ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年9月15日。ウクライナ侵攻から205日目

2022-09-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月15日。
 
 今日から2日間、ウズベキスタンのサマルカンドでSCOサミットが開催されます。 ロシア、中国、トルコ、イラン、カザフスタン、インド、パキスタン、タジキスタン、ベラルーシ、トルクメニスタン、キルギス、モンゴル、ウズベキスタンの首脳が参加しますが、どのような話し合いになるでしょうか。

 上海協力機構首脳会議にベラルーシは12年間オブザーバーとして参加していましたが、正式な加盟申請をしました。それについて、ベラルーシ大統領は「ベラルーシも上海の家族の一員になりたい。」と同会議事務総長に述べました。
 
 またベラルーシ大統領は中国国家主席と会談。これからも協力関係を保持することをお互い確認。ベラルーシ大統領は珍しく会談でマスクをしましたが、始まる直前に中国の国旗のマークがついたマスクに付け替えました。
 
 ロシア大統領も中国国家主席と会談。ウクライナ侵攻開始後としては初の直接会談です。両国はアメリカの一極体制を批判しました。今後も協力関係を続け、モンゴル大統領とともにロシアから中国へのガスのパイプライン建設について協議しました。


 ウクライナ大統領は14日、イジュームを電撃訪問。ウクライナ国旗の掲揚に立ち会いました。
 首都キーウに戻った後、大統領の乗る車と別の車が衝突しました。乗用車(軽自動車という報道があります。)は大統領の車と護衛の車に次々とぶつかりました。大統領は同乗していた医師に診察を受け、異常はありませんでした。その医師はぶつかってきた乗用車の運転手を診察し、応急処置をしました。その後、大統領も念の為病院へ。もう一度診察を受けました。乗用車の運転手は病院で手当を受けたようです。
 テロあるいは暗殺未遂事件の可能性もあるので、捜査が始まります。


 チェチェン共和国のカディロフ首長が今日、自身のSNSで、ロシア政府の戒厳令を待つ必要はない。ロシア国内の共和国の各首長が自主的にウクライナの戦場に向けて、動員を行うよう呼びかけました。同氏によると、各地域にはそれぞれ少なくとも1000人の志願兵を準備し、訓練、配置する能力があるそうです。この呼びかけにどれぐらい応じるでしょうか。


 アメリカ政府は今日、ロシアによるウクライナ産穀物の略奪に関わったとして、ロシアがウクライナで一方的に指名した「市長」ら5人を制裁対象に加えました。アメリカ国内の資産を凍結し、アメリカ人との取引も禁止します。
 制裁が科されるのは、ザポリージャ州で露軍が支配するベルジャンシクの「市長」ら。数十万トンの穀物の差し押さえや盗難を監督し、世界の食糧難を悪化させたそうです。

 アメリカ政府はカディロフ首長とその家族も制裁対象に加えました。アメリカ側は、チェチェン人部隊について、民間人の遺体が多数見つかったブチャで活動していたと指摘しました。


 ロシア与党「統一ロシア」から本格的な動員を求める声が上がっています。
 民間軍事会社「ワグネル」の経営に関わっているとされるオリガルヒのエブゲーニー・プリゴジン氏がロシアの刑務所で受刑者に志願を促す動画がSNS上で拡散しています。調査報道サイト、インサイダーはこの刑務所からおよそ150人の受刑者がウクライナの戦場に派遣されたと報じています。刑期を終える前に刑務所の外に出られますが、送り込まれるのはウクライナの前線です。
 プリゴジン氏が経営するケータリング会社は映像について、「本人に非常に似ている」とコメントしています。


 アルメニア安全保障理事会書記は14日夜、アゼルバイジャンとの間で発生した係争地ナゴルノカラバフを巡る新たな軍事衝突について、停戦合意に至ったと明らかにしました。よかったです。でも両国合わせて200人以上しぼうしているんですね・・・


