毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

摸写 the poor mother after Merle Hugues (1823 - 1881) France

2025-01-13 08:02:18 | 貧乏について

oil 54x38cm 2016

昨年の暮れから引き続いて佐藤愛子さんの文章を味わっているのだけど、やはり同人誌時代の金のない時代が一番自由で楽しかったと回想しておられる。それはそうだろう失うものが何もないという若い時代が一生のうちで一番冒険心に富み、感動に満ち溢れた人生を体験できるのはこれまで何度も多くの著名人によって語りつくされてきたことだ。功成り名遂げし後はたいていの凡人は堕落するか守りにつくかしかできないものだ。財産をいくら増やしたといっても、しょせん人間は立てば半畳伏して一畳が相場で重荷をしょい込むだけになる。さしあたっての消費といっては美食家になるのが落ちで有名俳優などがブクブクと肥満して商売道具である容姿端麗を駄目にしているのを見るのは残念でならない。というわけで貧乏で無名の内が人間には本当の華であるわけだが、今の若い人はみなスマホにかまけて青春を無駄にしているように見えて哀れでならない。

 

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貧乏について 2

2025-01-13 06:43:31 | 貧乏について

油彩 54x38cm 2012

2011年満61歳から超零細の極貧年金生活を始めたのでその前の年も勘定に入れれば5年以上は部屋に全く火の気がないという越冬体験を持った。それほど働くのが嫌だったし終日絵の勉強をしていたかったからである。その当時は日本で画家として生きることは絶望的であったから海外へ脱出することばかり考えていた。自分のような超零細年金受給者でも何とか暮らしていけそうな国がないでもなかったので、海外脱出だけに夢を託していた。それであれこれ脱出先を物色していたのだけど、なかなか決心がつかなかったのはやはり年齢のせいだろう。これまでさんざん放浪生活を続けられたのはいざとなれば帰国してタクシー家業でやり直しがきくとかんがえていたからで、しかし加齢とともに人生やり直しはもはやできないかもしれないという不安が頭をもたげてきたからである。人生やり直しはやはりものすごいエネルギーを必要とするものであって、それを再び経験するのはもうたくさんだという感慨が年寄りには付きまとうものなのだ。それで日本を出そびれて火の気無しのアパートで5年以上も越冬生活をしなければならなくなったのだけど、たまりかねて描いたのが上の絵というわけだ。

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night owl

2025-01-13 06:04:47 | 動物画

oil 12x24cm 2020 

夜更かしする人のことを英語ではnight owlというのだけど、僕も若いころは随分と宵っ張りだったように思う。早く床に就くのがもったいないというほど体力を持て余していたのだろうか。眠れないで本を読み始めたら朝方まで読み通していられた。この性癖のために何度も職場をしくじった。今では床に就いたら1頁も読まないうちに甘い睡魔にとりつかれるという始末だ。ところで皆さんはこのフクロウの野生版に出会ったことがあるだろうか。僕は30年ほど前にマレーシアに住んでいたころ、よく通りの端で見かけたものだった。たいていは気の枝にとまっているか街灯の上に陣取っていたりした。マレーシアの集落にはいっぱいどぶねずみがいたのでそれを狙っていたのだろうと思う。ちょうど成長した家猫ぐらいの大きさなので僕は彼等の姿を見るたび愛着を感じたものだった。

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