ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年6月15日。ウクライナ侵攻から112日目

2022-06-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月15日。ミンスクは天気が回復しました。

 ロシアとベラルーシで事業を一時停止していたIKEAが事業を更に縮小し、完全撤退するようです。ロシア国内では2つの事業所を完全閉鎖、4箇所にある工場を売却、そしてロシア国内の商品在庫を売り切るそうです。従業員は解雇へ。
 ベラルーシには2000人の従業員を抱えるIKEAの工場がモギリョフにありますが、これも閉鎖されます。
 ちなみにベラルーシにはIKEAの店舗はありません。インターネット上にはIKEAはベラルーシでも販売が行われています。しかし、これももうすぐ在庫処分されたら、なくなるのでしょう。


 ウクライナ軍偵察部隊に所属していたアメリカ人義勇兵2人が、ハリキウ郊外での激しい戦闘中、ロシア軍の捕虜になりました。
 行動をともにしていた偵察部隊のウクライナ兵は消息不明。
 アメリカ人が捕虜になったことによって、ウクライナに対するアメリカの支援が滞るのではないかと懸念されています。
 
 
 ウクライナでロシア人従軍ジャーナリスト、セルゲイ・ポストノフ氏が死亡しました。ホストメリ市を「解放」しようとしていたロシア軍の取材をしており、他にもヘルソン州やルガンスク人民共和国でも取材をしていたそうです。


 ウクライナ国家警察は、ウクライナ大統領あるいはその側近の誰かを標的としたテロ攻撃を防いだことを公表しました。(おそらくわざと)詳細を明らかにしていません。
 ウクライナ大統領はすでに、自分が死亡した事態になったとき、政府としてどのように対処するか指示書を用意しているそうです。

2022年6月14日。ウクライナ侵攻から111日目

2022-06-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月14日。ミンスクは雨が降り、気温が15度にまで下がりました。

 4月5日、本拠地であるベラルーシからの撤退を発表していたウォーゲーミング社が、400人のスタッフを受け入れる新しいオフィスをワルシャワとベオグラードに開設しました。


 昨日の投稿にも書きましたが、解任されたポクロンスカヤ氏がロシア連邦検察総長のアドバイザーに就任しました。
 これが出世なのか左遷なのか。氏は今後はSNS上などで(戦争などについての)発言はしないと約束させられたようです。

 ベラルーシの独立系メディア、トゥト・バイが過激派組織認定されました。

 ベルインベストバンクが、口座からの現金引き出しについて、1週間に500ルーブルまでの制限をつけました。
 この銀行も経済制裁によりSWIFTから排除されることが決定して

います。
 この銀行はベラルーシ国内の公務員が就職すると口座を開設させられる(強制です。)銀行なので、経済制裁の対象になったのだと思います。


 ロシア政府は49人のイギリス人ジャーナリストと軍人を制裁の対象にしました。


 ベラルーシの歌手、ルスラン・アレフノがロシア占領下のヘルソンで行われたコンサートに出演しました。
 ロシア政府を完全支持しているそうです。


 「100万本の赤いバラ」で有名な歌手のアーラ・プガチョワ。その夫のマクシム・ガルキンがロシアの特別軍事行動を批判する発言をしたことから、刑事責任を問われる可能性があり、ロシア国内の豪邸も手放したようです。
 プガチョワ一家は3週間前にイスラエルに出国し、ロシアへ帰国するつもりはないようです。
 ガルキン氏はヘブライ語の勉強も始めたようで、イスラエルに長期滞在、あるいは亡命も視野に入れているようです。

 62歳の男性がラトビアからベラルーシへ自家用車で入国しようとしましたが、車中に弾丸を2本隠していたことが、国境検問所で発見され、逮捕されました。
 罰金刑と7年以下の禁固刑という有罪判決が出る可能性があるそうです。

 セベロドネツクをめぐり、ロシア国防省は、化学工場に取り残された住民500人を避難させるため、15日に「人道回廊」を設置すると発表し、同時にウクライナ軍の兵士に投降するか死を選ぶよう求めました。
 ロシア軍が川にかかる橋3箇所をすべて破壊したため、市外へ避難できなくなっているようです。

2022年6月13日。ウクライナ侵攻から110日目

2022-06-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月13日。
 ベラルーシは夕方から大雨の予報です。

