失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「KOREA」 少女隊 1988年

2011-05-29 | アイドル系
少女隊 are; 藍田美豊、安原麗子、引田智子

少女隊の15thシングル。

①KOREA (JAPANESE VERSION)  
作詞・作曲:Leslie Mandoki/Laszlo Bencker、日本語詞:Masami Kobayashi、編曲:D.Crew
オリジナルはLeslie Mandoki & Eva Sun、1988年。のちのコムロサウンドへ影響を与えたっぽい、ジャカジャカ感が今となっては郷愁を誘う。西洋人の考えるアジアンテイストを感じさせる湿っぽいメロディは、歌謡曲にフィットする親しみやすがある。少女隊ヴァージョンはややテンポを上げて、オリジナルよりタイトな印象。ソウルオリンピック開催を漠然と盛り上げる抽象的でポジティブな歌詞を、透明感のある声で一生懸命歌う一心同体少女隊。間奏はなぜか「ファイナル・カウントダウン」似。
TV番組での歌唱がいくつかアップされているが、衣装がジャケと同じものをご紹介。

②KOREA (ENGLISH EXTENDED VERSION)
作詞・作曲:Leslie Mandoki/Laszlo Bencker、編曲:D.Crew
オリジナル英語詞で。①は3分50秒で、こちらは4分30秒のロングヴァージョン。ん~英語はあんまり得意じゃなかったか。一生懸命感が①より強くて、ちょっと苦しい。

定価1000円、レンタル落ち200円。
スポーティーな黒のタンクトップの胸に書かれた文字はハングル。読めないけど、きっと「少女隊」って書いてあるんだと思う。

このシングルはソウルオリンピックに合わせてリリースされたわけだが、少女隊はいきなり韓国に寄っていったわけではない。グループ活動初期からのアジア進出戦略の一環として、1986年当時としては異例の韓国での演奏を行っている。今では考えられないが、80年代には日本と韓国の間に超え難い文化的な壁があった。その雰囲気の一端はYMO「京城音楽 SEOUL MUSIC」(1981)で窺うことができる。1988年、この「KOREA」が韓国で大ヒット。日本語の曲が禁止されていた韓国で、戦後初めて日本語曲を放送で披露したのは少女隊だったのだ。ものすごく大雑把に言って、その後、BoAがいて、冬ソナがあって、今日のK-POPの隆盛に至る。そう、現在K-POPの最高峰に君臨する「少女時代」は、20年以上前に日韓の音楽的交流の第一歩を踏み出した少女隊へのリスペクトからネーミングされたのだ。

…って最後の一文は今作った。すみません。
でも、世代的に少女時代のプロデューサー陣が、80年代に少女隊を見て有形無形の影響を受けている可能性は十分あるんじゃないかな。えらくスケールアップしちゃってはいるが。


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