千葉県柏市議会議員 円谷のりひとの議会・活動報告、政策提言など。記事には政治活動以外の内容(雑記)も含まれます。
先般、当ブログにも記したとおり、柏市内おける国基準の待機児童は、平成24年4月に133人でしたが、同26年4月に39人に減少しました。これは、現在取り組んでいる柏市待機児童解消アクションプランの成果といえます(詳細)。もちろん、当面の目標は、来年4月のゼロ達成です。しかし、昨年話題になった横浜市や杉並区など、他の自治体を見ると待機児童数はゼロを達成すると再び数字が跳ね上がる傾向にあります。
特に杉並区は、もともと待機児童ゼロを何度も達成している先進都市でした。しかし、その評判を聞きつけて多くの子育て世代が転入し、待機児童数が跳ね上がり、保護者による集団異議申し立てという事態になってしまいました。柏市としては、こうした事態は避けなければなりません。そこで、目標達成後も継続して待機児童ゼロを継続できるように、下記のような質疑を行いました。以下はその要旨。
――来年4月までの2か年で国基準の待機児童をゼロにする柏市待機児童アクションプランの中間報告では、平成24年4月に133人だった国基準の待機児童が26年4月には39人に減ったとのことだ。まずは順調に成果が出ているといえ、今後もゼロ達成に向けて努力していただきたい。しかし、横浜市では国基準の待機児童ゼロを達成した翌年に、再び待機児童数が増えてしまう数字のリバウンドが起こっている。柏市でも、仮に来年4月に待機児童ゼロの目標を達成したとしても、同じようにリバウンドしてしまっては元も子もない。そうした事態を想定し、対策を練るべきだと考えるが、市の見解は。
こども部長「国基準の待機児童ゼロを達成した翌年度以降の水準の維持については、引き続きアクションプランによる施策を進めていくとともに、今年度に策定する子ども・子育て支援事業計画に基づき、潜在的ニーズへの対応も含め、ひとりでも多くのお子さんが希望する施設に入園できるように計画的に進めていく」
――ゼロを達成すれば、「柏市だったら子供を預けられる」「保育環境がいい」という声があがって、その評判で移り住んでくる人も出てくるだろう。そのときにもし(保育園に)入れないとなると、市の行政全体の信頼が損なわる。そうなると、次に住居を選ぶときは市内から出て行ってしまうかもしれない。アクションプランの施策を継続させて数字のリバウンドに対策を講じていくということだったが、(ゼロ達成の目標と同じように)高いモチベーションをもって、取り組んでいただきたい。
このゼロ達成後の水準維持に関しては、実は以前から議会でも申し述べてきたことです。アクションプランの成果が見え、ゼロ達成が現実的になってきたこのタイミングで、市に対して釘をさす意味で取り上げました。、「待機児童ゼロと聞いたから柏市を選んだのに、今はまた増えてしまって預けられない」ということがないよう、今後もしっかりと取り組んで参ります。
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・2015年ゼロ達成へ 待機児童解消アクションプラン中間報告
・安定した保育環境の整備に向けて 保育士の入れ替わり問題=議会報告
・2015年ゼロ達成へ 子ども・子育て会議と待機児童対策=議会報告
先般、当ブログにも記したとおり、柏市内おける国基準の待機児童は、平成24年4月に133人でしたが、同26年4月に39人に減少しました。これは、現在取り組んでいる柏市待機児童解消アクションプランの成果といえます(詳細)。一方で、ひとつの問題として特定の保育園、あるいは限定した地域のみを希望しているために入園が決まらない「単願」の保護者が多いことが挙げられます。保護者が単願となるのは、通園距離や園の方針などを考慮してのことなのではと察しますが、子供の保育園が決まらないことによって、保護者が働けなかったり育児の負担が増加したりという状況は、できるだけ避けたいところです。そこで、各園の保育の質を上げることで、どこに預けても安心できる保育環境をつくる(=単願を減らす)ことができるのではないかという考えのもと、下記のような質疑を行いました。以下はその要旨。
――まず、わが市における国基準の待機児童が順調に減ってきていることは、評価をするところだ。一方で「どこどこの保育園以外は入れたくない」「どうしても家の近くの保育園じゃなくては嫌だ」といった特定施設、特定地域のみ希望する保護者もいらっしゃると聞く。全体の保育の質を上げることで、どこの施設に預けても安心できる環境づくりができるのではないかと考えるが、市としての考えは。
