「マスカット ココナッツ バナナ メロン」 THE真心ブラザーズ＆サリー・ピープルス 1993年

ムーンライダーズの「赤いアルバム」に入っている、フルーツ系エロソング。

作詞：鈴木慶一、作曲：岡田徹

オリジナルは『MOONRIDERS』(1977)。ライダーズのセカンドと考えるか、『火の玉ボーイ』を慶一ソロとして、ファーストと看做すかは、まあどっちでもいいか。白井良明が参加していない唯一のアルバム。ちなみに本家の「マスカットココナッツバナナメロン」は、シングルカットされていない。編曲はムーンライダーズ。鈴木慶一にしては捻くれ度低めのライト・エロな歌詞と、岡田徹によるおよそロックバンドらしからぬポップ過ぎる曲との組み合わせ。もともとアイドル向けと言われても納得してしまいそうな作品だな。もしかしてアグネス・チャン用だった？

THE真心ブラザーズ＆サリー・ピープルス(1993）
野宮真貴、金津ヒロシ (2001)
林未紀 (2007)

8cmが真心。

①マスカット ココナッツ バナナ メロン　ABC“巨泉の使えない英語”エンディングテーマ
編曲：山岡広司・竹田雅一・ムーンライダーズ
バックトラックは同じく93年の、再生YMOみたいな音。ムーンライダーズも編曲に参加って、どの程度関わっていたのだろうか。サンプリング元としてのクレジットではなさそうだけど。１番を倉持さん、２番を桜井さんが歌う。サリー・ピープルスというお嬢さんのことはよく知らないけど、「巨泉の使えない英語」でアシスタントをやっていたようだ。おそらく英語のネイティブ・スピーカーで、巨泉にいろいろ教えてあげてたんだろう。で、このCDでのサリーさんは、コーラス＆英語の語り担当。タイトルが繰り返されるコーラス、オリジナルを含めた他の３ヴァージョンが「バナナ」を平板に発音しているのに対して、サリー監修のこのヴァージョンでは「バナーナ」と第二音節にアクセントが置かれている（それに伴い符割りも微妙にズレる）。ネイティブには日本語的発音が許せなかったんだろうね。英語番組のテーマ曲だってこともあるし。

②は都合により、次回へ。

③①のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち105円。
真心オフィシャルのDiscographyからは抹殺されている（？）一枚。もちろん廃盤だし、アルバム収録もないようだ。サリーさんと仲良く肩を組む笑顔の桜井さん。左側に亡霊のように浮かぶ白黒反転のサングラス男は倉持さんなのか？何でこんな扱い！？

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スピード
BABY BABY BABY


その下、緑と橙のジャケがムーンライダーズ25周年に合わせてリリースされたトリビュートアルバム『MoonBossa』(2001)。
その一曲目が野宮真貴＋金津ヒロシによる「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」であった。金津ヒロシはアルバム全体のプロデューサーでもある。タイトルのわりにボサでない曲も多い。この一曲目からして、ボサになるのは2番から。イージーリスニング的トラックにのせ、野宮嬢の抑えた色気が光る。サビの最後「ハレツしそう」の６文字をあえて歌わないことで、エロ度アップ。トリビュート盤の常として、素敵な曲はあんまり多くないが、ベストトラックはどう見ても直枝政広「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」（非ボサ）でしょ。


右、思わず広げてしまったグラビア系ジャケットは林未紀のデビューマキシシングル「アイドルになりたい。」(2007)。小西康陽プロデュース。
カップリングが小西康陽編曲の「マスカットココナッツバナナメロン」。30年前の曲をカヴァー。たいして期待せずに聴いてみたら、意外とよかった。ここまで下世話な雰囲気でやってくれたら、それも正解！木琴系の音がリズムを刻み、ところどころ入るパーカッションが緩～い南国気分を演出。「君の瞳に恋してる」のサビ前フレーズなんかも適当に入れてみた感あり。18歳のミキPONは相当音域が狭いみたいで、サビの高音を出すためにえらく低いところから出発するなあ、という印象。無理して低音を出してるAメロがよいです。この娘はファーストシングルのみで消えていくのかなあ…ウエスト53cmかあ。


カヴァーが三つも存在するのは、ライダーズ曲で最多かな？うち2枚はシングルだし。