2022年9月6日。
ミンスクはもう秋が来たようです。
2020年大統領選挙の際、日本人男性を含む10人のベラルーシ人アナーキストが革命を起こそうと活動していたことにより逮捕され、去年11月に始まった裁判について、今日ミンスク市裁判所で判決が出ました。
罪状により、5 年から 17 年の懲役刑とそれぞれ判決が異なるのですが、日本人男性は16年の懲役刑を言い渡されました。
ベラルーシでは逮捕されてから身柄を拘束されていた期間もこの懲役刑の期間の一部として計算します。2020年に逮捕されたので、出所できるのは2036年8月という計算になります。
最も重い量刑だったのは、ベラルーシ・アナーキストのリーダー、アレクサンドル・フランツケヴィチで、17年の懲役刑。日本人男性は1年短いだけです。
10人のうち4人がリーダー格と見られ、12年以上の懲役刑で、残りの6人は5年か6年の懲役刑です。
またこの4人には2万2400ベラルーシ・ルーブルの罰金も課せられました。日本円にしておよそ120万円です。(残りの6人も全員罰金が課せられましたが、リーダー格の4人より少ない額です。)
最も重い刑が出たフランツケヴィチ被告ですが、具体的には更生施設での17年間の懲役刑で、最も厳しい条件下で監視されます。(面会などの制限が多いタイプ)そして罰金刑。
日本人男性は更生施設での16年間の懲役刑で、次に厳しい条件下。そして罰金刑。
10人の被告の中で唯一の女性の被告人は更生施設での15年間の懲役刑で、あまり厳しくない条件。そして罰金刑。
4人目のリーダー格は更生施設での12年間の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさ。そして罰金刑。
残りの6人は更生施設で5年か6年の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさの条件下。そして上記4人より少ないものの罰金刑・・・となっています。
リーダーのフランツケヴィチ被告は前科もあり、今回の裁判での罪状を全て合計すると100年以上服役しなといけないほど多くの犯罪をしてきたことになっていますが、ベラルーシはアメリカのように刑期を加算することはないので、最も重い量刑の17年に決まったようです。同じように日本人男性の16年の懲役刑も計算されたと思われます。(私は裁判を傍聴したわけではないので、細かい点はよく分かりません。)
判決によると、リーダー格の4人は資金調達をし、それを使って様々な道具を購入、あるいは製造し、政権転覆のために使い、革命を起こそうと目論んでいた、これまでも(大統領選挙前からの)2005年から15年間に渡り、フーリガン行為や反政府活動を繰り返していたことが有罪判決につながったそうです。今20代の日本人男性が2005年から15年間もアナーキストだったとは思えないのですが、とにかくベラルーシでの反政権的工作活動を全て引っくるめて裁いたという形になっています。
日本人男性がどうしてベラルーシのアナーキストグループの、しかもリーダー格になったのか、私には理解できません。
判決が言い渡された後、被告人の何人かは政治的なスローガンを叫びました。アナーキストなので何かの機会につけて主張したくなるのは分かりますが、裁判所でこういうことはしないほうがいいですよ。
10人の被告は上告できるので、今回の判決が将来変わる可能性は十分あります。おそらく上告するでしょう。してほしいです。
ベラルーシ内務省は、2020年以降にベラルーシを出国した反政府派のベラルーシ人は、国籍を剥奪し、ベラルーシへの入国を30年間禁止する法律を作ることについて協議中であることを明らかにしました。
野党のチハノフスカヤ氏など、30年間帰国できないということになります。
ザポリージャ原発に調査団を派遣した国際原子力機関は報告書を公表しました。それによると、核燃料貯蔵用の建物や放射性廃棄物の保管施設、警報システムを収容する建物などに損傷があり、原発の安全な運用に不可欠な外部からの電力供給が数回にわたって遮断されたことも指摘しました。
現時点では緊急事態を引き起こしてはいないとしながらも、原子力の安全に対する継続的な脅威であり、重大事故を引き起こす可能性があるそうです。
さらに原発のタービン建屋内でロシア軍とその設備を発見したとも指摘しました。軍用車両が駐車されるなどしていたそうです。ロシア政府は原発を警備する部隊は駐在していると主張しています。
また、発電所を運営しているウクライナ人スタッフの労働環境について「常に高いストレスとプレッシャーにさらされている。これは持続可能ではなく、原子力の安全性に影響を与えるヒューマンエラーの増加につながる可能性がある」と指摘しました。(職員の方々に心から同情します・・・。)
国際原子力機関は、原発と関連施設へのさらなる被害を避けるため、周辺での砲撃を直ちに停止するよう勧告しましたが、ロシアとウクライナ双方が相手に攻撃の責任があると非難し合っています。報告書は責任の所在については触れていませんが、この調査団の目的は原発に攻撃したのは誰なのか調べることではないので、当然ですね。
日本のデジタル庁は今日、政府の法令や行政手続きを調べられる総合サイト「e―Gov(イーガブ)」でシステム障害が起きていると明らかにしました。ロシアのハッカー集団「キルネット」が日本へのサイバー攻撃を発表しています。他にもミクシィや名古屋港などもサイバー攻撃を受けたと思われる障害が起きています。
モスクワでは9月1日、タクシー配車アプリ、ヤンデックス・タクシーがハッキングされました。数十台のタクシーが同じ場所に呼び出されて大渋滞を引き起こしています。アノニマスはツイッターで「ウクライナのIT軍と協力して実行した」と主張しています。
これからこのようなサイバー攻撃が当たり前のように行われるでしょう。21世紀の戦争だなと思います。