 ベラルーシに避難してきたウクライナ人が、ベラルーシ国民と同等の権利を持つという法令にベラルーシ大統領が署名しました。つまり、教育を受ける権利、医療サービスを受ける権利、児童手当と年金を受け取る権利などです。
 また以下の手続きに必要な地方税も免除されます。ベラルーシでの一時滞在の登録、ベラルーシでの一時的な居住許可を発行手続き、ベラルーシでの永住許可の申請などです。
 他にもウクライナの市民を就労させるベラルーシの雇用主は、地方税の支払いを免除されます。
 これでウクライナ避難民もベラルーシで住居、仕事、教育、医療、年金や児童手当が受け取れます。すばらしいことです。


2022年9月14日。ウクライナ侵攻から204日目

2022-09-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月14日。
 ミンスクは曇り空でしたが、気温は少し上がりました。

 ベラルーシ大統領は自ら薪を割る姿を撮影した動画を発信しました。
「(ベラルーシは)ヨーロッパ(に住んでいる人)を(現在の燃料高騰などの理由により)凍えさせることはしない。兄弟たちを助ける。彼らはいつか我々を助けてくれるときが来るかもしれない。」
と発言。兄弟たちを助けるというのは、暖房用の燃料を輸出してあげるということではなく、薪を輸出してあげる、ということです。
 さらにポーランド政府は現在の考えを変えるだろう、とも発言しました。つまり、経済制裁などの理由により、頑なにベラルーシからの支援を拒否していたとしても、冬になって寒さに耐えられなくなったら、背に腹は変えられんとベラルーシに薪を売ってくださいと頼んでくるはずだ、というのがベラルーシ大統領の予想なのです。 


 今日、民族的にはロシア人ではないけれど、ロシア出身でロシア国籍を持っていて、ベラルーシで就職し、日本文化情報センター日本語教室で日本語を勉強していたけれど、1年前にポーランドへ仕事をしに行った人(元教え子)と話をしました。
 ロシア国籍を持っていると、EU圏内に入国するのが難しいのですが、仕事の契約をウクライナ侵攻前に結んで、ポーランドの就労ビザを取っていたので、今のところ出入国は大丈夫だそうです。
 ポーランドの職場では、ポーランド人、ロシア人、ベラルーシ人、ウクライナ人の同僚たちといっしょに働いていましたが、ウクライナ侵攻後、仲が悪くなるということもなく、ふつうに仕事をしているそうです。ただ、政治的な話題、戦争の話は一切職場でしないという暗黙の了解ができているそうで、仕事の話しかしないように気をつけていると話していました。賢明ですね。ロシア人と言っても、戦争反対の人も大勢いるし。
 でも、現地のニュースでは、ロシア人やベラルーシ人へのヘイトが起こっていると報道されていて、この人自身は、自分の身近なところではそのようなヘイトは全く見たことがなく、報道に戸惑うそうです。
 この人はお父さんがジョージア出身で(でもジョージア人ではない。)それを理由に、ジョージア語の試験にパスしたら、ジョージア国籍をもらえるのだそうです。それで、ジョージア語を真剣に勉強するために今からジョージアに行って、ジョージア国籍をもらおうかと思案中でした。ジョージア国籍を得たら、ロシア人を国籍上ではやめてしまい、そうしたらロシア人にビザを出さないなどの制裁がある国にもジョージア人として楽に出入国できるようになるから、便利だと話していました。
 ジョージア語は日本語より簡単だから、試験にパスできると思うと笑っていました。
 本音は日本後能力試験に合格して、認定証を手に日本へ行くことだそうです。
 

 チェチェン共和国首長は、ロシアに戒厳令を敷くことを提案しました。
 どういうことなんでしょう。もっとも、あくまで個人的な意見としています。


 カザフスタン当局は13日、前大統領の名にちなんで「ヌルスルタン」に変更した首都名を旧称の「アスタナ」に戻す案を支持する考えを示しました。やっぱりまだ存命の政治家の名前を地名にしないほうがいいですよ。私の個人的な意見ですが、ヌルスルタンよりアスタナのほうが音の響きとして好きです。