こども部長「アクションプランによる各種の取り組みによって、国基準の待機児童数は減っているが、まだゼロにはなっていない。その要因として、共稼ぎ世帯が増えたこと、認可外保育園や幼稚園でも対応できる保育需要が認可保育園に集中していること、定員に空きがある施設があっても通勤に不便などの理由のために希望しない場合があることなどが挙げられる。このような状況の中で、保護者の選択肢を増やすには、議員の指摘のとおり保育の質を均一化することは大切だ。そのため、市では公私立保育園の合同による保育士の技術向上研修やスキルアップ研修、合同の園長会議などの各種研修等を実施している。また、駅前認証保育施設を認可保育園に移行させるなど、保育全体の質の均一化に努めているところだ」
子供を預けるうえで、保護者がもっとも心配するのは、やはり安心・安全な保育環境が整っているかだと思います。通勤の都合による単願はシビアな問題ですが、もし保育園の質を考慮しての単願があるとすれば、それはなくしていかなければなりません。これは、待機児童の問題から切り離し、単純に「入園後の保育環境の充実」という点にもつながっていきます。各園の保育の質を向上させ、市内の保育園すべてで「安心・安全」を提供できるように、今後も務めて参ります。
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・2015年ゼロ達成へ 待機児童解消アクションプラン中間報告
・安定した保育環境の整備に向けて 保育士の入れ替わり問題=議会報告
私の自宅もそうですが、柏市内にも駅まで徒歩15分以上かかる地域も多数あります。そうした中、バスは重要な交通手段であります。しかし、雨天時や夏の暑い時期は、特に高齢者や妊婦さん、通院のための利用者など、バスを待つのも一苦労という方々も多いのではないでしょうか。そこで、6月議会において、バス停の利用環境向上について質疑を行いました。以下はその要旨。
屋根があるバス停とないバス停
――多くのバス停では、バス停であることを示す標柱から立って並び、バスを待つことになる。幅員が狭い道路にあるバス停では、特に雨天時などは傘を差したまま列をつくることになり、通行する車と接触の恐れがある。また、夏の暑い時期は日陰がないことにより、熱中症などの懸念がある。バスは道路事情などにより時間通りに来るとは限らず、特に高齢者などから体調面を心配する声がある。雨除け、日差し除けのための素屋根、上屋の設置が必要だと思うが、市の見解は。
土木部長「路線バスの停留所にある上屋、屋根は、利用者の待ち合い環境の向上のために事業者が主体となり設置を進めている。しかしながら、利用者が少ない、あるいは歩道上に設置するスペースが確保できないなどの要因のほか、資金上の都合といったバス事業者側の都合もあり、停留所全体の4分の1ほどの設置に留まっている。利用環境の充実、公共交通の維持は事業者任せではなく、行政も深い関わりを持つ必要がある。そこで、本年度バス事業者4社との意見交換会を立ち上げた。バス交通の活性化など、必要な方策を協議するとともに、上屋などの施設整備における市の関わり方を検討していく」
――市から事業者に支援をするとなると、補助金などが出るのか。
土木部長「はい。公共交通の施設整備は、行政としてできる範囲で支援していく必要があると思っている。そうしないと、推進できないと思う。その中で、国の交付金なりを財源に、支援していきたいというのが今のところの考えだ」
――4分の1程度の設置に留まっているとのことだが、バスを利用する人は、駅まで行くのが大変な方、つまり高齢者だったり、歩くのが困難な方もいる。そう考えると、これは切実な声だと感じる。1個1個をしらみ潰しというのは難しいだろうが、病院や公共施設の近くの停留所を優先的にとか、工夫をして安心、安全に使えるバス停づくりに努力していただきたい。
柏市内のバス交通は、民間企業によって運営されています。そのため、市が主導し、全面的にバス停の整備を行うことは、なかなか難しいのが現状です。しかし、答弁にあるように、行政も公共交通の重要性を理解し、その維持・活性化に協力していこうという前向きな姿勢が見て取れました。今後は、それを具体的に実行できるように、はたらきかけてまいります。
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・公民のバランス 交通不便地域の定義づけを=議会報告
