チラシの感じとタイトルで何となくスルーしていた映画だったが、ドキュメンタリーということで急に見たくなった。
探偵事務所で老人ホームの内情を調査するため、80〜90歳のおじいちゃんを募集。
そこで雇われたセルヒオは入居者たちと仲良くなり、みんなの悩みや孤独を知る。
セルヒオは調査のために潜入してるだけなので、最後にはホームを出て行く。
家族に愛されていて家族の元に帰れるセルヒオとホームに残る人たち…なんとも言えない気持ちが残った。
でも、これはドキュメンタリー映画で(あまりヒリヒリドキドキするシーンもないのでドキュメンタリーっぽくないけど)、この紳士で優しいセルヒオがいてこそ成立したものだと思った。
人の物を盗んでしまう入居者にも責めたり蔑んだりする気持ちを持たず、淡々と事実をみて理解と優しさを示す。
きっと、ドロボウと息巻いて責めたり暴露したりする人だっていると思う。
いや、結構いるんじゃないか?
セルヒオみたいにあたたかく接することができる人はあまりいないんじゃないかと思うと、ドキュメンタリーであることを疑っちゃうくらいに、映画っぽいのだ。
老人ホームでよくトラブルになりそうな出来事をほんとに紳士的にクリアしてくから
実際、ホーム自体は大きな問題があるということではなく、こんな老人ホーム入りたいくらいなのだけど、虐待などを疑って探偵にホームの調査を依頼するけど面会には全然来ない家族。
きっと、面会に来て、ホームの様子を見ていれば探偵の調査なんて必要なかっただろう。
もちろん、中には家族には良い顔して裏で…というパターンもあるので全部わかるわけではないけども。
自分や家族が老いること、その家族について少し考えてみよう。という映画でした
思ってた映画の印象とは違って、見た後は「あ、終わった。」って感じで余韻もなかったけど、後から振り返ると色々考えることのある映画だった。
「親が老人ホームに入ったらなるべく頻繁に会いに行こう。」とも思いました