石田衣良著 講談社文庫
筆者の石田衣良は「4TEEN」で、直木賞受賞。この作品は受賞後第一作のもの。
受賞作と違い、ドロドロとした社会の底辺で、借金などに苦しみ、追いつめられ、どうかすると犯罪にまで走ってしまう人間の姿を七つの短編で描いている。
短編のタイトルはすべて「ラストライド」「ラストジョブ」といったふうに「LAST」がついている。
追いつめられた人間がどう行動してゆくのか、が作品の見所となる。
この作家は本当に借金まみれで、どうかするとホームレス生活をしたことがあるんじゃないかと思わせるような、リアルな描写が印象的です。
あっ、と驚くようなどんでん返しもない代わりに、以外と爽やかな読後感の作品が多いのも、この作者ならではでしょうか。
政治家が、景気は回復している、デフレ懸念は去ったと、うわごとのように繰り返し、大増税を目論んでいる今という時代にあっては、これらの話は他人ごととして捉えることはできません。
裏表紙には「明日への予感に震える新境地の連作集」とありますが、その明日は今日なのかも──
感想としては、意外と読みやすく、まあまあ楽しめました。
筆者の石田衣良は「4TEEN」で、直木賞受賞。この作品は受賞後第一作のもの。
受賞作と違い、ドロドロとした社会の底辺で、借金などに苦しみ、追いつめられ、どうかすると犯罪にまで走ってしまう人間の姿を七つの短編で描いている。
短編のタイトルはすべて「ラストライド」「ラストジョブ」といったふうに「LAST」がついている。
追いつめられた人間がどう行動してゆくのか、が作品の見所となる。
この作家は本当に借金まみれで、どうかするとホームレス生活をしたことがあるんじゃないかと思わせるような、リアルな描写が印象的です。
あっ、と驚くようなどんでん返しもない代わりに、以外と爽やかな読後感の作品が多いのも、この作者ならではでしょうか。
政治家が、景気は回復している、デフレ懸念は去ったと、うわごとのように繰り返し、大増税を目論んでいる今という時代にあっては、これらの話は他人ごととして捉えることはできません。
裏表紙には「明日への予感に震える新境地の連作集」とありますが、その明日は今日なのかも──
感想としては、意外と読みやすく、まあまあ楽しめました。