青森県立郷土館妖怪展関連資料「稲生物怪録」(説明文入版)
昨日見てきた郷土館の妖怪展に関連して郷土館がYOUTUBEにチャンネルを持っていて、なおかつ館内で放送していた「稲生物怪録」が公開されていたのでご紹介。
「稲生物怪録」(いのうもののけろく 弘前市立博物館蔵)があります。これは、平田篤胤による文化8年(1811)の「稲生物怪録」を、安政6年(1859)に今村真種が写しを入手し、明治3年(1870)、友人である平尾魯仙に依頼して原書の意をそのままに、画を書き足してもらい、さらに今村真種が文章を書き入れるなどして、明治18年(1885)に完成したものです。
「稲生物怪録」は、備後三次藩(現広島県三次市)の藩士稲生武太夫(幼名 平太郎)が、寛延2年(1749)、16歳の夏7月の30日間、様々な怪異や化け物に襲われたとの体験談をもとにしています。武太夫が60歳のころ、広島藩の養寿大夫人の前で語った体験談を絵入りで記録して作成したもので、近世後期の国学者平田篤胤が注目したことで、全国各地に写本が広まりました。
ということだそうだが、詳しい内容は郷土館ブログのこちらやこちらを参照して下さい。
そういや荒俣宏の帝都幻談という本で平田篤胤は遠山の金さんなんかと一緒に魔人加藤やら稲生武太夫(平太郎)と戦っちゃってたな。
内容
1.梅雨の日に暇を持て余し、二人は百物語をはじめた。
怪談っぽい入りだがこの片割れ、実はこの後一切出てこないし百物語ですらない。
2.行きがかり上、平太郎が比熊山に登ることになった。
どんな行きがかりがあったかはさっぱり不明だ。
3.大きな眼が明滅し、巨大な手が平太郎を掴もうとする。
最初は平太郎もさすがは主人公、やる気がありあまっている。
4.何もしないのに畳が飛び交い、訪問客を怖がらせる。
が次の瞬間にはやる気が無くなったのか、あまり動じなくなってくる。
5.刀が飛び上がり、客の服の片袖を切ってしまった。
客はたまったものではない、そろそろ平太郎もいらついてくる。
6.何か白いものが飛んできて、二人の間に落ちた。
もはや驚いてるのは客だけだ。
7.すりこぎが手の形になり、平太郎に迫ってくる。
基本動じない。
8.畳が跳ね上がったので、訪問客は走り回った。
被害を被るのはまたしても客である。それにしても客が多い家だ。
9.灯火が段々と大きくなり、天井を焦がした。
ちょっとは慌てろ。
10.縁石を外して歩き、縁側に足跡を残した。
主語が無いので「なにが?」って思ってしまう。
11.何か黒いものが草むらから飛び出してきて、使い走りの首を絞めた。
平太郎のリアクションが薄いせいか周囲の人間が被害を被る。
12.仏壇の扉がひとりでに開き、置台が空中をゆっくりと行く。
反応は相変わらず薄い。
13.置き台が跳ね、香炉が飛び、桶が大きな音を出して、三人を驚かせる。
驚いているのはやはり客だけ。
14.目や口のある丸い輪が、庭の中を転げ回る。
客はびびっているのか刀に手をやっているが平太郎は相変わらず。
15.家の中の道具や台所用品などが飛び回る。
興味なさすぎだ。
16.怪しげなる手が伸びたり縮んだりするので、召し使いが走り回る。
平太郎追い払う気なし。客もそうだが召し使いも悲惨だ。
17.おどろおどろしい首が現れ、平太郎を悩ませる。
たまにはやる気を出す平太郎。
18.天井が下がってきて、平太郎をからめとる。
とてもシュールな絵面だ。まるで3Dの処理に失敗したゲームのよう。
19.生首が客間を乱舞し、平太郎に迫ってくる。
これは相当ウザい。
20.怪しい客が自ら切腹し、平太郎を驚かせる。
これは驚く。現代なら「ちょwおまwww」といった感じだろうか。
