酒を飲んで眠ると、祥一郎の夢を見る確率が高い。
心療内科のヤブ医者には「今の精神状態を治すなら、お酒を止めるかひかえてください。今は良い薬があるから、それで治した方がいいですよ。」
と言われている。
確かに飲んだ後の朝は、恐ろしいほどの喪失感に襲われ、あいつが居ないことを思い知らされる。
酒臭い涙が、後から後から零れることも多い。
私は弱い・・・・・・・
それでもあいつに逢いたいがために、きょうも酒をあおる・・・・・
酒が見せる夢なんて、幻影かもしれないという思いもよそに・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
祥一郎は医者からもう見離されていた。
余命いくばくもないことを知らされいた。
それでも腹水の溜まった腹部がいくらかマシになって、これはひょっとしてと思い、私は近所の病院に連れて行くべく、二人で歩いている。祥一郎の身体を支えながら。
しかし、近所の筈の病院の途中の道が工事中で通行不可であったり、知っているはずの場所が分からず迷ったり、二人でうろうろと彷徨っている。いつまで経っても病院に辿りつけないのだ。
彷徨っている内に、目の前に斜めになった祥一郎の遺影が目に入る。
夢から覚めた・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今朝のこの夢のメッセージを読み解こうとするのは止めようと思う。
読み解いていも、あまりに悲しい意味にしかならないような気がするから。
先ほど髪を切りに行った。
担当してくれた若いお兄さんに珍しくなにくれとなく話しかけた。
(このお兄さんが、俺の心の穴を埋めてくれないかなあ)などと、有り得もしない妄想を抱きながら
髪を切ってもらった。
そして帰りにクリーニング店に寄り、祥一郎の残した服を受け取りに行く。
今、少しずつあいつの残した服をクリーニングに出して、整理している最中だ。吊るしたままで埃にまみれるままにしたくないから。
それに何の意味があるのかと問われれば的確な答えは出せないけれど、今はそうしたい。
・・・・・・・・・・
私は何をやっているのだろう・・・・・・
日々やっていることに一貫性が無いような気がする。
祥一郎の為にやっているのか、自分の為にやっているのか、それすらわからなくなりつつある。
でも、何かをやっていないと祥一郎に対する罪悪感や贖罪感がまた膨れ上がるような気がして、結局思いついたことをやっている。
こうして身体も心も彷徨う・・・・・・・・・・・・・
これが喪失体験というものなのだろうか・・・・・・・・・・・・
いつ終わるとも知れない・・・・・・・・・・・・・・・・・
心療内科のヤブ医者には「今の精神状態を治すなら、お酒を止めるかひかえてください。今は良い薬があるから、それで治した方がいいですよ。」
と言われている。
確かに飲んだ後の朝は、恐ろしいほどの喪失感に襲われ、あいつが居ないことを思い知らされる。
酒臭い涙が、後から後から零れることも多い。
私は弱い・・・・・・・
それでもあいつに逢いたいがために、きょうも酒をあおる・・・・・
酒が見せる夢なんて、幻影かもしれないという思いもよそに・・・・・
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祥一郎は医者からもう見離されていた。
余命いくばくもないことを知らされいた。
それでも腹水の溜まった腹部がいくらかマシになって、これはひょっとしてと思い、私は近所の病院に連れて行くべく、二人で歩いている。祥一郎の身体を支えながら。
しかし、近所の筈の病院の途中の道が工事中で通行不可であったり、知っているはずの場所が分からず迷ったり、二人でうろうろと彷徨っている。いつまで経っても病院に辿りつけないのだ。
彷徨っている内に、目の前に斜めになった祥一郎の遺影が目に入る。
夢から覚めた・・・・・・
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今朝のこの夢のメッセージを読み解こうとするのは止めようと思う。
読み解いていも、あまりに悲しい意味にしかならないような気がするから。
先ほど髪を切りに行った。
担当してくれた若いお兄さんに珍しくなにくれとなく話しかけた。
(このお兄さんが、俺の心の穴を埋めてくれないかなあ)などと、有り得もしない妄想を抱きながら
髪を切ってもらった。
そして帰りにクリーニング店に寄り、祥一郎の残した服を受け取りに行く。
今、少しずつあいつの残した服をクリーニングに出して、整理している最中だ。吊るしたままで埃にまみれるままにしたくないから。
それに何の意味があるのかと問われれば的確な答えは出せないけれど、今はそうしたい。
・・・・・・・・・・
私は何をやっているのだろう・・・・・・
日々やっていることに一貫性が無いような気がする。
祥一郎の為にやっているのか、自分の為にやっているのか、それすらわからなくなりつつある。
でも、何かをやっていないと祥一郎に対する罪悪感や贖罪感がまた膨れ上がるような気がして、結局思いついたことをやっている。
こうして身体も心も彷徨う・・・・・・・・・・・・・
これが喪失体験というものなのだろうか・・・・・・・・・・・・
いつ終わるとも知れない・・・・・・・・・・・・・・・・・