失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「強い気持ち・強い愛 / それはちょっと」 小沢健二 1995年

2006-08-25 | KO系
小沢シングルを1~2枚ずつ忘れた頃に紹介していくシリーズ。

1995年は、元旦の「カローラⅡにのって」から始まり、なんと一年間で6枚の8cmシングルをリリースしていた小沢。倖田來未には負けるが、アイドル並みのペースだな。これは2月28日発売の7thシングル。

ジャケに「小沢健二=筒美京平ソングブック」と書かれているとおり、小沢が歌謡界の大御所と組んだ企画モノである。

①強い気持ち・強い愛
作詞:小沢健二、作曲:筒美京平、編曲:小沢健二・筒美京平
笑っちゃうほど流麗なストリングスに導かれ、いい意味でイタい小沢のハジケ声が溢れ出す。私の世代にはどうにも郷愁を誘う筒美メロディと、天才的なキレを見せていた小沢の詞との完璧なマッチング。歌謡曲にしてはファンキー度の高いバッキング、かと言ってサルソウルというには音のバランスが日本のチャート向けの作りになってる感じ。

②それはちょっと
作詞:小沢健二、作曲:筒美京平、編曲:小沢健二・筒美京平
矢野顕子の超名曲「ひとつだけ」を裏返したようなAメロ。サビでは結婚をせまる女の子に「やめときなって/きっと僕は死ぬまでずっとワガママだから」とかわす。普通に聴くと「何様!?」と怒りを買いそうな詞なのだが、3番の「一瞬の夢を見る」に続くサビで、「関白宣言」もびっくりの、短いフレーズで人生を俯瞰する小沢マジックが味わえる。もちろん筒美氏の曲もドリーミーで最高。

定価1000円、中古で100円。
長らくアルバム未収録であったが、2003年に2曲ともコンピレーション盤「刹那」に収録された。でも中古市場では「刹那」が出る前からレア度は低く、安値で流通していたような気がする。それだけ売れたってことだろう。

世代的には幼い頃に「また逢う日まで」や「サザエさん」で初期化され、思春期に中山美穂やKYON2のヒット曲で慣らされた筒美メロディ。95年当時は再評価的な世間の空気だったような気もするが、別に当時も隠居していた訳じゃない。全盛期のようにヒット曲量産というわけではないにしても、この2曲のクオリティはさすが。


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3 コメント

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Unknown (k-hiko)
2006-08-29 09:48:06
"強い気持ち・強い愛"は小沢気取りでいた90年代初頭、カラオケの十八番でした。

今ではどうして、そんなに変わってしまったの?という質問に誰も答えられません。

蜃気楼のような町で女性2人に声をかけられて、ドギマギしてしまった私。今では、2人の期待を越えられるようなプレイをする自信があるんですけど。
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Unknown (nakamura8cm)
2006-08-29 13:26:27
短編小説のような趣きのあるコメントありがとうございます(笑)

もう10年以上も前なわけですから、そりゃ変わります。

時代も小沢も、そして我々も。

最後の2行は難易度高いですねえ…ツッコミを放棄します(笑)
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リミックス (CFB48)
2016-03-24 22:09:05
「京平デイスコナイト」というCDにAKKAGEさんによるリミックスが収録されてます。
オープニングは声をめちゃくちゃにしてから元のオーケストラを生かし小沢のボーカルは元を生かしてます。間奏は掛け合いを無くし演奏のみです。TSUTAYAでレンタル可能です。あとでんぱ組もカバーしてます。
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