上海事変その5 桃華園にて起きた事。『雀の仔をいぬきが逃がしてしまったの』
遅咲きの桃の花びらを淡い肩衣にまとわせて、天子は星刻に走り戻る。
桃華園を散歩していた人々は、あまり見かけないこの2人を最初は若すぎる父と愛娘と見た。一瞬たりとも視線を離さず愛しげに見つめる姿が親子に見えた。しかし、青年の視線のあまりの強さに気がついたとき認識は幼な妻と嫉妬深い夫に変わった。さらに青年のもとに書け戻る少女が余りに推さなく純真なことに気がついて、先の2つの認識を否定したが、さりとてそれに代わる認識がなかった。もし、日本人がいれば一瞬で解答しただろう。あれは若紫を見つけた源氏であると。
「シンクー」
呼ぶ声にすべての感情がこもる。春の喜び。ようやくかなった約束。ただ純粋に慕ってくる天子の心。
「天子様」
呼ぶ声、答える声が金色の春の光に融ける。今日、あの幼い日の約束は成し遂げられた。
だから、これからは新しい日々が。
新しい時間があると天子は信じていた。この人と共にと。
星刻は知っていた。彼女には新しい時間があると。その彼女の時間に自分はいないと。
一番大切で守りたい存在を、悲しませる守護者。そんなやつは守護者失格である。
という訳でうちのお兄さんたちは失格者ばかりです。ラッセルといい、武蔵といい、星刻といい。大事な相手だから悲しませたくないから、だから都合の悪い事は隠してしまって、挙句に自分で自身の鎖で縛られて動けなくなる。
そんな事をしたら、大事な人がもっと泣くのをちっとも考えてない。
それにしても、こんだけマイナーキャラだけのサイトも珍しいだろうなー。ギアスサーチから来た人はラッセルが誰か知らないでしょうし、まして武蔵は・・・。「お兄ちゃんをひとりぼっちにしないでくれー」これがうちの最高萌えセリフです。
遅咲きの桃の花びらを淡い肩衣にまとわせて、天子は星刻に走り戻る。
桃華園を散歩していた人々は、あまり見かけないこの2人を最初は若すぎる父と愛娘と見た。一瞬たりとも視線を離さず愛しげに見つめる姿が親子に見えた。しかし、青年の視線のあまりの強さに気がついたとき認識は幼な妻と嫉妬深い夫に変わった。さらに青年のもとに書け戻る少女が余りに推さなく純真なことに気がついて、先の2つの認識を否定したが、さりとてそれに代わる認識がなかった。もし、日本人がいれば一瞬で解答しただろう。あれは若紫を見つけた源氏であると。
「シンクー」
呼ぶ声にすべての感情がこもる。春の喜び。ようやくかなった約束。ただ純粋に慕ってくる天子の心。
「天子様」
呼ぶ声、答える声が金色の春の光に融ける。今日、あの幼い日の約束は成し遂げられた。
だから、これからは新しい日々が。
新しい時間があると天子は信じていた。この人と共にと。
星刻は知っていた。彼女には新しい時間があると。その彼女の時間に自分はいないと。
一番大切で守りたい存在を、悲しませる守護者。そんなやつは守護者失格である。
という訳でうちのお兄さんたちは失格者ばかりです。ラッセルといい、武蔵といい、星刻といい。大事な相手だから悲しませたくないから、だから都合の悪い事は隠してしまって、挙句に自分で自身の鎖で縛られて動けなくなる。
そんな事をしたら、大事な人がもっと泣くのをちっとも考えてない。
それにしても、こんだけマイナーキャラだけのサイトも珍しいだろうなー。ギアスサーチから来た人はラッセルが誰か知らないでしょうし、まして武蔵は・・・。「お兄ちゃんをひとりぼっちにしないでくれー」これがうちの最高萌えセリフです。