失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「愛の哀しみ Nothing Compares 2 U」 シンニード・オコナー 1990年

2016-05-13 | 殿下系
Sinéad O'Connor "Nothing Compares 2 U" 1990

Nothing Compares 2 U語り。

The Familyのアルバム『The Family』(1985)に収録された美しいバラード作品。

ザ・ファミリーとは、プリンスが作りすぎた曲を発表するためにでっち上げた(は少し言い過ぎかもしれないがだいたい合ってる)バンド。しかし、バンド名もはうちょっと何とかならなかったか。ジャケに写る美形の男女はSt. PaulとSusannah Melvoin。スザンナは当時プリンスの恋人で、「Nothing Compares 2 U」はスザンナについての歌らしい。で、プリンスのモノマネのように歌っているのはSt. Paulなんだよね?そしてスザンナのコーラスは、さすがにウェンディ(双子の姉妹)そっくり。


そんな隠れた名曲を発掘カヴァーしたのがシンニード・オコナー(現シネイド・オコナー)。2回目の登場。

①Nothing Compares 2 U 愛の哀しみ
(Prince)
プリンスの追悼メッセージとして何度も引用されたタイトル。シンニードの語尾で少し裏返るヴォーカルが切なさを際立たせる。終盤、感情がコントロールしきれなくなったような声に何度聴いてもグッときてしまう。どう考えてもオリジナルより優れた名唱。米英をはじめ各国チャートでNo.1を獲得し、シンニード最大のヒットとなった。

②Jump in the river ジャンプ・イン・ザ・リバー
(O'Connor/Pirroni)
一転、ぶっきらぼうなギターサウンドをバックに淡々とした歌を聴かせる。

定価930円、中古で100円。
青い目の美人さんがスキンヘッドで歌うインパクト。


シンニード版の大ヒットを受け、プリンス自身も「そういや俺こんな曲作ったっけ」と思い出した。ライブのレパートリーとして歌われるようになり、正規リリースCD音源として2ヴァージョンを残した。

ひとつは画像左下の3枚組ベスト『HITS/B-SIDES』(1998)に収録されたライヴ・ヴァージョン。ロージー・ゲインズとのデュエットと言っていい内容。

もうひとつもライヴ。2002年の3枚組ライヴ盤『One Nite Alone...Live!』(画像右上の縦長ボックス)。歌い出しから観客の盛り上がりが半端ない。途中観客に歌わせたり、大人気曲であることが確認できる。キャンディ・ダルファーのサックスをフィーチャー。


日本の女性シンガーふたりがカヴァーしている。

下段中央、ACO「愛したあなたは強い人」(1999)
下段左、矢井田瞳「my sweet darlin'」(2000)

ふたりともマキシシングルのカップリングで「Nothing Compares 2 U」。ふたつとも英語のまま歌ってる、それほど意外性はない素直なカヴァー。

印象的な冒頭の歌詞「It's been seven hours + fifteen days」が、矢井田盤では「3 hours and 16 days」と微妙に変更されている。オリジナルから20時間たった設定にしたのはどんな意味があるのだろう?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アイ・ウィッシュ・ユー・... | トップ | 「バットダンス」 「スキャン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

殿下系」カテゴリの最新記事