失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ばら色の人生」 美空ひばり 1955年

2010-04-27 | 
ビールのCMに使用され、1993年に8㎝化。和モノでは今までで最古の録音か。

①ばら色の人生 La Vie En Rose  ヱビスビールCMソング
作詞:E. Piaf、作曲:Louiguy、日本語詞:藤浦洸、英語詞:Mark David、編曲:馬渡誠一
1955年=昭和30年、美空ひばり17歳の録音。えっ、これで17歳!?と誰もが耳を疑うであろう完成された歌唱。特徴的なコブシも、すでに自分のものにしているが、のちの作品ほどクドくないので聴きやすい。高音域で線が細く感じるのは、ひばりの若さというよりはこの時代の録音の特徴のような気がする。これはこれで味のあるモノラルらしい音なんだよなあ。アナログで、いやできれば蓄音器で聴くべきなのかもしれない。
オリジナルはエディット・ピアフ(1946)。もちろんピアフは仏語で歌った。マーク・デビッドによる英語詞も有名で、多くのアーティストにカヴァーされているスタンダード。ひばりは1番を文語調の日本語詞で、2番を英語詞で歌っている。

②スターダスト Stardust
作詞:M. Parish、作曲:H. Carmichael、編曲:山屋清
「スターダスト」はモノラル時代の1953年にも録音があるが、これは1965年のステレオ録音。①から10年の時が流れているわけだ。まだ28歳とはいえ、もう堂々たる女王の貫録。もう誰にも文句は言わせない、といった迫力が隅々まで漲っている。どっちが好きかと言われれば、私は17歳の①のほうだけど、この過剰なまでの完成度は認めざるを得ない。
オリジナルはホーギー・カーマイケル(1927)。こちらも超スタンダード。歌い手としての代表は、やっぱりナット・キング・コールか。ひばりヴァージョンもナット・キング・コールのアレンジを下敷きにしているようだ。イントロのスペイシーなストリングスとかね。ひばりのオフィシャルサイトにいくと、この曲が扉のBGMになっている。外国からのお客様に対するあいさつかな?それにしてはサイトにEnglish Versionがないけど。Discographyは、もうちょっとがんばってほしい。国民的シンガーなんだから…

定価1000円、中古で100円。
薔薇と真珠のネックレスをあしらったジャケ。花シリーズとしてはストレートで悪くないけど、ちょっとイージーにも見える。


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