52 Crescent Street

東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

クレモンティーヌが歌うボサノヴァ

2008年04月07日 | 音楽オペラ
カフェ・アプレミディ~クレモンティーヌが歌うボサノヴァ
カフェ・アプレミディ~クレモンティーヌが歌うボサノヴァクレモンティーヌ マルコス・ヴァーリ M.ミッツ ソニーレコード 2001-07-18売り上げランキング : 68205おすすめ平均starAmazonで詳しく見る by G-Tools

カフェ・アプレミディはどこのカフェでもよく流れています。

ほのぼのとした声とまったりしたボサノヴァが非常に良くマッチしていて
一度聞いたらなかなか忘れられないほどの印象があります。

わたしがこのCDを聞くときは、だいたい家での仕事がのってきたとき。
気分が静かに高揚しているときは、この静かな高揚感を台無しにしない程度の
バックグラウンド・ミュージックがほしいところ。クレモンティーヌの歌声は
わたしの仕事のテンポにも心理状態にもピッタリです。

仕事以外だったら、雨降りの午後、読書なんかしながら
ま~ったりと聞きたい曲です。

細川ガラシャ夫人 (三浦綾子)

2008年04月06日 | 本のこと
細川ガラシャ夫人 (三浦綾子小説選集) (三浦綾子小説選集)細川ガラシャ夫人 (三浦綾子小説選集) (三浦綾子小説選集)三浦 綾子 主婦の友社 2001-04-01売り上げランキング : 226987おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

本書は、美貌で聡明で信仰心に篤い細川玉子(洗礼名ガラシャ)の波乱に富んだ人生を描いていることで有名です。しかし、その一方で、「高慢」「傲慢」「妬み」「嫉み」「保身」「疑心暗鬼」などなど人間の気持ちの弱さを、戦国時代という誰にとっても生きるのが難しい時代を背景に、見事に抉り出した作品として読むこともできます。

細川ガラシャ夫人は本能寺の変により織田信長を討った明智光秀の娘ですが、そもそもなぜ明智光秀が主君を討たなければならなかったのか。諸説紛紛としてわからないことも多いのですが、本書では織田信長の猜疑心や嫉妬心、高慢な振る舞いの末、最終的には「領地没収」という憂き目にあって明智光秀が進退窮まったためというように描かれています。追い詰められた末の主君殺害、その結果一族郎党は滅ぼされてしまい、唯一の生き残りは玉子のみ。このような悲劇的な結末は、智謀に長けた明智光秀でも避けようはなかったんでしょうか。一時は玉子も父明智光秀のとった行動を恨みに思ったこともありましたが、でもやっぱり親子。わたしは玉子の以下のような心境に共感すると同時に同情します。

「人間、生きることが辛くなりました時は、何をするかわかりませぬ。父は耐えに耐え、忍びに忍んでいられたのだと、わたくしはこの雪の中で思ったのです。もし、一生この雪の中で、ひっそりと暮らさねばならぬとしたら、気も狂いましょう。父は信長様より、領地を召し上げられては、狂うより仕方がなかったのではありますまいか」「父が天下をとろうとしたこと、やはり、娘のわたくしは、ほめてあげたい思いもいたします。」

本書では明智光秀の心情以外に、信長のとんでもない猜疑心や驕慢心がその時代の武将たちをどんな気持ちにさせていたのかということや、ちょっとしか触れられていないけれど徳川家康の心の広さが人々にどのように受け入れられたかなど、人間観察としては、非常に興味深い例がたくさんあります。

ところで、「信仰」というのは、本書のもうひとつのテーマ。特に後半では、信仰を持つことの強みに焦点が当たっています。例えば、似たような状況に追い詰められたとき、明智光秀とは対照的な行動をとったのが、キリシタン大名として名高い高山右近です。豊臣秀吉から「信仰放棄か領地没収か」という究極の選択を迫られたとき、高山右近はすんなりと領地を手放し無禄になった。信仰を持っていることの強さは、人間の心の弱さを自覚し、克服することにあるのかもしれない。

玉子も信仰によって救われています。玉子は生まれながらの聡明さと美貌の持ち主で、本書の前半ではかなり傲慢で批判的精神の持ち主であったと描かれています。現代社会においても、容姿端麗、才色兼備な女性で傲慢な人は少なくないでしょ。それにお姫様育ちときたら、いったいどうなってしまうのやら。もちろん戦国時代の武家のお姫様は厳しく躾られているとは思うけど、本質が傲慢だったらそれを隠すことや振る舞いを変えることはなかなか大変なことでしょう。それが度重なる悲劇の中、この世の不条理と真剣に向き合い、信仰に生きることで謙虚さを身につけ、心に平安をもたらすことができたのです。信仰心とともに最期を遂げるのですが、彼女の辞世の句がこれまた有名。

「散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」

心の支えは信仰でなくてもよいとは思うけど、支えになるようなものを持っている人はうらやましい。

意外に面白かった「KIDNAPPED」

2008年04月05日 | 映画DVD
キッドナップ コンプリート DVD-BOX (3枚組)キッドナップ コンプリート DVD-BOX (3枚組)ダナ・デラニー ティモシー・ハットン ジェレミー・シスト ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2008-02-06売り上げランキング : 14331おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