 ベラルーシ大統領はベラルーシKGBの大掛かりな改変を行うことを発表しました。

 クリミアの美しすぎる検事長として日本でも話題になったナタリア・ポクロンスカヤ氏。現在はロシア連邦交流庁副長官でしたが、ロシア大統領により今日、解任されました。解任の理由は明らかになっていません。
 ポクロンスカヤ氏はウクライナ侵攻後、Zサインを悲劇と悲しみの象徴と呼び、侵攻を批判していました。 


 ドネツク市内にあるマイスキー市場にウクライナ軍が砲撃し、買い物中の母子と思われる二人を含む死者が数名出ているもようです。
 NATO供与の武器で民間人が死んだとロシア側は厳しくウクライナとNATOを批判しています。

2022年6月12日。ウクライナ侵攻から109日目

2022-06-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月12日。ロシアの日です。
 この日に合わせて、ロシア軍が制圧した地域では住民に対してロシアのパスポートを発行し始めました。 
 ウクライナの地域をロシア化させようという目論見です。
 ウクライナ大統領は、ロシアのパスポートを受け取ったウクライナ人は裏切り者だと述べています。
 しかし、脅されてパスポートを受け取るよう強制されているウクライナ人もいると思うんです。
 ウクライナ人の中にも考え方が様々ですから、喜んでロシア国籍をもらっている人もいるでしょう。
 毎日数千人がパスポート交付に必要な手続きを取っているとされていますが、これはロシア占領下の町から逃げるためのチケット購入の行列だと否定しています。

 メリトポリの内務省の本部建物の近くで爆発装置が爆発しました。負傷者は2人。
 この日メトロポリでは、ロシアの日を祝う記念コンサートが行われていました。 

 ロシア占領下のベルジャンシクとザポリージャ地域では、午前中に3回爆発が起こりました。

 ちなみにベラルーシでもロシアの日の記念コンサートなどイベントが行われました。ロシアの歌手が大勢ミンスクを訪れ、舞台で歌っています。

 ウクライナ政府は、ポーランドとルーマニアを通過する、穀物輸送ルートがあると発表しました。世界的食糧危機回避への突破口になるでしょうか。

 セベロドネツクで続いている戦闘で、元イギリス軍人だった男性が戦死しました。 

 ルハンシク州知事は昨日、国営テレビに出演し、セベロドネツク市のアゾト化学工場で、ロシア軍の砲撃が原因で油に引火し、火災が起きたと明らかにしました。この化学工場には避難した民間人が最大500人取り残されている可能性があるそうです。マリウポリのアゾトスタリ製鉄所を思い出します。

 侵攻後287人のウクライナ人の子どもが死亡したと発表されました。


 

2022年6月11日。ウクライナ侵攻から108日目

2022-06-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月11日。

 昨日はベラルーシの高校の卒業式。
 ベラルーシ大統領の三男が非常によい成績で卒業したと報道されました。しかし、卒業した高校名が不明のままです。
 中学を卒業した2年前、ベラルーシ大学付属高校に入学したのに、それを取り下げその後、どこの高校に入学したのか全く報道されず、家庭教師をつけて家で勉強しているのでは?と噂されていましたが、とにかくどこかの高校を卒業したそうです。
 次に話題になるのは大学ですが、高校を非常によい成績で卒業したので、校長からの推薦状がもらえ、入試を受けなくても希望の大学に入学できるでしょう。
 噂ではベラルーシ国立医大への入学を希望しており、母親と同じ医学を志すようです。まあ、入学はどこにしろもう決まっているのでしょう。


 ベラルーシが石油化学製品を輸出するためにロシアの港を利用することが許されました。


 フィンランド政府は対ロシア国境沿いへのフェンス設置を公表しました。
 軍事・非軍事双方の手段を組み合わせた「ハイブリッド攻撃」に備えるそうです。
 このハイブリッド攻撃は、ベラルーシが昨年、ポーランドなどとの国境に多数の移民を送り込んだ事例を参考にしています。ベラルーシと同じようにロシアが難民や移民を意図的にフィンランドに流入させ、圧力をかけてくる事態を想定しているのです。


