何故死んでしまったの…祥一郎の生きた証

私は2015年12月28日、20数年共に暮らした伴侶である祥一郎を突然喪いました。このブログは彼の生きた証です。

スーパーのお姉さんが覚えていてくれたよ、祥一郎・・・・

2016年03月03日 | 死別体験
祥一郎………


昨日ね、二人で毎週通ったスーパーに久しぶりに行ったんだ。

いくらお前が居なくなってしまったとはいえ、こまごまとしたものや、会社で昼食に食べる小さなパン切れとか、クロの餌も買わなきゃならないからね。


このスーパーで買い物するのは、本当はイヤなんだ………


だっていつもお前と一緒だったから………

毎週二人であれが良いだの、これは駄目だの言いながら、晩御飯のメニューも考えながら買い物してたもの………
つい二か月少し前までそうだったもの………


お前が居なくなってからは数回しか行ってないけど、いつも涙ぐんでしまうんだ………店内にお前が買い回っている姿がもう見えないから………

怪訝な顔した他の客に見られるのもいやだしね。


それがさ…………


買い物済ましてレジに並んだ時、ほら、お前も知ってる、いつも居るベテランの打ち込むのがとても速いレジ打ちのお姉さんのところに並んだんだ。


おっちゃん魔がさしたのかな………


順番になったときについ聞いてしまったんだ………

「あの………いつも一緒に買い物していた男の人のこと、覚えてます?」

って。

そしたらそのお姉さん、

「えっ?ああ覚えてますよ?きょうはいらっしゃらないんですか?いつも買い物かご三つくらい沢山買い物なさってましたね。」


おっちゃんそれ聞いて、みるみる涙が溢れて来て、

「あの…………」

ってしばらく言葉にならなかったんだ。

そしてやっと涙を流しながら、


「あの子、ついこないだ、亡くなったんです………。」って伝えた。

「ええ?なんでですか?御病気ですか?まだお若かったと。」


もうそのあとはおっちゃん、言葉にならなくて、レジが済むまで黙って下を向いてた。

そしてやっと、

「覚えていてくれてありがとう。」

って言えたよ。


「あ、あの、袋はお渡ししましょうか?」って聞かれてまた涙ぐんで、

「いえ、いいです。もうひとりになってしまったし、これだけなんで。」


買い物したものをお前がいつも使っていた買い物袋につめながら、やっぱり涙が止まらなくて、

帰りがけにあのお姉さんに会釈したら、向こうも会釈してくれたよ。


祥一郎…………

そりゃそうだよね。10年余りもあのスーパーで毎週二人で買い物してたからね。ベテランのあのお姉さんが覚えていたのも不思議じゃない。


二人ともいつもふざけながら買い物してたし………印象に残ってたのかな……


祥一郎………

これからまたあのスーパーに行く時は、あのお姉さんの顔を見たら泣いてしまいそうだよ………


祥一郎………

寂しいよ・・・・・・・・・・・・・・

いつもの暮らしの中の、祥一郎と私

2016年03月03日 | 死別体験
祥一郎………



いつもの暮らし………

あたりまえのようにそこにあって、続くと思っていたいつもの暮らしが、一瞬にして破壊される。


そんなことは他人事だと思っていたんだね、おっちゃんは………


事故や天災、犯罪等でそのいつもの暮らしが破壊された人は、この世にいくらも存在する。

それを他人事として認識していた自分が、まさかその当事者になろうとは。


愚かだ、愚かだね人間は。祥一郎………


お前が突然居なくなって、二人のいつもの暮らしが終わってしまった。


祥一郎…………おっちゃんはこれからどのように暮らしていったらいいんだろう……


おっちゃんがどんな境遇になろうとも、いつも傍に居てくれたお前を失って、どんな暮らしが可能だというんだろう。


前にも言ったよね。
お前と出会う前にはもう戻れないんだよ……


お前とこれから先もずっと一緒に過ごすと信じていた、いや信じる信じないではなく、それが当然だと思っていたのに………


祥一郎………

こんな別れ方をするなら、お前と出逢わない方がよかったのか………あの日あの時、声をかけなければよかったのか。


おっちゃんは決して社交的な方じゃない。
あの日あの時、何かが

「声をかけなさい。そして共に暮らすのです。20年以上も。そしてそれは突然終わるのです。」

そう言って、それをまだ知らないおっちゃんに気まぐれを起こさせたのか。


まったくの軽い気持ちでお前に声をかけたあの日あの時。


それからの二人の濃密な年月を何かが私に与えたのなら、お前の死はその見返りだったのか。

後の余生は苦しんで悲しんで、たったひとりで暮らすのだとでもいうように…………


祥一郎……お前はもう居ない。

そしておっちゃんはここに居る。

俯き、涙を流し、途方に暮れ、溜息をつき、ときおり前を見て、居るはずの無いお前の姿を探し名前を呼び、慟哭して胸を叩き、地団太を踏んで地に伏す、おっちゃんはまだここに居るんだよ…………


祥一郎…………

お前から見たおっちゃんと過ごした人生は………何だったの?

何らかの意味があったのかい?それとも後悔しているのかい?一緒に居れば寂しくなかったのかい?おっちゃんを愛してくれていたのかい?


何度も言うように、おっちゃんはお前と過ごした年月が、人生の核だったんだよ………


おっちゃんの生まれてきた意味は、お前と過ごすためだったんだよ。


おっちゃんに人を愛すること、共に暮らすこと、寄り添う喜び、いつも傍に居てくれる安心、そしてどんな意味においても家族と呼べる存在であってくれた祥一郎。


ありがとう………ありがとう………ありがとう…………


そして今強く思うのは、それを、その言葉を早くお前の元に行って、お前を抱きしめて伝えたい。

それだけなんだよ……祥一郎……………