毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

街の哲学者

2025-01-15 04:14:26 | 貧乏について

油彩 54x38cm 2018

インドには一見哲学者のように見えるホームレスがいるらしい。品格があり威厳もあるという輩だ。日本の新興宗教指導者や政治家よりもはるかに見栄えがするというのである。僕はインドにはまだ足を踏み入れていないのだけど、マレーシアでは何人かのインド系マレーシア人と親しくしていた。またクアラルンプールの一角を占めるLittle India という街を探検したこともあった。そうするとなるほど哲学者と見まがうほどの人物をたくさん見ることができた。みんなとても品のある顔をしているのである。マラッカではインド発祥のシク教の寺院があって毎日日替わりの昼食を人種に関係なく無料でふるまってくれるので貧乏旅行者の僕には嬉しいことだった。

 

 

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熱帯夜という大嘘

2025-01-15 03:26:42 | 貧乏について

油彩 25x32cm 2023

昨夏の連続52日間猛暑には流石の僕も弱音を吐きそうになった。昼間は体温と変わらない室温なのでとても創作活動など出来ないわけである。それでサイゼリアに避難してドリンクバーで数時間粘って読書に励んでいた。しかし夜間になっても30度をくだらないのには打つ手がなかった。扇風機という文明に頼っても何の慰めにもならなかった。日本の気象庁はこれを熱帯夜と命名しているが、どこからそんな馬鹿げた大嘘が生まれたのかと日本人の常識のなさに腹が立ってくる始末だ。僕は赤道直下の熱帯地方で何年も過ごしたが30度をくだらないようなそんな馬鹿げた夜は一度も体験したことがないのだ。日中33度でも夜中には10度ほど気温は低下するのである。昨日もマレーシアの友人の投稿で夕食時に24度という過ごしやすい温度になっていることを知ったばかしだ。昔青春18きっぷで夏の北海道を旅し真夏にも拘わらず石油ストーブに当たりながらラーメンをすすったのが懐かしくてならなかった。今年の夏は北海道に避難しようかと考えていたところへJRが馬鹿げた青春18きっぷの改悪をやってしまったので、その夢もはかなく潰えてしまった。一体どうすればいいのだろう。

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親離れ子離れ

2025-01-15 02:44:22 | 動物画

水彩 10x15cm 2016

旧のアパートはベランダと台所が直結していたので、台所の床の上にお米をばらまいて雀を呼び込んでいた。本当はベランダで餌付けできればフン害がなくてよいのだけど、それをやればアパートの住人から苦情が出そうだったので、台所の開き戸を開けて人目につかないように台所に招き入れて生米をシェアーしていた。初めはたった一羽の訪問だったのだけど、2,3日もすれば友達や家族を引き連れて押し寄せてくるようになった。しまいには50羽くらいに膨れ上がって、自分の主食であるコメは完全に彼らに食べられてしまう有様だった。それでも彼らを追放できなかったのは自分を訪ねてくる友が一人もおらず、孤独と貧乏のどん底を味わっていたのでやけくそになっていたのかもしれない。(笑) 彼らは雪の日も雨の日も日中2時間おきにやってきた。それが数年続いたので何回も母親に連れ添ってひな鳥がやってくるのを目撃した。みんな1羽か2羽の子供を従えていたが、この雛たちはピヨピヨと甲高い声を張り上げ、両の翼を小刻みに震わせ母親に餌をねだるのである。その都度親鳥は休みなしに働いて子供に口移しで米を与えるわけである。この子供たちは随分と成長して自分で食べられそうになってもやはり親からの口移しを要求するのである。米の小山の上に陣取った子供が自分より低い位置にいる母親に餌をねだっている光景はちょっと見ものであった。もう体つきも羽根の生え具合も親鳥とそう違わない子供が頑強に口移しをねだるのである。そして親鳥は自分が食べるのも忘れたかのように子供に尽くしているのである。親離れ子離れの難しさはこんな小さな生き物にまで及んでいるのかもしれない、と思ったものである。

 

 

 

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