柏市は、全国でも珍しい子供の数が減っていない自治体です。それだけ子育て世代が多く、また子育て政策の充実が求められているということです。そこで、6月議会において、子育て政策に関しいくつか取り上げました。この項では、国が制定した子ども・子育て新制度における学童保育事業拡大についての質疑の要旨を掲載します。(子ども・子育て新制度に関する詳細はこちら)
――子ども・子育て新制度により、平成27年度から学童保育事業の対象範囲が小学校3年生までから6年生までに拡大される見通しである。また、政府の成長戦略では、2015年度からのまた、政府の成長戦略では2015年度からの5か年間で学童保育の定員を30万人増員するとの方針が示された。
言うまでもなく、児童の安全安心な放課後の居場所を確保することは、児童の保護者にとって最も優先順位の高い要望だ。しかしながら、事業の対象範囲が拡大することにより、今後、学童保育においても待機児童が発生することになるのではとの懸念がある。柏市では、今回の制度改正等に伴い、利用者数にどのような変動が生じると想定しているか。
こども部長「全国の学童保育利用者90万人と、現在の柏市の学童保育利用者2314人から割り出すと、柏市への影響は700人程度の増員になると予想される。したがって現況の事業フレームの見直しだけでは対応が困難であり、現在国が示している放課後対策の総合的な推進による財源を活用して対応していく予定だ。」
――その想定に対する具体的な対応について、現時点での見解は。
こども部長「国では、子供の小学校入学と同時に子育て支援が薄くなることについて『小1の壁』として、保護者の就労に大きな影響があると認識している。また、放課後の(児童の)居場所や育成の場として取り組んできた放課後子どもプランが十分に進んでいないと評価している。以上を踏まえて、学童保育における事業範囲の拡大に取り組んでいく方針である。
また、今後の取り組みとしては保護者、学校、地域住民、行政など児童に関わる多様な主体の共通認識のもと、子ども・子育て会議の中でのご意見をいただきながら、柏市にふさわしい放課後事業を進めていく」
子育てにおいて、安心して子供を預けられる環境づくりは、非常に大切なものです。柏市では、現在保育園の待機児童対策については、アクションプランをつくり成果を出しつつありますが、記事中にもある「小1の壁」問題についてはまだまだ支援が足りないのが実情です。国が学童保育事業拡大を打ち出したことは、この問題を解消するためへの一歩前進といえます。これを機に、柏市でも小学生以上のお子様をお持ち保護者が安心して働けるような環境づくりに取り組んでいかなくてはなりません。市の見解としては、今後、子育て政策についてアドバイス、意見をいただく子ども・子育て会議の意見等を参考に事業拡大に備えていくとのことです。私も議員の立場から、同事業が子育て世代への大きな支援になるよう、また児童にとって放課後が身になるものになるように取り組んでまいります。
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・「小1の壁」解消へ こどもルームの開所時間繰り上げを=議会報告
・2015年ゼロ達成へ 待機児童解消アクションプラン中間報告
・子ども・子育て新制度(内閣府)
・「柏市子ども・子育て会議」の記事一覧(柏市)
柏市は、全国でも珍しい子供の数が減っていない自治体です。それだけ子育て世代が多く、また子育て政策の充実が求められているということです。そこで、6月議会において、子育て政策に関しいくつか取り上げました。この項では、主に小学校1~3年生の児童を預かる学童保育制度「こどもルーム」の開所時間についての質疑の要旨を掲載します。(こどもルームに関する詳細はこちら)
――保育園の待機児童については,柏市においてもアクションプランの推進などで改善が図られているところだが、近年、小学校に進学後に子育て支援が薄くなり、子育てと仕事の両立が困難になることを捉えて「小1の壁」と言われ問題となってる。その「小1の壁」の具体的な内容の一つとして挙げられているのがこどもルーム、学童保育の開所時間だ。
柏市では、保育園利用時には延長保育を利用して朝7時から子供を預けられたものが、小学校入学後のこどもルーム利用では、夏休み期間中など学校休業日においての利用では朝8時からとなっている。この1時間の差は、就労する保護者にとって、また児童の安全を確保する上でも大きい。市では、この問題についてどのように認識しているか。また何か具体の検討事項があるのか、今後の見通しは。
