【日本 4-0 韓国】
エースの背中には、いつだって大きく重いものがのしかかる。それが日の丸の入ったユニホームを着るチームであったのなら、なおさらだ。斎藤佑樹(早稲田大4年)は、そのプレッシャーをチーム結成時から背負い続けてきた。榎本保監督は、「投手陣の柱は斎藤しかいない」とことあるごとに口にし続け、地元開催の世界選手権の開幕戦いう大事なマウンドに、斎藤を送った。
「大学最後のジャパン(日本代表)なので、なんとしても勝ちたい、優勝したいという気持ちがあった」という斎藤は、きっちりとゲームをつくった。6回を投げ111球、被安打5、与四死球1、奪三振9。3者凡退は3回の1度だけ、得点圏に3度走者を進めるなど内容はいまひとつだったが、無失点で勝利投手と結果を出した。
がまんの投球を可能にしたのは、斎藤の生命線、低めの制球力だった。145キロ前後の直球にたくみにチェンジアップ、フォークを織り交ぜ要所を締めた。なかでも、「社会人とのオープン戦で効果的だったので使った」というチェンジアップは抜群の効果を発揮。東京六大学のリーグ戦ではあまり使わないという“秘密兵器”だが、「空振りも見逃しも取れて、自信になった」と新たな武器に手ごたえを口にする。韓国の李淵守監督も「がまんできずに難しい変化球に手を出してしまった」と舌を巻く、老かいともいえる投球で開幕戦での勝利という大きな1勝を引き寄せた。重圧のかかる大事なゲームで、しっかり仕事を果たしたのだ。
これには榎本監督も「(大会の)初戦は厳しいけど、よく投げてくれた。さすが斎藤という感じ。斎藤のがまん強さが勝因です」と賛辞を惜しまない。斎藤自身も、「どんな形でもいいから抑えたかったので、6回無失点という結果を出せてほっとしています」とプレッシャーから開放され、安どの表情を浮かべた。
しかし、目標はこの1勝ではない。今夏の甲子園出場を決めた早稲田実高の後輩は、「斎藤さんが世界一になってから、自分たちも(甲子園での)優勝を目指します」と話したと聞き、「後輩たちが世界一を取れというエールをくれるのなら、取りたいですね。自分が2006年に甲子園を制覇したときも、王(貞治)先輩がWBCで世界一になった。今度は自分が(OBが世界一を取って早稲田実高が日本一になる)流れをつくりたいですね」と決意を新たにした。
さらに、ベンチに飾られた2着のユニホームについて報道陣に問われ、「林崎(遼=東洋大4年)も澤村(拓一=中大4年)も去年から一緒に世界一を目指した仲間。能力のある2人を(負傷で)失ったのは本当に残念ですけど、その分チームが団結して勝っていきたい」と志半ばでの離脱を余儀なくされた2選手を慮った。
後輩たちのため、仲間のため。斎藤の双肩には、また新たに重いものがのしかかる。それでも斎藤は、大事なマウンドに上がるだろう。“ハンカチ王子”と呼ばれたのは過去のこと。今の彼は、日の丸を背負うエース、立派な“サムライ”なのだから。
エースの背中には、いつだって大きく重いものがのしかかる。それが日の丸の入ったユニホームを着るチームであったのなら、なおさらだ。斎藤佑樹(早稲田大4年)は、そのプレッシャーをチーム結成時から背負い続けてきた。榎本保監督は、「投手陣の柱は斎藤しかいない」とことあるごとに口にし続け、地元開催の世界選手権の開幕戦いう大事なマウンドに、斎藤を送った。
「大学最後のジャパン(日本代表)なので、なんとしても勝ちたい、優勝したいという気持ちがあった」という斎藤は、きっちりとゲームをつくった。6回を投げ111球、被安打5、与四死球1、奪三振9。3者凡退は3回の1度だけ、得点圏に3度走者を進めるなど内容はいまひとつだったが、無失点で勝利投手と結果を出した。
がまんの投球を可能にしたのは、斎藤の生命線、低めの制球力だった。145キロ前後の直球にたくみにチェンジアップ、フォークを織り交ぜ要所を締めた。なかでも、「社会人とのオープン戦で効果的だったので使った」というチェンジアップは抜群の効果を発揮。東京六大学のリーグ戦ではあまり使わないという“秘密兵器”だが、「空振りも見逃しも取れて、自信になった」と新たな武器に手ごたえを口にする。韓国の李淵守監督も「がまんできずに難しい変化球に手を出してしまった」と舌を巻く、老かいともいえる投球で開幕戦での勝利という大きな1勝を引き寄せた。重圧のかかる大事なゲームで、しっかり仕事を果たしたのだ。
これには榎本監督も「(大会の)初戦は厳しいけど、よく投げてくれた。さすが斎藤という感じ。斎藤のがまん強さが勝因です」と賛辞を惜しまない。斎藤自身も、「どんな形でもいいから抑えたかったので、6回無失点という結果を出せてほっとしています」とプレッシャーから開放され、安どの表情を浮かべた。
しかし、目標はこの1勝ではない。今夏の甲子園出場を決めた早稲田実高の後輩は、「斎藤さんが世界一になってから、自分たちも(甲子園での)優勝を目指します」と話したと聞き、「後輩たちが世界一を取れというエールをくれるのなら、取りたいですね。自分が2006年に甲子園を制覇したときも、王(貞治)先輩がWBCで世界一になった。今度は自分が(OBが世界一を取って早稲田実高が日本一になる)流れをつくりたいですね」と決意を新たにした。
さらに、ベンチに飾られた2着のユニホームについて報道陣に問われ、「林崎(遼=東洋大4年)も澤村(拓一=中大4年)も去年から一緒に世界一を目指した仲間。能力のある2人を(負傷で)失ったのは本当に残念ですけど、その分チームが団結して勝っていきたい」と志半ばでの離脱を余儀なくされた2選手を慮った。
後輩たちのため、仲間のため。斎藤の双肩には、また新たに重いものがのしかかる。それでも斎藤は、大事なマウンドに上がるだろう。“ハンカチ王子”と呼ばれたのは過去のこと。今の彼は、日の丸を背負うエース、立派な“サムライ”なのだから。