 とにかく最近ポーランドを批判する発言が多いベラルーシ大統領。現在ウクライナ領内で義勇兵として戦っているベラルーシ人や、ウクライナ国境近くのポーランド領内で義勇軍として訓練しているベラルーシ人たちは、「本音はウクライナの前線に行きたくないのだ。」と大統領が主張しました。「行きたくないのに、ポーランドに行くよう強制されている。ベラルーシへ帰国させたい。」とも発言しました。
 ベラルーシ人を保護したいという発言にも取れますが、実際は反政府派のベラルーシ人ばかりなので、帰国したら、今度は「2年前に反政府デモに参加していた。」「テロを計画していただろう。」といった容疑をかけられ、逮捕される可能性が高いです。
 だからベラルーシ人義勇兵は帰国したいと思っていないです。帰国するのは政権交代があったときです。
 帰国したら有罪判決、義勇兵のままだとウクライナで戦死のリスクがあります。


 ウクライナ兵士の死者が1万人に上ると推定されています。
 ロシア兵士4万人以上が行方不明となっています。


2022年6月10日。ウクライナ侵攻から107日目

2022-06-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月10日。
 ベラルーシはすっかり夏になりました。
 
 ベラルーシ大統領は地政学的な見地からも圧力を外部からかけられており、西ウクライナの地域が西側諸国に占領・領土を奪われることを防ぐために、派兵することを拒否しないと発言しました。
 ここ数日、ウクライナの東部地域で激戦が続いています。もしウクライナ軍が負けたら東部地域は、ロシアの管轄に置かれ、時間をおかず、ロシア領になってしまうでしょう。国際的に承認されなくてもクリミアのように実効支配されると思います。
 そして、ベラルーシ大統領がすでに複数回、西ウクライナを西側諸国、特にポーランドが占領しようとしていると発言していることが気になります。
 ロシアもそうでしたけれど、外国に派兵することに理由付けが必要なんですよね。ウクライナのネオナチからウクライナ人を助けるために、ロシアが軍を出すのだ、といったことを理由にしています。
 ベラルーシも、西部ウクライナ地域をポーランドからの侵略から守るのだという大義名分を掲げて、ウクライナ領に派兵する可能性があります。
 今まではロシアからベラルーシに向かって、援軍を出せ、ロシアを支援せよと要請されているのではないかと世界から見られています。現時点では、ベラルーシは国境近くで軍事演習をしたり、ロシア軍がベラルーシ領内の軍事関連施設を利用するのを黙認したりしていましたが、実際にベラルーシ軍がウクライナ領内に入って戦闘に加わったことはありません。
 ベラルーシはうまく(自分たちは人的損害を被ることなく)立ち回っていると思われることもあります。ロシア大統領も「ベラルーシはロシアを助けてくれない。言うことを聞いてくれない。」と不満に思っているのでは? 実はロシアはベラルーシに苛立っているのでは? などと予想している専門家もいます。
 しかし、影では、東ウクライナをロシアが、西ウクライナをベラルーシで分割・占領・実質支配・領土割譲しようと両国の間で密約されている可能性もあると思います。
 もちろんベラルーシが混乱に乗じて西ウクライナを占領し、自国領に入れるには、ある程度自分たちの血も流さないとだめだとロシアから釘を刺されているでしょう。つまり、実力行使をしなければならないと、ロシア側から突かれているので、ベラルーシ大統領も上記のような発言をときどきしなければならない状況になっている可能性があります。


 1991年のリトアニアの独立宣言の承認を取り消す法案がロシア連邦下院に提出されました。
 リトアニアが合法的にソビエト連邦を去ったことをロシアが認めないということになります。

 これに対してリトアニア側からの発言。
「ロシアが1991年からリトアニアの独立の承認を否定した場合、リトアニアは 1634年のポリャノフカ条約を非難し、プーチンがヴワディスワフ4世の権威に服従し、占領地をリトアニア大公国に返還するよう要求する。スモレンスクはリトアニア領です。」

 さらにロシアへのウクライナ側からの発言。
「キーウ市議会は、キエフ・ルーシのウラジーミル・スズダリ公ユーリー・ドルゴルーキーが1147年にモスクワを開基したことを取り消した。これでモスクワが消滅しました。」


 

2022年6月9日。ウクライナ侵攻から106日目

2022-06-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月9日。ミンスクは急に気温が30度近くにまで上がりました。

 キーウ市長が、キーウとミンスクとの姉妹都市提携を解消しました。

 ロシアは、ベラルーシが輸入代行プログラムへの参加すれば15億ドルの支援金を分割で支払う用意があるとベラルーシ大統領が述べました。ベラルーシがロシアのために輸入代行すること自体、スムーズにできるかどうか分かりません。

