失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「雨にぬれても/ロックン・ロール・ララバイ」 B. J. トーマス 1969/1972年

2009-06-20 | 
どうしたってB. J. トーマス最大のヒット曲「雨にぬれても」。そしてカップリングが超名曲!

カントリーとR&Bの融合、さらにゴスペル風味も併せ持つアメリカ南部出身の白人シンガー、ビリー・ジョー・トーマス。キリンのタイアップで1995年にリリースされた8㎝を。

①Raindrops Keep Fallin' On My Head 雨にぬれても キリン 太陽と風のビールCF-SONG
(Bacharach/David)
映画「明日に向かって撃て!」主題歌としてアカデミー賞を受賞し、ビルボードNo.1も獲得したBJ最大のヒット曲。バート・バカラック/ハル・デイヴィッドの代表作のひとつでもある。バカラックの名前を聞いて、多くの人が思い浮かべる軽やかなメロディと、軽快なトランペットが鳴るアレンジが聴ける。このタイトルで、こんな軽快でいいのか?と心配になるくらい。日本の梅雨のような湿度の高いイメージではなく、カラッとした西海岸の天気雨って感じ。そんな明るいムードだから思いっきり雨の歌なのに「太陽と風のビール」のCF曲に使われたんだな。YouTubeで鶴田真由(ピチピチ)が出てたCF見た。そういえばこんなのあったなーとちょい懐かしい14年前。

②Rock And Roll Lullaby ロックン・ロール・ララバイ
(Mann/Weil)
はじめて聴いたのは山下達郎のサウンド・ストリート「BJトーマス特集」。1986年の2月だった。達郎が「ロック史上に燦然と輝くスタンダードナンバー」と紹介したのがこの曲。メロウなアレンジ、スィートなメロディライン、印象的なコーラス、そしてBJの慈悲深いお声。すべてが完璧としか言いようがない。アルバム『BILLY JOE THOMAS』のライナーによると、ブライアン・ウィルソンがコーラスで参加の予定だったが、いざという時になって雲隠れしてしまい「それ風」のコーラスをブライアンなしで作ったようだ。まあ72年のブライアンなら仕方ないでしょ。そんな微笑ましい(?)伝説もこのド名曲に花を添える。どうでもいいけどこの短冊には(Bacharach & Davidの名前は表ジャケにアーティスト名と同じ級数で表記されているのに)「Barry Mann & Cynthia Weil」のクレジットがどこを探しても見当たらないのがけしからん!

定価1000円、レンタル落ち50円。
バカラック・ミュージックの表現者として、ディオンヌ・ワーウィックとともにバカラック本人に評価されていたらしい。達郎はバカラックより、バリー・マン作品の歌い手としてのBJにこそ価値がある、と評していた。
それでも達郎の一押しはバリー・マン作品ではなく「マイティ・クラウズ・オブ・ジョイ」というゴスペルフィーリングあふれるナンバーだった。これまた大迫力の超名曲で、困ります。

小ネタとしてはシュガー・ベイブ唯一のアルバム『SONGS』(1975)は、BJトーマスの同名アルバム(1973)からタイトルを拝借したんだって。



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2 コメント

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名曲カップリング (都市色)
2009-06-22 10:34:10
こんにちは。
どちらも好きです。
バカラックがBJに書いた曲では「everybody's out of town」も好きです。
日本ではバリー マンの知名度は圧倒的にバカラックやキャロル キングに劣りますね。
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ネタは (nakamura8cm)
2009-06-23 00:08:20
ちょっと前に都市色さんが書いていた記事とカブりまくってますが、そのへんは笑って見逃してください(笑)
レインソングといえばちょうど一年前、元春の「Rain Girl」の記事を書いていて、都市色さんのブログを発見したことを思い出しました。
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