Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

全国どこでも働ける仕事がバス運転士。ただし…

2024-03-07 11:26:34 | 日記
「路線バス、高速バス、貸切バス、送迎バス、ロケバスなど、バス事業には多くの種類が存在すると思います。

バス運転士を目指す場合、最初はどれを経験すべきですか?」というと質問は、よくあると思います。

私も最初にバス運転士を目指すと決めた際、多少ですが迷いました。

給与面で云えば、高速バス運転士が一番良いのですが、果たして最初から運転できるものか疑問です。

一応、求人では未経験者でも高速バスの運転士の求人はあります。

但し、どこの会社でも厳しい研修ははあります。その研修で無事にデビューまで至れるかは、幸運を祈るとしか言えません。

如何せん、私自体が路線バスと送迎バスしか経験がないため、アドバイスしようがありません。

バス運転士の一般的なキャリアアップのモデル(キャリアパス)は、まず路線バス(送迎バス含む)を2年から3年経験し、その後、高速、貸切バスの運転士を経験するというケースが一般的で無理のないモデルと考えます。

少なくとも、今居る私の会社ではそうですし、以前居た会社でもその様なキャリアアップモデル(キャリアパス)です。

あくまでも、私の主観ですが高速、貸切バスの未経験求人は、バス運転士未経験というだけで、トラックドライバーなどの大型車や中型車の経験者に向けたもののように感じてます。

もちろん、最初から高速、貸切バスの運転士になった方も居ることは否定しませんが、かなりの困難を乗り越える必要があると感じます。

次に、最初に勤めるバス会社は都会や県庁所在地の大手企業がいいか、田舎の中小企業がいいかという問題があります。

特に第二の人生を考える40代から50代の方には、田舎暮らしに憧れをもつ方も多いかと思います。

折角バス運転士になるのだか、田舎に行ってのんびり仕事がしたいと考えるのは、私だけではないと感じます。

確かに、田舎の小さなバス会社は仕事面は非常に気楽にできます。細かな規則もなく、制服も有ってないような会社もあります。

車内アナウンスや指差確認なども厳しく言われませんし、ドライブレコーダーによる抜打検査も滅多にありません。

何より、厳しいはずの新人研修が緩かったりして、短くて1週間から長くて1ヶ月の新人研修で運転士としてデビューができる会社もあります。

しかし、田舎の会社の厳しいところは人間関係で、地元の運転士と如何に距離を取りつつ適度に付き合うかが大事に感じます(中には、危険を感じる人もいます。)。

また、運行管理について、本来絞めるべき場所が緩かったりして、最終的には人治的な問題解決になりがちです。

バス会社は、ある程度の給与と社会的地位が保証されていますが、規則が緩いと組織自体があらゆる業界からの吹き溜まりのようになり易いです。

その様な理由から、私は都会などの人口密集地の大手のバス会社に勤めることをはじめはお勧めします。

理由としては、福利厚生の充実や組織の安定性は云うまでもありません。

規則や研修など厳しいところもありますが、そのお陰で、仕事をする上での意識の低い人間がフルイにかけられて、ある程度の常識と節度のある人間関係が築けるからです。

また、細やかな運転操作が身に付くため、バス運転士に限らずドライバーとして汎用性を身に付けることができるからです。

とにかく、上下関係の厳しい古い体質の業界ですので、新人の立場は他の業種に比べ低いです。

その様なことからも、はじめは規則が厳しい大手企業の組織形態が自分を守ってくれる重要な砦になってくれます。

最後に、都会の大手の路線バス会社で3年程度の経験を積めば、私はあとはご自身で好きなように決めて良いと思います。

必要最低限度のドライビングスキルと、バス業界の内部知識があれば、田舎のそれもなんとかこなせると思います。

本当に3年経験積めば、全国どこでも働ける仕事がバス運転士と私は考えています。