 ロシア大統領の乗っていた車に何か(爆発物?)工作されていたが、暗殺は失敗したというニュースが流れましたが、フェイクニュースでしょう。
 

 ロシア極東・北極圏開発公社の航空産業担当マネージングディレクター、イワン・ペチョーリン氏(39歳)がウラジオストクで死亡しているのが判明したと同社が発表しました。
 実際には死亡したのはウラジオストクではなく、ロシア沿海地方のルスキー島の近くで10日、乗っていたボートから海へ転落したためとされています。
 またロシアで実業家の不審死です。同氏はロシア東部の航空を近代化する事業を担当する一方で、北極圏での資源開発にも携わっていました。
 同社の元CEO、イーゴリ・ノソフ氏(43歳)も今年2月に脳卒中で急死しています。


 アゼルバイジャンとアルメニアの間で新たな軍事衝突です。
 アルメニア兵105人が死亡。アルメニアは軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に支援を要請しました。
 ウクライナ侵攻で人手不足に陥っているロシアが軍事支援できるかどうか不透明です。
 よるに入って、アルメニア首相辞任を要求するデモ隊が議会に突入しようとしました。しかしデモ隊の中で自粛する動きがあり(夜、誰も居ない議事堂になだれ込んでも意味がありません。)、近くのバグラミャン通りを封鎖しているようです。

 タジキスタンとキルギスの国境でおm衝突が発生し、タジキスタンの国境警備員2名が殺害されました。
 今、旧ソ連の国で軋みが出ているようです。これもロシアがウクライナ侵攻をしたからですよ。ベラルーシはどうなるのか。
  

2022年9月13日。ウクライナ侵攻から203日目

2022-09-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月13日。

 9月6日に日本人男性を含むアナーキスト10名が革命を起こそうとしたなどの罪により有罪判決を受けましたが、その弁護士2名が今日、逮捕されました。
 この弁護士は、今回の裁判に関わる法執行官、捜査官、検察官、裁判官の個人情報(名前、自宅住所)をアナーキストグループに伝えていました。その後、インターネット上にその個人情報が出回り、情報漏えいしたのは誰なのか捜査された結果、弁護士が捕まったということです。
 弁護士がそんなことをしたらだめでしょ、と思う人も多いと思いますが、今回の判決を不服として上告しようとしているアナーキストの被告たちを弁護している弁護士を資格剥奪させるために、事件をでっち上げているという可能性もあります。
 実際に、政治思想犯として逮捕されたベラルーシ人の弁護士が資格剥奪されており、その後の裁判で弁護することができなくなったという事例が多く見られます。
 今回も資格剥奪しようとして、その理由を探していたら、情報漏えいをしていたという理由で逮捕されたのでしょう。こうして新たな問題でもめているうちに上告できなくなってしまうと思います。
 

 ロシア国防省はウクライナ情勢をめぐる定例会見で、
「ウクライナ軍に対し、作戦を展開する全方向で、空軍、ミサイル部隊、砲撃部隊が大規模な攻撃を行っている。」
と述べました。


 リトアニア国会は、国境地域の非常事態を12月16日まで延長しました。
 またロシア人がEU圏に入ることを禁止。
 さらに、ベラルーシ人とロシア人からのビザ発行申請を受け入れることも禁止されました。
 もうベラルーシ人はリトアニアに入国できないんですね・・・。


 エリザベス二世の葬儀にロシアとベラルーシ、ミャンマーの首脳は招待されないことが明らかになりました。
 招待されても行かないと思いますが・・・


 今日、ロシア大統領とドイツ首相は電話会談を行いました。
 ドイツ首相は停戦やロシア軍の完全撤退を求めましたが、どれぐらい耳を貸すでしょうか。
 穀物輸出やザポリージャ原発についても話し合われたそうです。
 
 
 アルメニアとアゼルバイジャンで今日未明、国境地帯で軍事衝突が起きました。両国は相手側による挑発が発端だと主張。銃撃や砲撃の応酬で死傷者が出ているそうです。しかし、すぐに停戦に合意しました。
 ベラルーシ政府は両国に自制を求めています。


 ウクライナメディアの「リビウ・ジャーナル」がロシア軍のアンドレイ・シチェヴォイ中将が捕虜になったとすつ』動画を公開しました。
「捕虜は中佐の階級章をつけているが、それは佐官に変装して逃げようとしたためだ。捕虜となったのはアンドレイ・シチェヴォイ中将であり、第2次世界大戦以降に捕らえられた中で最も高位のロシア将校であると考えられている。」と報じました。
 もうすぐ正式発表されるのではありませんか。