ここ数ヶ月間でみたDVDについて紹介してみようと思います。

この「Kidnapped」は、一言で言えば
「誘拐されたお金持ちの息子の救出劇」です。

人質救出業のKnappが主人公なんだけど
珍しく見た目のあまりよろしくない主人公。
ちょっと下膨れ系の、モジャモジャ頭の
ゴマのようなひげ面の小汚い系。

けっこう手の込んだストーリー展開で
NYの裕福な家庭の息子レオポルドが
武装集団に襲われそのまま誘拐されちゃった。
レオポルドは何と合衆国の外に連れ出され監禁。
両親は人質救出業のKnappを雇うんだけど
FBIにも気づかれちゃって・・・
捜査の間、誘拐犯たちがなぜかどんどん消されていくし
レオポルドの父親の周辺でも怪しいことが・・・

今後の発展が期待できそうな伏線も
あちらこちらに散りばめられていたのに
なんと、シーズン1でいきなり打ち切りに!
ガ~ン

組織に妻を殺されてしまった殺し屋が不気味に消えちゃったのも
刑務所の奥でKnappを苦しめるあの囚人のことも
レオポルドの母親が思い出したかわいそうな親子のことも
全部が今後の伏線だと思っていたのに
いきなりレオポルドが救出されちゃうなんて!

つまんな~い 

目黒川沿いの桜

2008年04月04日 | 徒然のこと
目黒に引っ越してきてから丸2年が経ちました。
目黒川沿いの桜も今年で3回目です。

雨の中、桜を楽しみながらだんなさんといっしょに図書館へ。
図書館前に架かっている橋の上からパチリ。
向こうに見えるのが、権之助坂下の目黒新橋。
けっこういい眺めでしょ。今年発見した眺めです。






EQ-こころの知能指数 (ダニエル・ゴールドマン)

2008年04月03日 | 本のこと
EQ―こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)EQ―こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)ダニエル ゴールマン Daniel Goleman 土屋 京子 講談社 1998-09売り上げランキング : 1867おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

心理学って興味はあるけど、係わり合いは持ちたくないような
ちょっと不思議な分野。

だけど最近目にする仕事術や勉強術や成功術に関する本などは
けっこう心理学的なポイントが軽く触れられている。
どうせならちゃんと理解しておこうと本書を手に取った。

ちなみに、本書は3年前ぐらいに一度読んでいる。
そのときは「ふ~ん」って感じで斜め読み。

今回も斜め読みは斜め読みだけど、ちょっと時間をかけて読んでいる。
新たな発見もあるし、面白い。

なかなかお勧めの一冊です。

血涙―新楊家将 上・下 (北方謙三)

2008年04月02日 | 本のこと
血涙〈上〉―新楊家将血涙〈下〉―新楊家将

文庫になるのを待ちきれず、区民図書館で借りてきた「血涙―新楊家将」。
以前このブログで紹介したことのある「楊家将(上・下)」の続編です。

楊家将〈上〉 (PHP文庫)楊家将〈下〉 (PHP文庫)

「楊家将」にしても「血涙」にしても、涙なしでは読みきれない。
そして、最後は虚しさや悲しみで心がいっぱいに。

特に「血涙」では、部門としての栄光は取り戻せないまま楊家軍を再興した楊六郎と楊七郎が、実は楊家の生き残り楊四郎と兄弟にもかかわらず宿敵となってしまうという悲しいお話。楊家軍は宋国の中でも未だ異端児扱いで、都合よく使われてしまう運命とあり、その立場がすでに悲劇的なのに、兄弟同士で殺し合わなければいけないなんてあんまりだ。

宋国内での楊家軍の立場はものすごく微妙。なくては困るけど、力を持ちすぎてしまっては困るという専門家集団。強くなればなるほど、専門的に力がつけばつくほど疎んじられるって・・・あっていいわけ?でもこれって、この当時の国家運営だけでなく、現代の国家運営、会社組織の中にも似たような関係が見出せるなあ、なんて思いながら読み進める。最後の最後には死に兵として使われてしまう楊家軍の方が、現代人よりももっと過酷な立場に置かれているんだろうけどね。

でもこの本を読んでいるとつくづく思う。この世に「唯一の正義」は存在しないということ。楊六郎の正義も、楊四郎の正義も、宋主の正義も、遼主の正義もそれぞれの立場から見れば、それぞれに正しいことを言っているし理解できる。だけど、ひとつを立てれば他の正義は成り立たないし。そういうとき、大体はより大きい方、より権力があるほうの正義がまかり通ってしまって、そうでないほうは苦しむしかない。いつの世も同じこと。

で、こういう結論に達すると、「じゃあ、何も言わないほうがいいってこと?」「口をつぐんで従ったほうがいいってこと?」「不本意なことに従えってこと?」「我慢しろっていうこと?」、そんなのって最悪って絶望的になっちゃうけど、やりかたはあるのかも。楊六郎のように誇りをかけて思う存分闘い、必要とされなくなったら、またはまったく自分が嫌になってしまったら、別に生き場を得るというのもあり。行き詰ることがしばしばある人生なので、本を読んでは、主人公たちの人生をなぞっては自分の生き方を反省し、方向を修正する。そういう意味でも北方謙三の歴史小説は大いに役立つ。

それにしても、本書の楊六郎は、今にも死にそうな危ない目に幾度か合うし、父楊業や兄楊四郎と較べても無敵と言う感じがなぜかしてこないのだけど、最後はこの人だけが生き残ってしまう。楊家軍を解体し、山中で隠遁生活を送る楊六郎の子孫から「水滸伝」で活躍する楊志が出て、その後「楊令伝」の楊令へと話が続くんだけど、「楊令伝」も文庫化は待てないなあ。図書館で借りてくるかあ。