 ロシア政府は緊急準備基金に5514億ルーブル(95億ドル)を注入しました。西側諸国による制裁の影響から国内経済を守るため、景気支援を強化する方針です。


 ウクライナ政府は穀物を輸出するために黒海に浮かんでいる機雷を除去すれば、ロシアの軍艦からの攻撃を受ける恐れがあるとして、オデーサの港周辺で機雷掃海を実施しない方針を明らかにしました。

 現在激戦地となっているルハンシク州の知事は、州の「最後の拠点」とされるセベロドネツクの主要部からウクライナ軍が撤退したと明らかにしました。
 ルハンシク州の98%以上がロシア軍の支配下にあるそうです。

 ウクライナ人女性が、ベルリンにあるカフェ「ロシヤ」のオーナー女性に店名を変更しない場合は店舗を破壊すると脅す動画を自ら撮影し、ネット上で公開しました。
 カフェのオーナーは10年前から「ロシア」という店名であり、これはロシアとドイツの友情のシンボルだと説明していますが、ウクライナ人女性のほうは聞く耳を持っていません。
 カフェの名称を変えたところで、戦況は変わらないです・・・

 リトアニア政府は国内にある、ベラルーシ政府が管理している保養所「ベラルシヤ」を没収する手続きを始めようとしています。


 2020年9月11日に、反政府派の親子で弾圧を受け、ミンスク市内のスウェーデン大使館に逃げ込み、匿われていたベラルーシ人が、そろってラトビアに出国することに成功しました。
 1年9か月ぶりにスウェーデン大使館敷地内から外部に出ました。出た瞬間に逮捕されるのではないかと思っていましたが、どのように出国したのか、独立系メディアの取材に答えています。
 この父子はスウェーデン政府に対して、庇護を求めましたが、認められなかったものの、身の安全のために大使館敷地内に滞在し続ける許可を得ていました。
 そしてラトビアに出国することに決めて、スウェーデン大使館の車に乗せてもらい、ミンスクではない町にある医療機関で健康診断を受けることを依頼しました。
 スウェーデン大使館側も了承して公用車を出し、それに乗って大使館を出発。ビテプスク州へ向かいますが、もちろん病院など行かずにそのまま国境地帯へ。
 一応、ひげを生やしたり、マスクをしたりして変装していたのですが、意外なことに検問所は閉鎖されて、出国審査そのものが行われていない状態。
 二人は柵を乗り越え、森の中を歩き、ラトビア領に入りました。そして近くにあった村に行って、住民に身元を明かし、そのままラトビアの難民キャンプに収容されました。
 昨日、ラトビアを訪問していた野党リーダーチハノフスカヤ氏は、その難民キャンプを訪問し、この親子と面会したそうです。
 (スウェーデン大使館関係者もほっとしていることでしょう。)


 ウクライナ軍の外国人傭兵の罪などに問われて出廷したイギリス人2人とモロッコ人1人の裁判が続いていましたが、今日、死刑判決が出ました。控訴できます。が、ロシアはもう死刑制度を復活させたのでしょうか。
 と思ったら、この裁判、ドネツク人民共和国内で行われていたんですね。
 ドネツク人民共和国には死刑制度があるので、死刑判決が出たということです。ルガンスク人民共和国にも死刑制度があります。
 地図上で見るとウクライナの中にあるように見える両国。ウクライナにも死刑制度はありませんが、国際的に承認されていなくても、独立した国なので、法律も独立して「ある」そうです。
 


2022年6月8日。ウクライナ侵攻から105日目

2022-06-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月8日。

 ウクライナ大統領はビデオ演説で、ウクライナに侵攻したロシア軍の戦争犯罪の記録を集めた出版物を発行すると表明しました。

 ウクライナは捕虜交換で、アゾフスタリ製鉄所に立てこもっていた推定2000人の兵士全員の引き渡しを求めているが、ロシアの議員らは一部の兵士を裁判にかけるよう要求しています。
 ウクライナでロシア兵が戦争犯罪により起訴されていますが、今度はロシアでマリウポリで投降した兵士1000人超が捜査のためにロシアに移送されました。
 これから両国でそれぞれ裁判が行われるでしょう。

