ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年6月5日。ウクライナ侵攻から102日目

2022-06-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月5日。
 早朝、再びキーウにミサイル攻撃がありました。一か月以上キーウには攻撃はなかったのですが・・・
 死者はなく負傷者1人だけだそうです。
 ウクライナ軍の発表によると、ロシア軍はカスピ海からキーウに向けて巡航ミサイル5発を発射したそうです。

 ウクライナ大統領は4日、ロシア軍の砲撃によりドネツク州にある木造のスビャトゴルスク修道院で火災が発生し、建物が損傷したと明らかにしました。
 同大統領は、文化的に価値の高い木造の修道院がロシア軍に攻撃されたと非難し、ユネスコからのロシアの除名を訴えました。
 ロシア正教を袂を分かったウクライナ正教の修道院なので攻撃対象になった理由かもしれません。
 このスビャトゴルスク修道院はユネスコの世界遺産に登録されているわけではありません。
 
 ロシア正教のキリル総主教は、現在ベラルーシを訪問しており、ポーロツクの修道院を訪れました。
 ポーロツクはベラルーシの古都で、やはり宗教や文化の中心地。ちなみに(現在ベラルーシと呼ばれている)地域がキリスト教を受け入れたのは、もともとキエフ(キーウ)公国でキリスト教が受け入れられたのが、ベラルーシに伝わったからです。距離的に近いので、ロシアより先にベラルーシはキリスト教を受け入れたのですが、そのキリスト教はウクライナから伝わったのです。

 
 複数のフランス地方紙が4日に伝えたインタビューで、フランス大統領は「戦闘が停止した日には外交を通じて出口が築けるよう、私たちはロシアに屈辱を与えてはならない」と話し、またロシア大統領が自らの根本的な間違いから抜け出す道筋を残すのが、何より大事だと述べました。
 ウクライナ外相はこれに反発しています。


 ベラルーシでは並行輸入が合法化されました。輸入品不足の問題をこれで解消させようという狙いです。


 ターキッシュエアラインズはミンスク間とのフライトを停止していますが、停止期間を7月末までに再延長しました。 


 ロシアのロマン・クトゥーゾフ少将がルハンシク州のニコラエフカ村で戦死したとロシア国営メディが伝えています。

 
 ドネツク人民共和国の人民警察の発表によると、ウクライナ軍の攻撃により、チェリュスキンツェフ鉱山が完全に破壊され、また5人の民間人が死亡しました。


 チェチェン共和国のカディロフ首長は、自信のテレグラム・チャンネルで、ウクライナのリシチャンシク地区でアメリカのM777榴弾砲を破壊した証拠の動画を投稿しました。


 メリトポリ市長は市内で地下抵抗運動が増えており、ゲリラ戦術的に多数のロシア軍兵士を殺害するなどの行動に出ていると報告しました。


 ハンガリー国会議長は、ウクライナ大統領が深刻な精神問題に苦しんでいる可能性があると主張しています。
 その根拠として、ウクライナ大統領が、キーウに武器を供給したくないという西側の国を非難したり、供給のスピードを上げるよう要求したりするとき、精神状態が態度に出ているそうです。
(私がウクライナの大統領だったら、ウクライナが砲撃されたり、ウクライナ人が戦死したりする知らせを聞くたびに、精神的に非常に苦しむと思います。ショック状態が続きすぎて、演説する気力も出せないかも。)


 明日から明後日にかけてロシア外相がセルビアを訪問する予定ですが、通過する予定のブルガリア、北マケドニア、モンテネグロは、搭乗予定の飛行機の領空内の飛行を禁じました。
 大きく迂回して飛行するしかなさそうです。

2022年6月4日。ウクライナ侵攻から101日目

2022-06-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月4日。ミンスクは良い天気になりました。

 ロシア正教のトップであるキリル総主教がベラルーシを訪問しました。ベラルーシの正教会との距離の近さを再確認、そしてアピールするでしょう。
 キリル総主教はミンスク市中心部にある勝利広場に献花しました。これは大祖国戦争に勝利したことを記念するために作られた広場です。戦争関連施設をすぐ訪問しましたね。
 ちなみに今はミンスク市中心部にある勝利広場ですが、作られた当初はミンスク市のほとんど外れの場所でした。こうして考えると、戦後ミンスク市の面積が大変早いスピードで広がったことが分かります。


