ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年9月28日。ウクライナ侵攻から218日目

2022-09-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月28日。
 ミンスクは住宅に暖房が入り始めました。

 26日にソチでロシア大統領と対面会談をしたベラルーシ大統領。突然ジョージアのアブハジアを公式訪問。どうしてこの時期に自称独立国家のアブハジアを電撃訪問するのか、その意図が分かりません。
 アブハジア共和国の自称大統領(親ロシア派指導者)と公式に会談。
 最初は非公式訪問としていたようですが、いつの間にか公式訪問。それをジョージア政府に言わなかったので、ジョージア外務省が激怒。ベラルーシ大使がジョージア外務省に呼び出され、説明を求められました。 ジョージア政府は正式に抗議しています。
 ベラルーシ大統領は、笑顔でアブハジア共和国の自称大統領と経済関係強化などについて話し合い、前向きな会談ができたと満足しているようです。
 自称共和国であるアブハジアへのベラルーシ大統領の訪問は、ジョージアとの関係悪化、下手をすれば国交断絶につながる可能性があります。
 ジョージアとロシアの関係もとても悪くなりそうです。動員拒否のロシア人男性がジョージアへ入国しようと列を作っていますが、ジョージアは受け入れてくれなくなるのでは。ベラルーシ人も入国できなくなるでしょう。
 ・・・と思っていたら、ロシアとジョージアの国境に位置するベルフニー・ラルス検問所から出国しようとするロシア人男性について、適格者全員に招集令状が渡されることになりました。
 動員はいやだとジョージアへ逃げても、国境の検問所で招集令状を直接渡されるようです。
 ロシア政府は、ロシア人が外国へ出国することを禁止しないとしていたのに、真に受けて国境地帯へ行ったら、招集令状を渡されるんですね。

 ジョージアの国境地帯ではロシアから出国する人たちの車列が20キロの長さに。ジョージアへ入国できた人への取材によると、現場では警官によるわいろの要求が横行しているようです。
 1200ドル払ったら、72時間かかる越境が30時間でできたといった証言もありますが、何となくわいろがほしくて、(ロシア人からお金をむしり取りたくて)わざとジョージアへの入り口(検問所)をジョージア側は閉じないのではないかと勘ぐってしまいました。

 乗ってきた車を捨てて、徒歩で越境する人たち。
「地獄のようだ。」
と取材に対して話しているロシア人男性もいましたが、拷問を受けて虐殺されたウクライナ人のほうがよっぽど地獄でしたよ。


 ロシア政府の情報提供ウェブサイトは今日、軍の動員対象となった市民に対してパスポートを発給しないと明らかにしました。ロシア人が外国へ出国することを禁止しないと言っていても、動員対象の人にはパスポートそのものを与えないから、外国へ行けません。

 そう言えば、アブハジアや南オセチアの住人は、動員されないのでしょうか。ロシアの法律に照らし合わせると動員できますよね。
 RIAノーボスチ通信は以前、検問所で招集令状を受け取るのは北オセチア共和国の住民だけだと報じていましたが、実際には、部分的動員で招集の対象となる全ての男性に適用されるようです。


 アメリカ政府は27日、ロシアに滞在する自国民に対し、直ちに出国するよう勧告しました。アメリカとの二重国籍保有者がロシアから出国できなくなり、徴兵される可能性があると指摘しています。
 またアメリカ政府は、亡命を求めるロシア人を歓迎し、亡命申請を受け入れることを表明しました。日本政府はどうでしょうか。


 徴兵された人は、カリーニングラードやチェチェンですでに訓練を始めたそうです。独立系メディアやウクライナのメディアが公開した動画によると、軍服とボロボロの銃以外は何もないので、包帯など自費で用意するよう言われていました。手弁当で戦闘に参加させられるんですね。戦国時代の足軽レベルですよ。どれだけ人の命を軽く見ているのか。
 しかも祖国防衛・故郷に残した家族を守るための戦闘なら素手になっても戦う覚悟のあるロシア人ばかりだと思うんですよ。実際には兄弟国への侵略の手助けです。手助けする前に命を失くしそうです。一体誰のため?
 

 ロシア当局は今日、ウクライナ国境付近のベルゴロド州バルイスキー地区で「人為的ミス」による弾薬の爆発があり、14人が負傷したと発表しました。攻撃による被害ではないんですね。


 ベラルーシ国防省代表団は、今日モスクワを訪問し、ロシア連邦国防省との軍事協力の問題について話し合いました。両国軍が変わらず協力関係にあることを確認。おそらく将来起こりうる事態についても論議されたでしょう。
 今日ベラルーシ国防省は、ベラルーシ空軍基地の抜き打ち検査を行いました。緊急の有事に際し、迅速に対応できるかのチェックだそうです。