失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記」 久保田麻琴 2006年

2009-10-02 | 8cm論
久保田麻琴の本の付録が8㎝。新書サイズだと12㎝ははみ出しちゃうから。

「世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記」と題された岩波新書の一冊。
ブラジル、モロッコ、シンガポールの音を訪ねる第Ⅰ部と、田中勝彦による久保田麻琴インタビューの第Ⅱ部、それぞれだいたい100ページずつで構成されている。2006年てことは、もうこのブログはじめてたな。発売時は気づいてなかった。

後半のインタビューで、先日紹介したチャンプルーDKIの話が出てきた。「ダンドゥットっていう、インドネシアの代表的な大衆音楽がやや死にかけていた」時期にシンガーからオーディションをし、ミュージシャンも一から選んだ「ヒップホップ、レゲエ、ファンク、ディスコのスタイルを混ぜ合わせた新世代ダンドゥットのヴォーカル・ユニット」だそう。

女性歌手はへティ・スンジャ(やっぱり歌うんだ)、男性はファミ・シャープ。ファミはスティービー・ワンダーのまねが得意だとか(オーディションで歌ったのか?)。

8㎝CDは3トラックで「GNAWA ALCHEMY」3種のミックスが収められている。
グナワ(GNAWA)とは、モロッコのイスラム神秘主義教団のトランス(憑依)宗教音楽のこと。ルーツはアフリカにあるらしい。

ミュージシャン・クレジットを先に。
久保田麻琴:12 strings guitar, Gibson EG, CD scratch, rhythm programming etc.
Youssef Zandrouki: Genburi
Madi Digital: Tabla(Gendang)
Abd Rahime Botzarte, Khalid Amarhouch, Hammid Bakkich: Karkabe & Chorus

作曲:久保田麻琴

①Less is More mix
「シンプルなアンプラグドミックス」と解説しているが、もともと生楽器ばかりなのでことさら“アンプラグド”というほどではないかも。
演奏の中心となるのは「ゲンブリ」という弦楽器。どちらかというとベースに近い機能を担うゲンブリに、パーカッション(タブラ&カルカベ)のグルーヴが絡んでいく。これがグナワなら、久保田氏が指摘しているように、かなりサンバに近い印象を持つ。

②Full Moon mix
ジャム・セッション風の、約8分あるロング・ヴァージョン。後半エレキがでてくる。

③Skeleton mix
ボーナス・ビート的なリズム中心のミックス。

定価940円、Amazonで341円。
こんな感じで、裏表紙を一枚めくったところにシールドされていた8㎝。収納したままだと、たいへん読みづらい。





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