21.桶が客間に転がってきたので、客は恐れおののく。
それにしてもリアクションが良い客に恵まれている。
22.台所から火が出て、平太郎を驚かせる。
ただの火事なので普通に消火活動をする。
23.柿の実が器に戻り、大臼が甕の前に落ちてきた。
柿に気を取られて誰も臼に気づいてないのは気のせいか。
24.菱形の顔が怒ったり笑ったり、部屋の中を飛び回る。
平太郎やはりやる気無し。
25.縁の下の腐った死体を踏んでしまい、その肉が足裏に貼り付く。
これは驚く。もしかしたら20で切腹した奴の死体を片付け忘れていただけなのかもしれない。
26.暗い方から細い手が伸びてきて、客の背中を叩く。
2回目の登場か。客の受難は続く。なんとなくギャグ漫画日和を思い出す。
27.老婆の大きな頭が現れ、門の入り口を塞いだ。
17の奴の再登場かと思ったが歯が少ないのでお母さんか何かだろうか。
28.妖魔たちが井戸端に集まり、ひそひそと議論している。
井戸端会議。ネタの使いまわしがバレてきたからか。
これも全てはリアクションの薄い主人公のせいでろう。
29.部屋の中に大きな腕が入ってきて、平太郎を捕まえようとする。
いつも突然やる気を出す平太郎。残りページ数の都合とかではないだろうが。
30.妖怪の首領が姓名を名のり、平太郎と応接する。
普通に大きなお侍のようだが威圧感で大きく感じる大豪院邪鬼先輩と同じ理屈だろう。
31.いろりの中からミミズが這い出て、平太郎を困らせる。
ミミズに取り囲まれても困った程度の表情の平太郎と満面の笑みの首領。
それほど満足の行く成果だったのだろうか。
32.今回の災いの原因を述べ、妖怪の首領が退去していく。
と、ここで仕掛け人がネタばらし。
33.妖怪たちは去っていった。
平尾魯仙先生の次回作にご期待ください。
応援などしていただけると幸いです→
昨日見てきた郷土館の妖怪展に関連して郷土館がYOUTUBEにチャンネルを持っていて、なおかつ館内で放送していた「稲生物怪録」が公開されていたのでご紹介。
「稲生物怪録」(いのうもののけろく 弘前市立博物館蔵)があります。これは、平田篤胤による文化8年(1811)の「稲生物怪録」を、安政6年(1859)に今村真種が写しを入手し、明治3年(1870)、友人である平尾魯仙に依頼して原書の意をそのままに、画を書き足してもらい、さらに今村真種が文章を書き入れるなどして、明治18年(1885)に完成したものです。
「稲生物怪録」は、備後三次藩(現広島県三次市)の藩士稲生武太夫(幼名 平太郎)が、寛延2年(1749)、16歳の夏7月の30日間、様々な怪異や化け物に襲われたとの体験談をもとにしています。武太夫が60歳のころ、広島藩の養寿大夫人の前で語った体験談を絵入りで記録して作成したもので、近世後期の国学者平田篤胤が注目したことで、全国各地に写本が広まりました。
ということだそうだが、詳しい内容は郷土館ブログのこちらやこちらを参照して下さい。
そういや荒俣宏の帝都幻談という本で平田篤胤は遠山の金さんなんかと一緒に魔人加藤やら稲生武太夫(平太郎)と戦っちゃってたな。
内容
1.梅雨の日に暇を持て余し、二人は百物語をはじめた。
怪談っぽい入りだがこの片割れ、実はこの後一切出てこないし百物語ですらない。
2.行きがかり上、平太郎が比熊山に登ることになった。
どんな行きがかりがあったかはさっぱり不明だ。
3.大きな眼が明滅し、巨大な手が平太郎を掴もうとする。
最初は平太郎もさすがは主人公、やる気がありあまっている。
4.何もしないのに畳が飛び交い、訪問客を怖がらせる。
が次の瞬間にはやる気が無くなったのか、あまり動じなくなってくる。
5.刀が飛び上がり、客の服の片袖を切ってしまった。