 
 ロシアのメディアによると、ウクライナ軍がウクライナの穀物を5万トン焼き払ったとしています。
 ウクライナがウクライナで育てた大事な穀物を焼いたりするの?と日本人の感覚では思うでしょうが、「敵にとられるぐらいなら、その前に消滅させてしまおう。そうすれば奪われることはない。」という発想もあります。

 ロシア外相は訪問先のトルコ外相と会談し、その後の共同記者会見で停滞の責任はロシアでなくウクライナ側にあると主張しました。
 黒海の安全通航について「ロシアは何の障害も設けておらず、責任を果たしている」と強調し、ウクライナ側が機雷を取り除く責任を負っていると訴えました。


 ロシアのバイカル地方で現地時間20時24分にマグニチュード8.3の地震が発生しました。

 ベラルーシの新車市場は5月、83%縮小しました。要するに新車を買う人は激減したということです。

 ニカラグア大統領がロシアの軍隊、船舶、航空機の人道的目的での人道的な入国を許可しました。


 フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対しているトルコが加盟に必要な条件の数をさらに増やしました。ますますハードルを上げてきています。


 インターファクス通信によると、ロシア軍の検察当局は7日、徴集兵約600人をウクライナでの軍事作戦に投入したとして、将校12人を処分したと報道しました。懲戒免職も含まれるそうです。(責任を押し付けられた人も混ざっているでしょうね・・・。とかげの尻尾切りかな・・・。)
 徴集兵約600人全員を早急に帰還させたそうです。徴集兵は実戦に送らないと約束していたので、それに違反した上官を処分したから、約束を守りました、ということにしたいと思われます。


 ウォールストリート・ジャーナル電子版は7日、ウクライナからの穀物輸出が滞り、懸念されている世界的な食料危機を回避するため、アメリカ政府内でベラルーシの企業に科している制裁を6カ月間免除する案が検討されていると報じました。ウクライナの穀物を輸出するための回廊設置計画で、ベラルーシから許可を取り付ける狙いがあるそうです。
 同紙によると、ベラルーシのカリウム肥料の企業に対する制裁免除を検討しているそうです。そうすれば、ベラルーシのカリ肥料を世界に輸出ができ、今年の農作物の収穫量が増えるかもしれません。ウクライナの穀物も世界に輸出でき、一石二鳥の方法です。やっぱり、背に腹は代えられぬ、ということでしょうか。空腹はつらいものです。
 ただアメリカ国務省当局者は、ベラルーシ大統領がロシア大統領と強力関係にあるため回廊設置で合意できる見込みは低いと予測しています。
 それにウクライナの回廊設置のために、ベラルーシの経済制裁を一時的にしろ解除すると、回廊設置のためにベラルーシへの経済制裁を解除せよと条件を出してきたロシア大統領の言うことを聞いたことになり、ウクライナ大統領は反発する可能性があります。それを無視して無理矢理に輸送できないです。
 また回廊設置のことで、経済制裁を解かれるベラルーシは、得をすることになるし、また輸送のためにベラルーシの道路(あるいは鉄道)を使用する料金をふっかけてくる可能性もあります。ベラルーシも自国の利益優先をしますからね。得になるのだったら、穀物回廊を設置してもいい、世界的食糧危機の発生を防ぐことになるんだから(ベラルーシが世界の救世主になる)と鷹揚にうなずいてみせるぐらいのことはするでしょう。
 どちらにせよ、穀物の価格は高騰しそうですね・・・。 
 

2022年6月7日。ウクライナ侵攻から104日目

2022-06-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月7日。ミンスクは本格的な夏が始まりました。

 ベラルーシ国防省は、ベラルーシ軍を平時の状態から戦争中の状態に移行することを決定し、すでに移行期間に入ったと発表しました。


 ロシア外務省は1998年に発効した北方領土周辺海域の日本漁船の安全操業に関する政府間協定の履行停止を発表しました。日本側の義務不履行が理由だそうですが、実際には対露経済制裁に対する対抗措置ですね。日本の漁業は今後どうなるのか・・・


 チェコ政府は2023年3月までベラルーシ人にチェコのビザ発給を停止することを検討しています。

 
 昨日の投稿にも書きましたが、ベラルーシ政府当局の要請により、ウクライナの国会議員ヤコベンコ氏が、モルドバで身柄拘束されたニュースの続報です。
 身柄を拘束したにも関わらず、その引き渡しをベラルーシ側が求めたのに対し、モルドバ当局は拒否しました。