こども部長「こどもルームの開所時間が保育園より1時間遅くなてっいるのは、保育園のほうが比較的、通園の範囲が広いことや小学校の所定の登校時間が概ね8時であることが理由だ。しかし、子ども・子育て新制度の関係で昨年実施したニーズ調査では、夏休みなど長期休業期間において開所時間の繰り上げを求める声をいただいた。また、こどもルームの保護者で組織された市連協もこの件は重要課題に挙げている。これらのことを踏まえ、ことしの夏休み期間に10か所程度のこどもルームで試行的に30分の開所時間繰り上げを行う。そこで(繰り上げを)実施する場合の課題や体制を確認し、試行実施後にアンケート調査を行い、改めてニーズの把握を行うなど、今後の対応を検討したい」
――試行の実施は、一歩前進と捉えるが、「小1の壁」は30分ではなく、1時間の差を問題視している。それを埋めるための施策が大事だ。
こども部長「アンケート調査などを踏まえ、十分にユーザーの意見を聞きながら、改善すべきところは改善したいと思う」
質疑にあるように「小1の壁」の改善は、子育て・保育政策の全国的な課題です。まだまだ足りない部分もありますが今回、市で開所時間繰り上げの試行を行うことは大きな前進です。一刻も早く、こどもルーム開所時間を7時に繰り上げられるように、今後も取り組んでまいります。
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・平成26年度 柏市立こどもルーム(学童保育)入所案内
平成26年第2回定例会(6月議会)において、議案「訴えの提起について」が提出されました。これは、市営住宅の家賃未払い者に対し、当該物件の明け渡しと滞納分の家賃支配を求める裁判を起こそうというものです。今回対象の入居者は、長期間にわたり家賃を一切払っておりません。市営住宅であろうと民間賃貸物件であろうと、契約に基づき賃料を払うのは社会的常識であり、個の事情を考慮しても今回のケースは他の契約者、市民に納得いただける内容ではないと思います。また、行政側の大きな落ち度も見過ごせません。そこで、一般質問において、下記のような質疑を行いました。以下はその要旨。
なお、議案は全会一致で可決されました。
――市営住宅とはいえ、入居者が家賃を払うことは大前提で、訴えを提起することに反対はしない。しかし、長きにわたり未払い状態が続いたことは、行政側の大きな落ち度でもあり、大変遺憾だ。同じような事態を起こさないために、債権管理を徹底するとべきだ。また、個々の事情はある程度考慮するとしても、ほかの市民に理解していただける範囲で(滞納等の事態を)収束できるような体制づくりが必要だと思うが、市の考えは。
都市部理事「まず市営住宅の長期間の家賃滞納により、多額の滞納金を出してしまい市民に大変な迷惑をかけ、大変申し訳ございませんでした。市営住宅は低所得者で、かつ住宅に困窮されている方を対象としており、福祉的な側面が強いセーフティネットとしての役割がある。そのため(市側に)裁判まではどうかという意識が強くあったことが訴えの提起が遅れた原因だ。
しかし、市営住宅は入居者の家賃と市民の税金で成り立つ制度であり、応分の負担は(入居者に)お願いしなければならず、意識を改めたい。今後はこの反省に立ち、入居者の生活状況を配慮しつつ、厳格に取り組んでいく。具体的には、早期における滞納者本人と連帯保証人への滞納指導や請求、個々の公証記録の整理、定期的な連帯保証人の確認等、早急に業務改善を進めていく」
――市営住宅が福祉的な役割、セーフティネットであることはその通りだ。だが、それと家賃を払わなくていいということは同義ではない。個々の事情は考慮するとしても、(家賃を)払っている方もいる。入居したくてもできない人もいる。繰り返すが、(滞納は)他の市民から理解できる範囲内に収める体制をつくっていただきたい。これは要望というより、あえて要請と強い言い方でお願いする。
前議会では、家賃を滞納したまま無断で退去した方に対しての訴訟を起こす議決し、現在裁判中です。今回は現に市営住宅に住み続けている方が対象となる訴えです。前述の通り、この問題は、
1、入居者側の契約不履行
2、行政側の事務的な落ち度
の2点が大きな原因となっています。家賃に限らず、払うべきものをきちんと払っている人がバカを見るようなことはあってはなりません。今後は、行政側がそういった意識を強く持ち、同様の事態が起こらないような厳格な体制づくりに取り組んで参ります。
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・平成26年第2回定例会議決結果一覧
・市営住宅の滞納家賃対策=市長室だより