失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「風来坊」 THE真心ブラザーズ 1993年

2008-07-05 | 黄魔術系
はっぴいえんどって、カヴァーしちゃいけないんでしょ。

それでもやっちゃうんだな。チャレンジしたくなるんだな。

そんな「風来坊」カヴァーみっつ。

作詞・作曲:細野晴臣

オリジナルは、はっぴいえんどの3rdにしてラストアルバム『HAPPY END』(1973)の冒頭に収録されている。編曲は特にクレジットないけど、もちろんはっぴえんど。ブラスアレンジはKirby Johnson。明らかに言葉遊び的な歌詞と、あんまり深く考え込まずに作ったっぽい曲。セカンドまでの「はっぴいえんど」色は薄く(それは松本隆の詞でないことが大きいか)、細野ソロに近い感触。「無風状態」とともに、その後のトロピカル路線への布石とも取れる。

前回のTHE真心ブラザーズ「マスカットココナツバナナメロン」のカップリング曲。

②風来坊
編曲:THE真心ブラザーズ
トリビュートアルバム『はっぴいえんどに捧ぐ』(1993)収録曲。歌っているのは桜井さん。実質ソロプロジェクトなのかな?とにかく細野さんのトロピカル三部作からの引用の嵐。いちいちどれが何とは書かないが、よくもまあこれだけはめ込んだな、という印象。パズル的に楽しみながら作ったんだろうね。面白いといえば面白いんだけど、ちょっとガチャガチャしすぎか。これぞ、トリビュート!と言えなくもない。最後は「はらいそ」のラストに入ってる足音(台詞なし)。

今回は裏ジャケ。前回書くの忘れたが、Ki/oon Sony Music Catalog Vol.5が付いた2枚組みだった。司会進行は五島良子。最初篠原ともえかと思ったよ。ゴシちゃん、こんなグズグズなしゃべりなのかあ…歌声からは想像つかんな。このギャップは中島みゆき並み。


そしてちょうど10年前の森高のアルバム。

左下『今年の夏はモア★ベター』(1998)は細野晴臣プロデュース。5曲目が「風来坊」で、もちろん編曲は細野さん。森高は歌とドラム、あとはすべて細野さん(コーラス&デュエット・ヴォーカルも!)という、ほとんどセルフカヴァーといってもいい作品だ。どことなくビーチボーイズ・テイストのゴージャスなアレンジ。オリジナルよりも大幅にポップ度が増している。振り返ってみるとこのアルバムは、細野さんが歌モノへの興味を復活させた一因になったんじゃないかな。

関連細野&森高
ミラクルライト
七夕の夜、君に逢いたい


そして2005年、湯川潮音が「風来坊」を。

右下、『リンダリンダリンダOST』。映画のサントラで、潮音さんが歌う。何度も書いているが、今私が最もライブに足を運んでいるアーティスト。今週発売されたニューアルバム『灰色とわたし』も絶好調!そんなこんなで夢中になっている潮音さんに冷静なコメントは無理。来週の明日館も行くよっ!
劇中では、“屋上マンガ喫茶やってる先輩”山崎優子(me-ism)のアコギをバックに歌っていた。この曲の演奏中に、ずぶ濡れのぺ・ドゥナや香椎由宇がようやく到着する、というシーン。「風来坊」は潮音さんが監督に「歌いたい」と言ったらしい。サントラ収録ヴァージョンの編曲は伊藤ゴロー。あらためて聴いてみたら、このCDの歌は、そんな上手くないな。ちょっと声に頼りすぎてる感じ。いや、今の潮音さんに比べたら、ね。たった3年前とは思えないほど、歌い手さんとして伸びまくってるから。


世界一細野カヴァーを録音しているアーティスト、矢野顕子の盤がないのは意外だった。矢野さんの「風来坊」、聴いたことあると思ったのは錯覚だったか。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「マスカット ココナッツ バ... | トップ | 「サマーヌード」 1995年、「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

黄魔術系」カテゴリの最新記事