昨日庭師さんが来てくれて、去年の11月以来はじめてテラスに出た。
杏子の桃色のポップコーンのような花の下で、桜餅や草餅、麩饅頭を並べてお茶をした
初対面の庭師さんは年配の男性で、九州出身の方言もあり最初すっと会話の通じない感があったけれど、だんだん気さくで男気のある人だとわかってきた。来月も頼むことにしたら、帰り際、門の金具の少し歪みが出ていたところを「今度ハンマー持ってきてこれもやってやるよ。壊しちゃったりして、へへへ」と笑ってトラックに乗り込んでいった
ベトナム最終回はフエとホイアン、水のある風景を。
朝8時にホテルを出発し、ホイアンから世界遺産の古都フエへ、そのあとダナンに戻ってミーケービーチ沿いで夕食。この長いバス移動を終日担当してくれる予定だった運転手のロイさんが、この日フエまでの片道だけで運転交代することになった。というのも、その日のうちに奥さんにあかちゃんが生まれそうだから側にいてあげるためと知らされ、バスの中で拍手がわき起こった。ハッピーライド わたしたちを送り届けてくれたロイさんは、バスを降りる一人一人に渾身の笑みで、ギュウギュウうれしくてしょうがないという握手をした
こちらは、路地をくねくね曲がった先に到着した昼食のレストラン。
アジアにいると、いつもスイカジュースを頼む。それを一口飲む度に、子供の頃のみずみずしい夏の味に打たれる
フエ郷土料理の牛肉入りフォーから始まるコース。でもこのランチで一番記憶に残ったのは、右隣に座った添乗員さんが最初歯科衛生士さんだったのになぜこの仕事をすることになったのか、そしてその中で出会う人びとの話だった。彼女は日中髪をまとめていたが、初日の朝食レストランで顔を合わせた時、それはふわっと解かれて華やかな色っぽさを醸していた。佇まいのチャーミングな添乗員さんと楽しい話をしながら過ごせたこの旅は、とてもラッキーだった
食後にフォン川をクルーズ。ホイアンで探しかけて見つからなかった繊細なポップアップカードが船内に売られていることを添乗員さんがおしえてくれる。二人で無造作に重ねられたたくさんのカードの中から、これもかわいい。あ、これは豪華!と選び抜き、彼女は値段交渉もしてくれて、思わぬところで愉快に欲しかったものが手に入る。
ところ変わって、ホイアンのトゥボン川。(・・・ドボンじゃない)
毎月、満月の夜にランタン祭りが催される。街中の電気が消され、ランタンのぼんやりした灯りだけに照らされる、賑やかだけど神秘的な夜。川に幾つもの灯篭が流れていく。ふと、やはり満月の夜に見たインドガンジス川の厳かな灯篭流しの光景が重なる。
中央の小さな灯りの連続は、20,000ドン(50円くらい)紙幣の裏に描かれている1593年に架けられた来遠橋(通称日本橋として有名)。当時この辺りには、日本や中国から渡ってきた商人につくられたそれぞれの街が栄えていたと言われる。
おわり