2022年9月12日。ウクライナ侵攻から202日目

2022-09-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月12日。ベラルーシは気温が下がって、今日はセーターを着ました。

 ベラルーシ大統領は、「神は見ている。この争いは無意味だと。」と発言し、ウクライナのキーウにベラルーシ大使を戻したい意向を表明しました。ウクライナ政府が当分の間は了承しないでしょう。


 キーウ市内にあったミンスク通りはビリニュス通りに改名されました。


 ウクライナ軍の反転攻勢を受け、ハルキウ州のイジュームから撤退したロシア軍は昨日、ハルキウ市郊外の火力発電所を攻撃したため、炎上。ハルキウ州とドネツク州が全面的に停電し、ザポリージャ州、ドニプロペトロフシク州、スムイ州で部分的な停電が発生しました。ザポリージャ原発が稼働停止しているときに火力発電所を破壊。ウクライナで深刻な電力不足が起きそうです。

 ロシア大統領報道官によれば、ロシア軍はハルキウから撤退したのではなく、少し離れた場所で軍を再編成しているとのことです。

 ハルキウ市長によると、市内では停電、そして水道も止まり、地下鉄も止まったとのことです。しかし午後5時前には地下鉄は運行再開しました。


 ハルキウで反戦を繰り広げるウクライナ軍。この中でベラルーシ義勇兵も戦っています。
 またアメリカ人傭兵がハルキウに入る様子も動画で公表されました。
 ウクライナ政府はハルキウ州のほぼ全域を奪還したと発表。
 解放された地域の学校で教えていたロシア人教師がウクライナ軍によって逮捕され、裁判にかけられるそうです。12年の有罪判決が出る可能性があります。ウクライナでウクライナの子どもにロシア語やロシアのプロパガンダを教えようとしたした罪でしょうか。

 今日の夜、ヘルソン大学の学長の自宅入り口にウクライナの工作員が爆発装置を設置。帰宅したら爆発するようにしていました。
 その結果、学長のボディーガードは即死。学長は集中治療室へ。
 このタチアナ・トミリナ学長は、ロシアのウクライナ侵攻後、ヘルソンでロシア軍を支持・支援した親露派の人物だそうです。
 それで、ボディーガードまで雇っているほど警戒していた(危害を加えられることを予測していた)のでしょう。
 巻き添えなのか、同伴者だったのか、女性が一人負傷しています。
 学長は死亡の情報も流れましたが、こちらの報道では、生きており、ウクライナ工作員(この情報も本当かどうかはっきりしていないと言えばそのとおりなのですが。)の暗殺計画は失敗したとされています。

 
 辞任する、あるいは期間の定まっていない長期休暇を取ると話していたチェチェン共和国のカディロフ首長は昨日、自身のSNSで
「もしロシアが望んだとしたら、一歩も後ずさりしなかったはずだ。そのための訓練を受けている者がいなかったのだろう。」と述べました。
「特別軍事作戦の戦略に変更がなければ、私は国防省の指導部と国の指導部に出向いて状況を説明しなければならない。」
とも述べましたが、大統領に直談判するつもりなのでしょうか。
 一方、同首長はザポリージャ州の要所を抑えていると強調しています。


 ソニーは、ロシアによるウクライナ侵略以降、音楽や映画の新作公開などを停止していましたが、「ロシアでのプレゼンスを維持することはもはや不可能である」とするコメントを出し、ロシア事業から撤退することを決定しました。
 音楽事業を担うロシア法人と、所属アーティストを現地企業に譲渡するそうです。


 ウクライナ人がロシアとベラルーシの国境を超えて、入国できるよう求める嘆願書がウクライナ大統領のサイトに設置されました。親族に会いたい、あるいは相続問題などのために会わなくてはいけないというウクライナ人もいるからです。
 もっとも、今は第三国経由でベラルーシに入国しているウクライナ人はいます。


 完全に稼働を停止していたザポリージャ原発ですが、今夜遅く、第2のバックアップ用送電線が復旧したとIAEAが発表しました。
 
 

