失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」スティング 1987年

2005-10-24 | 
80年代といえば、やはりこの人もハズせない。

元国語教師にしてザ・ポリスの歌うベーシスト・スティングのソロデビュー作「ブルータートルの夢」(1985)からの2曲に、2作目「Nothing Like The Sun」(1987)から1曲を加えた構成。これも8cm誕生の年、1988年だからこそ成立した中途半端なコンピ。

①(If You Love Somebody) Set Them Free
Stingの声を最初に聴いたのは、ポリスの大ヒット曲「見つめていたい」だった。間もなくポリスは解散し、85年にスティングのソロ第一作が発表された。当時はえらく大人に感じたジャズロック。見た目は知的かつワイルド、メディアへの露出も派手で、人気出て当然って雰囲気だった。ポリスの革新性に比べると、ソロの評価は今ひとつなのかもしれないが、なかなか優れたグルーヴを聴かせる気合の入った曲だと思う。でもやっぱコントロールされ過ぎてるかな…

②Russians
東西冷戦時代を背景に「ロシア人も自分の子供はかわいいだろ?」と情に訴えてみせる。いったい誰に対して訴えかけているのか意味不明。葬送行進曲を思わせる重たいシンセのみのバッキングは、当時の西洋人が抱くロシアのイメージそのものなのだろう。こういう底の浅そうなポリティカル・メッセージを聴かされると冷める。そういえばプリンスにも「Ronnie, Talk To Russia」というイタい曲があったな…まあ、こっちはまだ呼びかけの対象(=ロン)がはっきりしてるだけいいか。

③Englishman In New York
これのみセカンド「Nothing Like The Sun」から。このアルバムはよく聴いたな。87年モノでは「サイン・オブ・ザ・タイムズ」の次によく聴いた。これは名曲でしょう。サックスソロの後の、ドラムパートがちょっとウルサイな、といつも思うのだが。この曲のクリップは雪のNYをスティングが淡々と歩いてる、というモノだった。それだけなのに、やたらカッコよかった記憶がある(悔しいけど殿下よりも)。私にとっては、冬の河合塾の空気を思い出させてくれる、大切な一曲。

定価不明(切り取られていた)、中古で52円。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ミス・ユー・マッチ」 ジャ... | トップ | 「LOLLY LOLLY」 Wendy & Lis... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2005-10-24 21:00:33
うおーーっ、スティングー!!\(◎o◎)/!



>8cm誕生の年、1988年だからこそ成立した中途半端なコンピ

なるほどー。8cmCDの奥の深さを知りました。そもそも8cmCDが出た頃、これをどう扱ってよいのか悩んだものでした。折るのがよいのか、はたまた短冊のようにしとくべきなのか。結局プラケースの中に入れてましたけど。



私もスティングを初めて聴いたのはポリス「見つめていたい」でした。ソロになって何てカッコよい人なんだろーとしみじみ。友人に至ってはスティングの愛人になりたがってたほど(←バカ)。確かに「Englishman In New York」のクリップは素敵だったけど私は殿下の方が好きだったわよ~ん(笑)。ウェンディ&リサもなにげに大好きだったし。
返信する
Unknown (nakamura8cm)
2005-10-24 22:39:40
愛人ねえ…私も愛人になるんだったら殿下よりもStingかも。

…って何言ってるんだ?(笑)



>ウェンディ&リサ

うわっ!完全に読まれてる!

次回、予告先発ってことで(笑)



返信する

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事