ミンスクはもう秋が来たようです。
2020年大統領選挙の際、日本人男性を含む10人のベラルーシ人アナーキストが革命を起こそうと活動していたことにより逮捕され、去年11月に始まった裁判について、今日ミンスク市裁判所で判決が出ました。
罪状により、5 年から 17 年の懲役刑とそれぞれ判決が異なるのですが、日本人男性は16年の懲役刑を言い渡されました。
ベラルーシでは逮捕されてから身柄を拘束されていた期間もこの懲役刑の期間の一部として計算します。2020年に逮捕されたので、出所できるのは2036年8月という計算になります。
最も重い量刑だったのは、ベラルーシ・アナーキストのリーダー、アレクサンドル・フランツケヴィチで、17年の懲役刑。日本人男性は1年短いだけです。
10人のうち4人がリーダー格と見られ、12年以上の懲役刑で、残りの6人は5年か6年の懲役刑です。
またこの4人には2万2400ベラルーシ・ルーブルの罰金も課せられました。日本円にしておよそ120万円です。(残りの6人も全員罰金が課せられましたが、リーダー格の4人より少ない額です。)
最も重い刑が出たフランツケヴィチ被告ですが、具体的には更生施設での17年間の懲役刑で、最も厳しい条件下で監視されます。(面会などの制限が多いタイプ)そして罰金刑。
日本人男性は更生施設での16年間の懲役刑で、次に厳しい条件下。そして罰金刑。
10人の被告の中で唯一の女性の被告人は更生施設での15年間の懲役刑で、あまり厳しくない条件。そして罰金刑。
4人目のリーダー格は更生施設での12年間の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさ。そして罰金刑。
残りの6人は更生施設で5年か6年の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさの条件下。そして上記4人より少ないものの罰金刑・・・となっています。
リーダーのフランツケヴィチ被告は前科もあり、今回の裁判での罪状を全て合計すると100年以上服役しなといけないほど多くの犯罪をしてきたことになっていますが、ベラルーシはアメリカのように刑期を加算することはないので、最も重い量刑の17年に決まったようです。同じように日本人男性の16年の懲役刑も計算されたと思われます。(私は裁判を傍聴したわけではないので、細かい点はよく分かりません。)
判決によると、リーダー格の4人は資金調達をし、それを使って様々な道具を購入、あるいは製造し、政権転覆のために使い、革命を起こそうと目論んでいた、これまでも(大統領選挙前からの)2005年から15年間に渡り、フーリガン行為や反政府活動を繰り返していたことが有罪判決につながったそうです。今20代の日本人男性が2005年から15年間もアナーキストだったとは思えないのですが、とにかくベラルーシでの反政権的工作活動を全て引っくるめて裁いたという形になっています。
日本人男性がどうしてベラルーシのアナーキストグループの、しかもリーダー格になったのか、私には理解できません。
判決が言い渡された後、被告人の何人かは政治的なスローガンを叫びました。アナーキストなので何かの機会につけて主張したくなるのは分かりますが、裁判所でこういうことはしないほうがいいですよ。
10人の被告は上告できるので、今回の判決が将来変わる可能性は十分あります。おそらく上告するでしょう。してほしいです。
ベラルーシ内務省は、2020年以降にベラルーシを出国した反政府派のベラルーシ人は、国籍を剥奪し、ベラルーシへの入国を30年間禁止する法律を作ることについて協議中であることを明らかにしました。
野党のチハノフスカヤ氏など、30年間帰国できないということになります。
ザポリージャ原発に調査団を派遣した国際原子力機関は報告書を公表しました。それによると、核燃料貯蔵用の建物や放射性廃棄物の保管施設、警報システムを収容する建物などに損傷があり、原発の安全な運用に不可欠な外部からの電力供給が数回にわたって遮断されたことも指摘しました。
現時点では緊急事態を引き起こしてはいないとしながらも、原子力の安全に対する継続的な脅威であり、重大事故を引き起こす可能性があるそうです。
さらに原発のタービン建屋内でロシア軍とその設備を発見したとも指摘しました。軍用車両が駐車されるなどしていたそうです。ロシア政府は原発を警備する部隊は駐在していると主張しています。
また、発電所を運営しているウクライナ人スタッフの労働環境について「常に高いストレスとプレッシャーにさらされている。これは持続可能ではなく、原子力の安全性に影響を与えるヒューマンエラーの増加につながる可能性がある」と指摘しました。(職員の方々に心から同情します・・・。)
国際原子力機関は、原発と関連施設へのさらなる被害を避けるため、周辺での砲撃を直ちに停止するよう勧告しましたが、ロシアとウクライナ双方が相手に攻撃の責任があると非難し合っています。報告書は責任の所在については触れていませんが、この調査団の目的は原発に攻撃したのは誰なのか調べることではないので、当然ですね。
日本のデジタル庁は今日、政府の法令や行政手続きを調べられる総合サイト「e―Gov(イーガブ)」でシステム障害が起きていると明らかにしました。ロシアのハッカー集団「キルネット」が日本へのサイバー攻撃を発表しています。他にもミクシィや名古屋港などもサイバー攻撃を受けたと思われる障害が起きています。
モスクワでは9月1日、タクシー配車アプリ、ヤンデックス・タクシーがハッキングされました。数十台のタクシーが同じ場所に呼び出されて大渋滞を引き起こしています。アノニマスはツイッターで「ウクライナのIT軍と協力して実行した」と主張しています。
これからこのようなサイバー攻撃が当たり前のように行われるでしょう。21世紀の戦争だなと思います。