チロ基金提供「私たちのテスト2022」合格者表彰式

2022-09-11 | 日本文化情報センター
 今年、チロ基金の提供により実施された「私たちのテスト」の表彰式が日本文化情報センター移転先のミンスク市立中央児童図書館で行われました。
 記念撮影はベラルーシ人向けロシア語版サイトで公開しました。
 リンク先はこちらです。(病欠などの理由により、写っていない生徒もいます。)

 今年はN3、N4、N5レベルのテストを合計23人が受験、このうち17人が合格し、一つ上のレベルのクラスに9月から進級しました。
 ミンスク試験会場の日本語能力試験が今年も中止されたので、3年連続の「私たちのテスト」実施となりました。
 チロ基金支援者の皆様には厚くお礼申し上げます。
 「私たちのテスト」が実施されてよかったですが、本音は来年こそは通常通り、日本語能力試験がミンスクで実施されてほしいです。そうでないと、ベラルーシ人の日本語学習者が本当に気の毒です。
 しかし、もしまた日本語能力試験が中止になったら、チロ基金としては「私たちのテスト」という形で支援をしていきたいです。日本の皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
 
 
 

2022年9月11日。ウクライナ侵攻から201日目

2022-09-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月11日。
 毎年9月の第2土曜と日曜はミンスクの日で、お祭りです。いつもは楽しいお祭りなのですが、今年は警戒ムードもあります。人が大勢集まる機会があるので、それが反政府デモなどに発展しないとも限らないし、またテロが起こる可能性もあります。しかし昨日の夜から雨で、今日も一日中雨。お祭りとしては天候に恵まれませんでした。それでもミンスク・ハーフマラソンには1万人以上が参加しました。確かにこんなところへテロが起きたら大惨事ですよね。


 ザポリージャ原発が完全に停止しているというニュースに心臓の具合が悪くなりかけましたが、原子炉のうち唯一稼働していた6号機をより安全な状態にするためわざと停止させ、冷却して安定させる作業をすることにした、ということで安心しました。


 国連ウクライナ人権監視団はロシアが拘束した戦争捕虜に虐待や拷問を加えていることを確認したと発表しました。水や食料、医療が適切に提供されていない施設もあり、ドネツク州の捕虜収容施設では、A型肝炎や結核などの感染症が広がっているそうです。監視団に捕虜収容施設の調査に入ろうとするのをロシア側は認めていません。


 日本のニュースではウクライナ軍が優勢であるという報道が多いですが、ロシア側のニュースでは今月6日から10日までの5日間で、ウクライナ兵士4000人を殺害したといった戦果を強調するニュースばかりが流されています。


 モルドバはロシアへの飛行機のフライト再開を禁止しました。


 ベラルーシの製薬会社は、薬品の原材料が経済制裁により輸入されなくなり、製造過程が停滞しており、4ヶ月待ちになっているとメディアの取材で回答しました。
 ベラルーシで薬が作られなくなるなんて、これからどうなるのか心配ですが、製薬会社によると、
『今までは、輸入した薬品にロシア語訳をつけたパッケージを作って、包装するという作業ばかりしていました。今は輸入薬品が減ったので、これからは国内で調達できる原材料で、自国ブランドの薬品の製造にシフトしつつあります。」
と話していました。
 やはり、食料や薬品などはある程度は自国内で賄えるようにしておかないと、戦争が起きたときにはとても困る、ということがよく分かりました。
 
 

2022年9月10日。ウクライナ侵攻から200日目

2022-09-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月10日。

 バラクリヤをロシア軍からウクライナ軍が奪還し、ウクライナ国旗が掲げられました。
 またロシア国防省もバラクリヤとイジュムからの撤退(と言っても、ウクライナ国内のロシア占領地域であるドネツク人民共和国に引き上げるということです。)を発表しました。
 その理由は、ウクライナ軍に押されて劣勢になったとか、町を奪還されたからなどではなく、この3日間でロシア軍が作戦に成功裏し、ウクライナ軍の少なくとも2000人の兵士と外国人傭兵を破壊したため、(もうこれ以上することないし、作戦は成功したし、これ以上留まって下手に損失を出すのは嫌だし)撤退することになった、ということでした。
 戦果を上げたので、この地域では作戦を続けるのは無意味になったかた、という理由での撤退です。



