2019年4月(中小企業は2020年4月)、働き方改革の一環として、労働基準法が改正されました。
それにより、時間外労働の上限が法律に規定されました。
一方、「適用猶予事業・業務」については長時間労働の背景および業務の特性や取引慣行の課題により、時間外労働の上限について適用が5年間猶予され、一部特例つきで適用されています。
この猶予期間が2024年3月に終了することから、「2024年問題」と呼ばれます。
尚、適用猶予事業・業務には、自動車運転の業務が含まれ、バス運送は旅客運送事業として含まれます(Wikipediaより転載)。
具体的に、どのような改正がなされたのかについての詳細は、分かりやすい動画がありましたので下記を御覧ください。
(1) 2024年問題!迫る改善基準告示をサクッと解説【バス基礎編】
(2) 2024年問題!迫る改善基準告示をサクッと解説【バス特例編】
さて、2024年問題に対して予想される最大の問題は、運転士不足が起こるりえることと一般的に認識されています。
バス運転士も含めてドライバー職は、残業を含めた給与が本来運転士が求める給与水準だったりします。
そのため多少残業が多く労働条件が一般的に観て過酷と言われる職場でも、よく忍耐力を効かして勤務しているのが実態です。
「残業があっても、給与が世間並に貰えるので、多少の事は我慢して働こう!その代わり、これで獲得した給与で自分の希望を叶えよう!」という考え方で就労している運転士が、平均値だと思います。
通常転職をした際、一般的な職業の場合、ある程度の給与水準まで至るまでに相当の時間がかかります。
家族持ちややりたいことのある方などにとっては、出来れば最初から世間並かそれ以上の給与を獲得したいと考えるのは、当然と思います。
そこで、バス運転を含めたドライバー業界は、基本的に運転職が苦にならないのであれば、残業さえ我慢できれば世間並の給与を支払ってもよいと云う申し込みを募集要項でしています。
平均的なバス運転士やドライバーは、この条件で合意して職に就いていると思います。
2024年問題により残業時間が規制され給与が下がる場合、当初の前提条件が崩壊します。
当然、ドライバーの離職が増えて、人材不足に陥ると云う流れが想定できます。
次に、仮に上記の前提条件の崩壊を食い止めるため、下がった給与の分を雇い主や国が助成したとします。
その場合、新労働基準法を遵守するためには、旧法で賄っていた旧勤務表等を新法の新勤務表に作り直す必要があります。
ここでも単純に、勤務表の数が増えることが安易に想定できますので、新たな雇用をしない限り人材不足になるリスクをはらみます。
そもそも、新法を正しく運用するためには、労働者か雇い主、国や地方公共団体などの公的機関の誰かが泣くか、みんなで泣くかしかなくなるのです。
労働者や雇い主を泣かすことに結果的になる場合、この働き方改革は違憲(職業選択の自由侵害、意に反する苦役禁止、幸福追求権侵害など)の可能性を含むものになることが予測される場合もあります。
また、バス運送や貨物運送が倒産した場合、世の中への影響も多大になることは安易に予想できると思います。
結局は、言い出しっぺの国などの公共機関が助成金や補助金でカバーすることになると感じます。
こうでもしないと、反社会的な人間や不良外国人などの違法なバスや貨物運送会社が、上記のドライバーの雇用を吸収し、社会が混乱してしまいます。
私はある意味バス業界が申し合わせて、一斉に働き方改革に対してボイコットする手もありかと思います。
違憲を含んでいる可能性もありうるため、国も慎重になったり保留されるかもしれません。
よって、今の生活レベルを保ち、産業のホワイト化することには、「増税」しかないと言われかねません。
でも、余りやりすぎると「憲法の生存権はどこ行った!」なんて声があがりそうです。
「増税なんてふざけるな!」と言うのならば、「欠点、不足は、お互い様!アイドルも、う○こをすのです~。」をスローガンすることです。
そして、実態調査をしっかりし、それに沿った「黒いもの」は社会的に受け入れる受認限度の拡大しかない思います。