――今、待機児童の解消を進める中で、保育士の確保が大きな課題となっているす。先日のニュースでは、東京都では緊急対策として保育定員4,000人分を拡大するとのことだったが、これは同時に保育士確保の競争が激化するということでもあり、柏の保育関係者も戦々恐々としている状況かと見受けている。柏市と近隣市を比べた中での保育士の待遇についてどう考えているか。また、保育士確保のために柏市としても独自の補助制度が必要と考えるが、市の見解は。
こども部長「千葉県内では総武線沿線において特に保育士不足が顕著になっており、沿線の自治体では独自の処遇改善が進み、その流れが東葛地区にも波及しつつある。その状況を申し上げると、船橋市が最も早くから処遇改善に取り組んでおり、中でも保育士に対する独自の給与上乗せについては、月額で3万1,980円、期末手当として6万9,170円、年額で総額が45万円以上の上乗せとなっている。また、市川市や浦安市でも処遇改善の取り組みを行っており、28年度からは松戸市でも独自の処遇改善を開始したと聞いている。
議員御指摘の保育士が他の自治体へ著しく流出するような状況は、安定的な保育の実施や保育の質を確保する観点からも避けなければならない。また、柏市内の保育園等の入園状況は、28年8月1日現在で保留児童数が223名となっており、実際に私立認可保育園の一部では保育士不足による一時的な入園困難が生じている。市としても早急な対策を講じ、このような状況を拡大することを食いとめる必要がある。そこで、保育士に対する柏市独自の給与上乗せ補助について平成29年度からの実施に向けて準備を進めている。具体的な内容については、今後の予算編成の中で精査していくが、保育士確保に関する競争力を確保し、保育士不足による待機児童発生を防止するよう努めてまいりたい。あわせて、保育士確保に関するその他の補助事業として、保育士宿舎借り上げ支援事業の実施をあわせて検討している。処遇改善と宿舎借り上げ支援の組み合わせにより、求人の区域を拡大して保育士を確保することも検討していく考えだ。
また、保育士確保に重要な点として、働きやすさの改善も大変重要だと考えており、配置基準ぎりぎりの数では休暇の取得や研修への参加なども困難になり、結果として転職や離職という結果を招く原因になる。市ではこれらの点を重要な課題として捉え、現行の補助メニューの見直しなどを行い、保育士個人の頑張りだけに依存するのではなく、適切な仕組みを通じてしっかりと支えていくことにより、総合的な保育士の職場環境の改善を図ってまいりたい。このように市ではこれからの取り組みの効果が最大限に発揮されるよう関係機関への情報提供などに積極的に取り組み、適宜議会に御説明しながら御理解を得てまいりたい」
平成28年9月17日 同年第3回定例会一般質問より