 ベラルーシの歌手、マックス・コルジュがウクライナ侵攻をテーマにした曲をリリースしました。
 歌詞の内容は、祖国を守るために戦うウクライナ人は正しいといったもので、明らかにウクライナを支持しています。つまり反露です。
 マックス・コルジュは2020年のベラルーシ大統領選挙のときにも、政治問題をテーマにした楽曲を発表し、逮捕もされています。

 
 2022年6月4日。ミンスクは良い天気になりました。

 ロシア正教のトップであるキリル総主教がベラルーシを訪問しました。ベラルーシの正教会との距離の近さを再確認、そしてアピールするでしょう。
 キリル総主教はミンスク市中心部にある勝利広場に献花しました。これは大祖国戦争に勝利したことを記念するために作られた広場です。戦争関連施設をすぐ訪問しましたね。
 ちなみに今はミンスク市中心部にある勝利広場ですが、作られた当初はミンスク市のほとんど外れの場所でした。こうして考えると、戦後ミンスク市の面積が大変早いスピードで広がったことが分かります。


 ベラルーシの歌手、マックス・コルジュがウクライナ侵攻をテーマにした曲をリリースしました。
 歌詞の内容は、祖国を守るために戦うウクライナ人は正しいといったもので、明らかにウクライナを支持しています。つまり反露です。
 マックス・コルジュは2020年のベラルーシ大統領選挙のときにも、政治問題をテーマにした楽曲を発表し、逮捕もされています。

 
 ルハンシク州知事は1日、ロシア軍がセベロドネツク市の70%を制圧したと認めていましたが、3日には同市の20%をロシア軍から奪還したと明らかにしました。
 そして今日のロシアのメディアの報道では、セベロドネツク市に投入されたウクライナ軍は、その総力のうち90%を損失し、同市から退却しているそうです。
 結局、離れた場所にいる私たちには、戦況がどうなっているのか分からないのです。いろんなことが後になって明らかになると思います。とにかく長い時間引きずるだろうなあ・・・と重い気分になります。
 証言の収集、精査、場合によっては裁判、膨大な報告書の作成、遺体や行方不明者の捜索。さらには映画化されたり。ロシアへ強制移住させられたウクライナ孤児が成人してから、自分の生みの親を探して、DNA鑑定を受けたりネットで探したりして涙の再会・・・とか、将来ありえそうです。多くの人の運命が変わりました。
 ともかく早く戦争の悪夢は終わってほしいです。(しかし「ただ戦争が終わればいいというものではない。」と先日、娘に指摘されました。)

 

2022年6月3日。ウクライナ侵攻から100日目

2022-06-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月3日。とうとう100日目です。

 ウクライナ大統領は「われわれはウクライナを100日間守り抜いた。勝利はわれわれのもの。ウクライナに栄光あれ」と閣僚らと撮影した動画で述べました。

 ロシア語の独立系ニュースサイト「メドゥーザ」は2日、ロシアのプーチン政権が国営メディアなどに対し、ウクライナ侵攻開始から100日が経過することに焦点を当てたニュースの発信をしないよう指導したと報じました。
 予想以上に長期化したことを国民に意識させないようにするためと思われます。


 ベラルーシ大統領はウクライナ大統領と軍人の完了との間に、対立が始まっていると指摘しました、

 ライアンエアー緊急着陸事件の際、逮捕されたロシア人、サペガ氏。6年間の更生施設での有罪判決が出ましたが、今日、ベラルーシ大統領はサペガ氏の身柄をロシア側に引き渡す可能性があると述べました。大統領の一声で、即刻ロシアに移送されるかもしれません。


 ロシア大統領は、ウクライナ産穀物をベラルーシあるいはブリャンスク経由で運送し、第三国に輸出するのが最も簡単な方法だと提案しましたが、条件としてロシアに対する経済制裁を解除するよう西側に求めました。
 世界的食糧危機の不安を駆け引きの材料にしています。


 ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国でバイバーの接続が遮断されました。事故などではなく、わざと遮断されたそうです。