 元政治犯(反政府派)だったベラルーシ人男性が、刑期を終えて出所後、出国し、ウクライナのカリノフスキー連隊に入隊しました。
 カリノフスキー連隊については5月21日の投稿記事を御覧ください。
 これから似たような選択をするベラルーシ人が出てくる可能性があります。

  
 ベラルーシは今年末まで、電気料金、ガス代を値上げしないことを決定しました。
 本当にそうなるかどうかは、もちろん分かりません。


 ベラルーシはカリ肥料をインドに輸出するためインド最大の肥料輸入業者であるインデアン・ポタシュ社が代金を受け取れるようルピーで支払いができるよう口座を開設しましたが、支払いが認可されたズベルバンクを経由しないため、送金できないことが明らかになりました。
 つまりカリ肥料を輸出しても代金を受け取ることができないことになります。
 ベラルーシは特にこれといった天然資源がなく、その中でカリ肥料の輸出はほとんど唯一の輸出できる資源です。インドへの大口の販売ができないのは、この経済制裁下では苦しいことです。

壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」 表紙

2022-06-06 |   壺井栄
壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」ミンスクで出版の続きです。

 完成した本の表紙と背表紙の画像です。
 やはりA5サイズにしたのと、表題作の「二十四の瞳」が長編なので、かなり厚みができました。
 背表紙に題名と著者名もきれいに入れてもらえてうれしいです。
 出版社のデザイナーさんには、第1版を見本として見せて、同じ青色の表紙にしてもらいました。イメージは瀬戸内海の色です。
 装丁は簡素にして、内容を濃くしました。日本文学を読みたい人だけではなく、日本語を学習している人や、日本文化を知りたい人を対象にして工夫したので、お役に立てたら・・・と願っています。

 翻訳者に寄贈できたので、安堵しましたがこれから各地の図書館に寄贈する作業が始まります。
 今は郵便事情がよくないため、次の心配事が出てきましたが、また気長にお見守りください。
 寄贈先図書館については、改めてロシア語版ブログでご報告していきます。
 出版費用を寄付してくださった皆様、いつかお手元にお届けします。もうしばらくお待ち下さい。

壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」出版記念写真 3

2022-06-06 |   壺井栄
  壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」ミンスクで出版の続きです。

 翻訳者が喜んでいる姿を見て、うれしいと同時に、約束を果たせたという安堵の気持ちになりました。
 予定が2年も延びてしまって心配の連続でしたが、今から考えると、ちょうどこの世界情勢不安な時期に出版されたことになったのも、壺井栄文学の持つ運命だったように感じます。
 本書を手にとったベラルーシ人には、著者からのメッセージを受け取って、ぜひいろいろと考えてほしいです。
 

壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」出版記念写真 2

2022-06-06 |   壺井栄
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」ミンスクで出版の続きです。

 ついに完成した本を手にした翻訳者のみなさんの姿を撮影しました。
 翻訳者として自分の名前が掲載されていることを確認しました。
 自分が日本語から翻訳した文章がちゃんと本の形になって出版されたという人は、ほとんどいません。人生初の翻訳した本ですね。
 まずは、自分そして家族や友人に全ページ読んでほしいです。私からの願いです。

壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」出版記念写真 1

2022-06-06 |   壺井栄
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」ミンスクで出版の続きです。

 ついに完成した本を手にした翻訳者のみなさんの姿を撮影しました。
 こちらは、この翻訳プロジェクトがスタートするきっかけとなったミンスク言語学大学の学生(当時)の3人です。
 大学の実習として、日本文化情報センター所属の日本文学を翻訳し、他の部分は弊センターの日本語教室の生徒が引き継ぐ形で、書籍としてまとめられました。

壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」ミンスクで出版

2022-06-06 |   壺井栄
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」第2版をミンスクで出版いたしました。
 
 第1版は仙台市で印刷され、そのご報告はこちらのリンク先を御覧ください。

 100部を自費出版という形でしたが、ミンスクの出版社「コロルグラド」が請け負ってくれました。
 
 翻訳者・校正者26名のうち、贈呈式に来ることができた人に、1冊ずつ贈ることができました。
 そのときの集合写真を公開します。

 翻訳したのは日本文化情報センター日本語教室の生徒とミンスク言語学大学の学生、計25名と1名の校正者です。
 翻訳者と校正者の氏名は、日本文化情報センターのベラルーシ人向けサイトで、ロシア語と日本語で公表しました。
 リンク先はこちらです。