客はたまったものではない、そろそろ平太郎もいらついてくる。
6.何か白いものが飛んできて、二人の間に落ちた。
もはや驚いてるのは客だけだ。
7.すりこぎが手の形になり、平太郎に迫ってくる。
基本動じない。
8.畳が跳ね上がったので、訪問客は走り回った。
被害を被るのはまたしても客である。それにしても客が多い家だ。
9.灯火が段々と大きくなり、天井を焦がした。
ちょっとは慌てろ。
10.縁石を外して歩き、縁側に足跡を残した。
主語が無いので「なにが?」って思ってしまう。
11.何か黒いものが草むらから飛び出してきて、使い走りの首を絞めた。
平太郎のリアクションが薄いせいか周囲の人間が被害を被る。
12.仏壇の扉がひとりでに開き、置台が空中をゆっくりと行く。
反応は相変わらず薄い。
13.置き台が跳ね、香炉が飛び、桶が大きな音を出して、三人を驚かせる。
驚いているのはやはり客だけ。
14.目や口のある丸い輪が、庭の中を転げ回る。
客はびびっているのか刀に手をやっているが平太郎は相変わらず。
15.家の中の道具や台所用品などが飛び回る。
興味なさすぎだ。
16.怪しげなる手が伸びたり縮んだりするので、召し使いが走り回る。
平太郎追い払う気なし。客もそうだが召し使いも悲惨だ。
17.おどろおどろしい首が現れ、平太郎を悩ませる。
たまにはやる気を出す平太郎。
18.天井が下がってきて、平太郎をからめとる。
とてもシュールな絵面だ。まるで3Dの処理に失敗したゲームのよう。
19.生首が客間を乱舞し、平太郎に迫ってくる。
これは相当ウザい。
20.怪しい客が自ら切腹し、平太郎を驚かせる。
これは驚く。現代なら「ちょwおまwww」といった感じだろうか。
21.桶が客間に転がってきたので、客は恐れおののく。
それにしてもリアクションが良い客に恵まれている。
22.台所から火が出て、平太郎を驚かせる。
ただの火事なので普通に消火活動をする。
23.柿の実が器に戻り、大臼が甕の前に落ちてきた。
柿に気を取られて誰も臼に気づいてないのは気のせいか。
24.菱形の顔が怒ったり笑ったり、部屋の中を飛び回る。
平太郎やはりやる気無し。
25.縁の下の腐った死体を踏んでしまい、その肉が足裏に貼り付く。
これは驚く。もしかしたら20で切腹した奴の死体を片付け忘れていただけなのかもしれない。
26.暗い方から細い手が伸びてきて、客の背中を叩く。
2回目の登場か。客の受難は続く。なんとなくギャグ漫画日和を思い出す。
27.老婆の大きな頭が現れ、門の入り口を塞いだ。
17の奴の再登場かと思ったが歯が少ないのでお母さんか何かだろうか。
28.妖魔たちが井戸端に集まり、ひそひそと議論している。
井戸端会議。ネタの使いまわしがバレてきたからか。
これも全てはリアクションの薄い主人公のせいでろう。
29.部屋の中に大きな腕が入ってきて、平太郎を捕まえようとする。
いつも突然やる気を出す平太郎。残りページ数の都合とかではないだろうが。
30.妖怪の首領が姓名を名のり、平太郎と応接する。
普通に大きなお侍のようだが威圧感で大きく感じる大豪院邪鬼先輩と同じ理屈だろう。
31.いろりの中からミミズが這い出て、平太郎を困らせる。
ミミズに取り囲まれても困った程度の表情の平太郎と満面の笑みの首領。
それほど満足の行く成果だったのだろうか。
32.今回の災いの原因を述べ、妖怪の首領が退去していく。
と、ここで仕掛け人がネタばらし。
33.妖怪たちは去っていった。
平尾魯仙先生の次回作にご期待ください。
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