祥一郎…………
きょうは遅番で帰りが遅かったのに、明日人が居ないから早番で来てくれってさ、職場から。
馬鹿馬鹿しい。
おっちゃんは何のために働いているんだろうね。
別に好きで選んだ仕事でもない、まったく向いてない、過酷なばかりで給料なんて全ての業界で最底辺の仕事。
お前が居たなら、まだそれでも耐えられたのかもしれない。
今この仕事をすることに、何の意味が有るんだろう。
毎日動物園の餌のような小さなクソ不味い弁当を喰うため?家賃光熱費を払うため?
取り敢えず呼吸するため?とりあえず生存本能を満たすため?
それとも…………それとも………生きてお前の生きた証を残すため?
考える…………
祥一郎、お前の生きた証を残して、おっちゃんはそれで満足なんだろうか。
誰が喜ぶんだろうか。
いや、誰かに喜ばれる必要があるんだろうか。
どうせお前の死も、いずれ訪れるおっちゃんの死も、何も無いことにされる。
それならば、二人の生活があったこと、確かな絆があったこと、家族として暮らしたことは、二人だけが知っていればいいじゃないか。
誰かに二人のことを思い出してもらう必要もないし、ましてや憐れんで貰う必要もないし、それによって二人で歩んだ人生が何か変わるものでもないよね。
祥一郎………違うかい?
ならば何故こんな日記を毎日おっちゃんは書いているんだろう。
何故もうすぐ訪れるお前の四九日の準備をしているんだろう。
矛盾しているよね。
誰かに知って欲しい、誰かにお前の生きた証を覚えていて欲しい。それ以外の理由が無いじゃないか。
おっちゃん、今は答えが出ないよ。
ただ世間の人並みに事を行っているだけなのかもしれない。何かをしていないと気が狂いそうになるから。
祥一郎………お前はおっちゃんに、本当は何をしてほしいんだい?答えておくれ………
葬式や法事、一周忌等々、それは生きている人達の為に行うもの。それは確かに真理なんだろうね。
死人に口無し………希望は伝えられない。
祥一郎…………やっぱりおっちゃんはお前の処へ行って、お前の真意を聞きたいんだよ。
こんな、こんなお前の居ない、腐った現世なんかいつでも捨ててやりたいんだよ…………
祥一郎………逢いたい………でも逢えない………逢いたいよ…………
きょうは遅番で帰りが遅かったのに、明日人が居ないから早番で来てくれってさ、職場から。
馬鹿馬鹿しい。
おっちゃんは何のために働いているんだろうね。
別に好きで選んだ仕事でもない、まったく向いてない、過酷なばかりで給料なんて全ての業界で最底辺の仕事。
お前が居たなら、まだそれでも耐えられたのかもしれない。
今この仕事をすることに、何の意味が有るんだろう。
毎日動物園の餌のような小さなクソ不味い弁当を喰うため?家賃光熱費を払うため?
取り敢えず呼吸するため?とりあえず生存本能を満たすため?
それとも…………それとも………生きてお前の生きた証を残すため?
考える…………
祥一郎、お前の生きた証を残して、おっちゃんはそれで満足なんだろうか。
誰が喜ぶんだろうか。
いや、誰かに喜ばれる必要があるんだろうか。
どうせお前の死も、いずれ訪れるおっちゃんの死も、何も無いことにされる。
それならば、二人の生活があったこと、確かな絆があったこと、家族として暮らしたことは、二人だけが知っていればいいじゃないか。
誰かに二人のことを思い出してもらう必要もないし、ましてや憐れんで貰う必要もないし、それによって二人で歩んだ人生が何か変わるものでもないよね。
祥一郎………違うかい?
ならば何故こんな日記を毎日おっちゃんは書いているんだろう。
何故もうすぐ訪れるお前の四九日の準備をしているんだろう。
矛盾しているよね。
誰かに知って欲しい、誰かにお前の生きた証を覚えていて欲しい。それ以外の理由が無いじゃないか。
おっちゃん、今は答えが出ないよ。
ただ世間の人並みに事を行っているだけなのかもしれない。何かをしていないと気が狂いそうになるから。
祥一郎………お前はおっちゃんに、本当は何をしてほしいんだい?答えておくれ………
葬式や法事、一周忌等々、それは生きている人達の為に行うもの。それは確かに真理なんだろうね。
死人に口無し………希望は伝えられない。
祥一郎…………やっぱりおっちゃんはお前の処へ行って、お前の真意を聞きたいんだよ。
こんな、こんなお前の居ない、腐った現世なんかいつでも捨ててやりたいんだよ…………
祥一郎………逢いたい………でも逢えない………逢いたいよ…………