失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「イッツ・ア・ファイン・デイ」 オーパスⅢ 1992年

2010-05-14 | 
「これが噂のハイキング・オリエンテッド・ソング。キュートのマシンガン“カースティー”デビュー!!」ってノリノリのコピーが、それほど滑稽ではない程度に世界的ヒットになった一発屋さん。ウィスパースタイルの女性ヴォーカルとハウス・サウンドっていかにもなオシャレ系だけど、アルバムでクリムゾン・カヴァー「I Talk To The Wind」をサラッとやってて、結構商売にも目配りが効いてた。私もクリムゾン入りかぁ、と当時アルバム買ったような記憶がある。今は見あたらないってことは、売っちゃったんだな。

①イッツ・ア・ファイン・デイ IT'S A FINE DAY
(Barton)
オリジナルはJane。1983年にチェリー・レッド・レコーズからリリースされ、UKインディーチャートでヒットした。日本では松坂慶子が出演したクリネックスのCMに使用され、なぜか呪い系都市伝説化して有名になった。そう言われると単調なメロは、牧歌的でありながらどこか呪術的な雰囲気も。
アカペラ曲がのちにダンスアレンジでカヴァーされヒットした例としては「トムズ・ダイナー」(1990)があった。オーパスⅢはこれをヒントにしたのかも。クールなハウスサウンドの上で浮遊するウィスパーヴォイス。「クラブミュージック」と聞いて想像される密室性は希薄で、妙に突き抜けた爽快感がある。そんな印象を持つのは、スキンヘッドに謎頭飾りの女性ヴォーカリスト Kirsty Hawkshawが、青空バックに全身黒タイツでクネクネタコ踊りを繰り広げるPVの影響も大か。
あと、潮音さんがインディーズ・デビュー・アルバム『タイド&エコー』(2002)でほぼオリジナルどおりアカペラでカヴァーしてる。

②エヴォリューション・ラッシュ EVOLUTION RUSH
(Opus III)
こちらはメロディがはっきりしない、よりダンス機能を重視したハウス。

定価900円、中古で100円。
草の陰になってジャケでは分かりにくいが、スキンヘッドの妖精風カースティー嬢。「森にいそうだね」と言われたかどうかは知らないが。


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2 コメント

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Unknown (yoiko)
2010-05-16 21:30:58
>呪い系都市伝説化して有名になった
あった!あんなネットが普及してない時代で超田舎の片隅にもこの噂、行き届いていたんだなあ、今思えば。これなのかあ。

>クリムゾン・カヴァー「I Talk To The Wind」を
えーー、ほんとですか。

>「森にいそうだね」と
森ガール…(笑)。
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Unknown (nakamura8cm)
2010-05-16 23:39:05
松坂慶子には「中年太り」と「演技が上達しない」呪いがかかったとか…

もうチェックしたかもしれないけど。
http://www.youtube.com/watch?v=LN1TX0Eobig

じつはあたためていた「森ガール」ネタ。
レシーブありがとうございます。
さあ、カメラ片手にカフェ巡りでもしてくるか!
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