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特別に好きと言うわけではないけど、なぜか気になる三島由紀夫。
事実をベースに書いたという豪華絢爛ストーリー。
侯爵家の美形嫡子と伯爵家の美貌令嬢との結ばれることのない恋、
ドキドキします。
ところが、このストーリー読んでいると、結局は男性側の変なプライドのせいで
タイミングを逃したことがそもそもの不幸だったんじゃないの?と思えてきます。
さらに、この不幸に追い討ちをかけるのが、男性側の未練・・・と変な意地。
だめならだめでスパッとあきらめればいいのに、自分の手の届かないところに
行ってしまったら、逆に無性に欲しくなってしまってしょうがない。
手に入れるためにがんばっちゃった結果、2人だけでなく、その周りの人々も
不幸になってしまったという救いようのない話。
ただ、ちょっと気になるのが、伯爵令嬢聡子の気持ち。
著者が男性だけに、男性側の視点でしか描かれていないストーリーですが
本来は女性側にもストーリーがあるはず。聡子の視点から、この一連の物語が
語られたら、これまた相当面白いに違いないと思う今日この頃です。