 自費出版ということで、出版費用をチロ基金に寄付してくださった8名の個人の方、そしてANT−Hiroshima様と Vesna! 様には感謝の気持ちでいっぱいです。同時にこちらの諸事情をご理解くださり、気長に待っていただいたこともありがたく思っております。

本書の概要
 著者 壺井栄
 ロシア語 翻訳者 日本文化情報センター翻訳者グループ
 2022年5月15日発行
 ISBN 978-985-896-145-9
 収録作品 (作品の発表順に並べて編集しました。)
 「まつりご」「ともしび」「妙貞さんのハギの花」「柿の木のある家」「坂道」「二十四の瞳」この他にも、ロシア語読者のために「壺井栄の生涯と作品」「『二十四の瞳』主な登場人物名一覧」「日本語用語集」なども収録しました。

 書店や電子図書としての販売はいたしません。
 これからロシア語圏各地の図書館に寄贈する予定です。

2022年6月6日。ウクライナ侵攻から103日目

2022-06-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月6日。
 
 昨日の記事にも書きましたが、続報です。ロシア外相の搭乗機が領空内を飛行することを、ブルガリア、北マケドニア、モンテネグロが禁じたことによって、外相のセルビア公式訪問が中止されました。
 今日、セルビア大統領は国民に向けて説明する予定です。

 ベラルーシ政府当局の要請により、ウクライナの国会議員ヤコベンコ氏が、モルドバで身柄拘束されました。賄賂と汚職の容疑で逮捕に切り替えられるそうです。それにしても、要請を出すのがなぜベラルーシ側なのか・・・。


 ベラルーシの歌手、マックス・コルジュのことも昨日の投稿記事にも書きましたが、コルジュはロシア公演とウクライナ公演、そしてベラルーシ国内で予定されていたコンサートを全て中止しました。これらの国で年内にコンサートをすることはないと、コルジュ自身が話しています。



 ベラルーシとロシアのすべての高等教育機関はボローニャ・プロセスから撤退した、とロシアの科学高等教育副大臣が表明しました。ロシアのウクライナに対する特別軍事作戦にロシアの大学長など関係者が支持を表明したり、何ら下の関係者であったりしたことが問題と見なされ、ボローニャ・グループが今回の決定を下したそうです。
 この大統領によると、ボローニャ・プロセスが我々(ロシアとベラルーシ)から出ていったのであり、我々はボローニャ・プロセスから出ていったのではない・・・そうです。
 ベラルーシとロシアの大学で勉強している者からするといい報せではないですよ。ただ、ロシアとベラルーシの教育システムは、かなりヨーロッパの標準とはずれていて、もともとボローニャ・プロセスに参加できたのが不思議なぐらいです。ボローニャ・プロセスとは、高等教育における学位認定の質と水準を国が違っても同レベルのものとして扱うことができるように整備するのを目的として、ヨーロッパ諸国の間で実施された一連の行政会合および合意のことです。(ウイキペディアから抜粋)


 ウクライナ大統領は、ウクライナから輸出できない穀物の量は、現在の2200万─2500万トンから秋までに7500万トンに拡大する可能性があるとし、輸出の安全を確保するために対艦兵器が必要だと述べました。
 ウクライナの穀物輸出船を第三国の海軍が護衛する案についてイギリス、およびトルコと協議していると明らかにしました。穀物を運ぶために軍艦で護送です。そうしないと世界中で穀物不足、高騰が起こります。
 ウクライナ大統領はベラルーシを経由してバルト海経由で穀物を輸出する計画には同意しないと表明しました。ロシアの大統領がこの方法の場合、ロシアとベラルーシに対する経済制裁を解除するのが条件だと西側諸国に突きつけていますから、当然ですね。
  またベラルーシ大統領も、バルト海の港から同国製品(主にカリ肥料)の出荷が可能になれば、ベラルーシ経由でウクライナの穀物をこれらの港に運ぶことを認める用意があると表明しています。
 とにかく食料とエネルギーという切り札を持っている国は、それを出したり引っ込めたりして、駆け引きし続けているイメージです。