は、早期の激甚災害指定を政府に求める考えを示しました。
■今週の予定
29日(月)米7月個人消費支出
30日(火)7月家計調査
31日(水)17年度予算の概算要求締め切り、7月鉱工業生産指数、米8月ADP紅葉報告
1日(木)4-6月期法人企業統計、中国8月製造業PMI、米8月SIM製造業景気指数
2日(金)日ロ首脳会談(ウラジオストク)、米8月雇用統計
■【コメンテーター】ニッセイ基礎研究所/矢嶋康次氏
・日銀も注目?、安倍総理の任期
--『東京五輪まで安倍総理に続けてほしい・・・59%」という世論調査が出ました。
「こうなってくると安倍さんの任期延長の話が多分本格的に動くと思いますけど、多分皆さん安定というのをすごく望まれていると思うんですけど、外交上では日米がどうなるか、(来年大統領が変わるので)非常に重要ですし、国内では民進党がどういう対抗軸を立ててくるかとか、それから日本銀行に対して、(任期が)もっと長くなると、短期決戦型でもっとやってくれという今までのトーンから少し長めで頑張ってほしいというふうに少し変わる可能性もあって、この辺は結構ポイントになって来るかなと思いますね。」
--それから日ロ首脳会談も今週ありますけど、ロシアとの関係も安倍総理は重要視・・・
「そこもかなり期待するんでしょうね。と思います。」
・日経朝特急/マイナス金利、効果強調
--日銀は9月の会合で総括するとしていますけれども、ずいぶんその前に踏み込んでますか。
「かなり今回面白い発言をされていると思うんですね。そういう意味では、今回の発言から見えていることは、①2%物価の早期実現の旗は降ろさない、②マイナス金利を含めた3軸の効果は発揮できている。但し、原油安や世界経済でそれが阻害されているので、さらに頑張れば何とかなるというのが、今回から見えてくると思う。ただ今回の黒田さんの発言の中で、どうしたら期待インフレが上がるのかという議論がないので、ここが多分(問題に)なると思うんですけど、1つ日本の中で逆イールドが問題になっていると思うので、オペのやり方の柔軟化の問題であったりとか、期待インフレを実際に上げるために、為替というのがかなり意識されると思いますので、そういう意味では少し難しい問題ではありますけど、外債とか買うものを何にするかみたいな話がこれから出てくる可能性は十分あるかなと思います。」
・日刊モーサテジャーナル/米国大統領選テレビ討論、準備に大きな差
--大統領選、これってやっぱり利上げにも影響してきますよね。
「9月利上げ予測がいま高まり始めているのは、経済がいいとか、FRBが前のめりだとか言うんですけど、もう1つは、トランプはFRBをものすごく叩いているんで、それが劣勢なので、利上げしても大丈夫かなと市場が思い始めているのもあるんじゃないかと思います。」
・日本株見通し「注目ポイントは日銀のETF購入」
--今の木下さんの話を聞きますと、良い悪いは別にして(ここまでの買い入れは)確実に下支えされるという水準ですよね。
「すごい主体に日本銀行が鳴っているということだと思いますけど、これを中長期的に考えると、株式市場でガバナンスの問題の中で日本銀行がどういう役割をしていくのか、これから議論になっていくと思いますし、それからこれだけ買うと将来これを売るとき、リリースするときにどうやってやるのか、というのがものすごく問題になると思うので、その辺りに市場がアレルギーを示さないといいなというふうには思いますね。」
--そうですよね。スチュワードシップコードといって、投資家が企業に提言していこうということを推進してきましたけれども、ちょっとそれと反する・・・。日銀は言わないわけですよね。
「そういう意味では市場にいろんな情報をという流れの中で、何も言わない日本銀行がいる。不思議な感じの市場になっていますね。」
--となると企業統治という面では、社外取締役といった存在が非常に重要になってきますね。
「そうですね」
・今日の経済視点 「為替の分水嶺」
「9月は結構やっぱり為替が動くと思うんですよね。ECB、FRB、BOJ全部動く可能性があるという中で、FRBが利上げ、BOJが緩和という話になると、為替が円安に結構ぶっ飛ぶ可能性もありますし、何もないと円高にぶっ飛ぶ可能性もあって、添いう意味では9月は経済統計次第と言っているFRBですけど、市場もう相当思惑に揺れるんじゃないかなと思いますね。」
--日銀の金融政策に関して、外債を購入するかも、というお話し・・・
「相当ハードルは高いんですけど、議論には出ると思いますけどね。」
--これはただ諸外国の賛成とか理解を得ないとダメですよね。
「そういう意味では今週はG20があるので、その辺ですね。」