 ロシア側メディアによると、マリウポリで、ウクライナ軍が設置した地雷のため、2人が死亡しました。1人は大人でもう1人は子ども、という親子なのか何なのか分かりづらい表現での報道でした。


 対ベラルーシ第6弾の制裁が科せられました。
 制裁の対象になった企業はベラルーシカリ、ベラルーシテレビ・ラジオ、ナフタン、グロドノたばこ工場などの国営企業のほか、個人向けの制裁もあります。裁判所の裁判官なども入っていますが、グリゴリー・アザリョーノク氏が入っていたのが一番目立っていました。
 アザリョノク氏は、STVのレポーターで、政府擁護のコメンテーターをしています。政府お抱えジャーナリストです。例えばニュースのアナウンサーは、用意された原稿を読んでいるだけなので、「この人、本音ではどう思っているのか分からないよね。」とも思えるのですが、アザリョノク氏が大統領選の時にマイクを持って、反政府デモの取材をしている番組を見ると、「ああ、これがこの人の本音なんだな。」と大変よく分かりました。メディア関係者なのに、暗殺計画(未遂)も出た人ですからね。
 

 国連ではいま、トルコ政府からの要請を受けて、トルコの名称を英語表記で「Turkey(ターキー)ではなく「Turkiye(テュルキエ)」に変更しました。
 七面鳥と間違えられやすいということで、前々から表記を変えたいと希望していたそうです。
 最近国名の変更が多いですね。 
 ちなみに七面鳥はベラルーシではインデイカと呼び、つまり「インドの鳥」という意味なので、トルコは無関係です。
 鳥ではないですが、japanは漆器のことで、chinaは陶磁器のことですね。

 
 
 
 
 

2022年6月2日。ウクライナ侵攻から99日目

2022-06-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月2日。ミンスクは夕方からまた雨です。ずっと天気が不安定ですが、タンポポは全て綿毛になりました。今はライラックが花盛りです。まさにリラ冷え。

 ロシア民主統一党のヤブロコの初代党首ヤブリンスキー氏がロシア国外に出国したと報道されました。
 ヤブロコ党はロシア大統領のウクライナ侵攻に反対する署名活動を侵攻前から行っていましたが、政府による妨害によるものか、断続的にアクセスできない状況が続いています。
 ヤブリンスキー氏がロンドンに向かったことから、イギリスへ亡命か?と噂されましたが、数時間後、ヤブロコ党が、バカンスのためロンドンに行っただけで2週間後に帰国する予定だと発表しました。


 ロシア軍に掌握されているザポリージャ原発に大量の爆発物が置かれていることが分かりました。
 原子力発電公社「エネルゴアトム」、ペトロ・コティン総裁によると
「現在ザポリージャ原発には約500人のロシア兵がいます。さらにロシア軍の戦車などが50台くらいあります。『ザポリージャ原発に武器も爆発物もある』とロシア軍にはっきり言われました。爆発物が原発にあること自体が非常に危険です。原子炉の近くで爆発が起きれば大変な影響を及ぼします。ロシア軍は原発を自宅のように使用しています。そこにいる間、ウクライナ軍から攻撃されることはあり得ないからです。3月の攻撃の時に3割から5割の砲弾が不発でした。ロシア軍は複数の場所で不発弾をそのまま爆発させています。原子炉の近くでも不発弾の処理を行いました。どこに何の設備があるのか理解していないのです。ザポリージャ原発には6基の原子炉があります。中には核燃料が満タンに入っています。原子炉の近くで爆発が起きれば大変な影響を及ぼします。」 
 読んでいるだけでノイローゼになりそうです・・・。

 さらにコティン総裁や原発職員の証言によると
「ロシア側はウクライナ人の従業員を拷問して親ロシアにしようとしています。1週間前には従業員が自宅で銃撃されました。従業員は携帯電話をチェックされます。反ロシアの疑惑があれば、その人は拷問されます」
 ひどいですね・・・。
 最大1300人の従業員が今も、この原発で働いているといいます。
 また、現在ザポリージャ原発には約500人のロシア兵がおり、さらにロシア軍の戦車などが50台くらいあるそうです。
 コティン総裁は「原発従業員はロシア軍に従うつもりはなく、ウクライナ側の指示に従っています。我々が毎日オンラインミーティングをしています。」
 原発を正常稼働させることに努めているそうですが、どれほど緊張した状況であるのか・・・。


 ロシア国防省は、ウクライナに入った外国人傭兵を数百人殺害したと発表しました。

 ウクライナ軍側の発表によると、ベラルーシ領土からウクライナ領に向けてロシア軍による1211発の攻撃が行われ、61発のイスカンデルミサイルが発射されたそうです。
 

2022年6月1日。ウクライナ侵攻から98日目

2022-06-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月1日。ミンスクは夕方からまた雨です。

 2023年の新学年度開始(9月)から、ベラルーシ全土で統一された学校の制服を導入することが検討されています。
 日本のように学校ごとに制服があるのではなく、国中全く同一のデザインの制服になるようです。

 ロシア大統領は内務省勤務の将校5人を解任しました。事実上のクビです。ウクライナ侵攻(特別軍事作戦)が進んでいないことの表れではないでしょうか。

 主要な金融機関などで構成する国際団体「クレジット・デリバティブ決定委員会」は今日、ロシアが発行したドル建て国債について、利払いの「不履行」が発生したと認定しました。

 EUが、ロシア産の石油3分の2以上を輸入禁止することで合意しました。ハンガリーが反対したため、全面禁輸には至りませんでした。
 ハンガリー首相はロシア正教会キリル総主教をEUの制裁対象から除外する事を求めているため、対ロシア制裁パッケージ第6弾が承認されないままです。
 キリル総主教はモスクワのハリストス大聖堂で「ウクライナ教会が苦しんでいることを私たちは完全に理解している」と発言しました。
 ロシア正教会から完全独立したウクライナ正教会に対する発言だとしたら、「独立せざるを得なくなるなんて苦しんでいるんですね。」というように聞こえます。つまり、距離を置いたウクライナ正教会に「困っているんだね、大変だね」と寄り添うように見せて、実は「ウクライナ正教会、本当は困ってるんだね。独立だなんてそんな決断しなければ苦しむこともなかったのにね。」と完全独立を批判しているように聞こえません?

 ウクライナ大統領は毎日60人から100人のウクライナ軍の戦死者が出ており、負傷者は500人に及ぶと述べました。
 ロシア国内に到達可能な長距離ロケットシステムをウクライナに提供しないとアメリカ大統領は明言しました。アメリカによる支援で、ロシアに刺激を与えないようにするためです。
 これに対して不満に思うウクライナ人もいるでしょうが、考え方によっては、ウクライナが防衛だけにとどまらず、ロシアに攻撃・進軍する可能性は抑えられるし、「そこまでアメリカが手助けしなくても、もうすぐロシアが敗北する可能性が高い」ことの表れかもしれません。

 アメリカの政府高官は、ウクライナに対し、移動式の高性能ロケット砲を含む、およそ900億円の追加軍事支援を行うと明らかにしました。ロシア側は「火に油を注ぐ行為」と批判しています。


 2021年ノーベル平和賞を受賞したロシアの独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ」のムラトフ編集長が今日、ウクライナの子どもたちをユニセフを通じて支援するため、同賞のメダルをアメリカのオークションに出品しました。

 マリウポリ市長顧問がSNSに投稿した内容によるとマリウポリ市内で、両親を亡くし、住民が施設で保護していた子ども約15人がロシア軍によって連れ去られ、行方が分からなくなったそうです。
 今は手続きが簡略化されたので、ロシア国籍に変更させられ、ロシア人にせさられるウクライナの子どもが増えそうです。
 さらにロシア大統領令により、保護施設長による代理申請も認められたので、親権を持つ保護者の保護を受けられない子供の拉致を正当化(合法化)できます。ウクライナの子供をロシア人の養子とするのも簡単にできます。年令によっては自分がウクライナ人であることも知らずに成長する人もこれから出てくる可能性があります。


 トルコ大統領は先月30日にロシア大統領と電話会談し、ロシアとウクライナの双方が合意すれば、国連を交えた会談をトルコで行うことを提案していましたが、ロシア大統領報道官によると、実現に向けてロシア大統領がトルコへ向かう準備をしているそうです。
 病気説が流れていますが、実際に自国領から出てトルコに向かったら、健康アピールにもなりますね。