 バルト三国はロシアやベラルーシとの国境を通じたロシア人の入国を規制することで「原則合意」したと発表しました。
 シェンゲン協定ビザを持つロシア人が、ロシアやベラルーシからバルト三国へ自由に入国することは不可能となります。
 ただ、人道理由(ロシアの反政権思想の人はロシアから逃げられなくなるからでしょう)や家族の事情がある場合、トラックの運転手、外交官は対象外となります。


 ロシア・モスクワの区議グループが、ウクライナ侵攻の責任を問い、プーチン大統領の辞任を要求しました。
 私からするととても勇気のある行動だと思います。
 サンクトペテルブルクでも7日、区議グループがロシア下院に対し、「国家反逆」を理由に大統領を弾劾するよう訴える要請書を公表。ウクライナ侵攻によって若い兵士を死なせ、北大西洋条約機構(NATO)拡大も招いたと非難しました。この区議グループは、警察への出頭を求められたそうですが、それもとっくに予想済みで、要請書を作成したと思います。

 

日本文化情報センターは移転しました

2022-09-09 | 日本文化情報センター
 すでにチロ基金支援者の皆様にはお知らせしていましたが、日本文化情報センターはミンスク市立中央児童図書館に移転しました。
 創立23年目を今日迎え、ミンスク市立第5児童図書館から中央児童図書館に場所が変わり、心機一転、新線な気持ちで新しく活動を始めました。
 今日は第1回目の日本語授業もあり、明日は新入生を迎えます。
 また改めて画像でご紹介します。お楽しみにお待ち下さい。
 引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

 (ご案内のページのリンク先はこちらです。) 

2022年9月9日。ウクライナ侵攻から199日目

2022-09-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月9日。

 ザポリージャ原発が心配です。ウクライナの原子力企業エネルゴアトムの総裁は今日、非常用ディーゼル発電機の燃料備蓄は12~13日分だと説明しました。唯一稼働中で、原発内に電力を供給している6号機が停止し、ディーゼル発電機の燃料も切れれば、東京電力福島第1原発と同様の惨事につながると警告しています。
 さらにロシア軍が原発職員2人を撲殺し、10人前後がロシア人に連れ去られて所在不明となっていると述べました。約200人が拘束されているそうですが、これは同原発がロシア軍の支配下に置かれているから当然ですね。
「ロシアの軍人はウクライナ政府支持者を探して迫害している。」
とも話しています。
 原発職員が正常に管理できなくなったら、原発が暴走するリスクが高くなります。
 その職員の原発管理の邪魔をするなんて、占領しているロシア軍は自分の首を締めたいのでしょうか。


 ベラルーシでは民間の中小企業にかける税率を来年は16%から20%に、2024年には25%に引き上げます。
 自営業はこれから経営がますます苦しくなりそうです。


 ベラルーシは14 歳から16 歳までの10代の若者がアルバイトできる職種の幅を広げました。人手不足が進んでいることの表れでしょう。
 できるようになった職種は・・・飲食店でのテーブルセッティングと汚れた食器を下げること。
 家畜の飼育小屋やゲージ内での清掃、餌やり場の洗浄。
 手作業による洗車。
 製本や書籍の修繕。
 商品の包装。値札付け。
 マスコミで報道や出演に関わる業務。
 ・・・とのことですが、このように規定を設けたことで、人手不足の業界がどこなのか分かりやすくなりました。
 
 
 イタリア人ジャーナリストがウクライナ侵攻を取材中、ウクライナ軍が設置した地雷のため乗っていた車が爆発。運転手はその場で死亡。自身も大怪我を負いましたが、ロシアの病院に入院し、手厚い治療を受けて一命を取り留めました・・・とロシア側メディアが報道しています。


2022年9月8日。ウクライナ侵攻から198日目

2022-09-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月8日。
 在ベラルーシEU代理大使エヴェリーナ・シュルツ氏が、6日にミンスク市裁判所を訪れた後、拘留されていたことが明らかになりました。この日ミンスク市裁判所では、日本人男性を含む10人のアナーキスト革命派の裁判が行われていた日です。裁判を傍聴していたことがニュース記事に載っています。裁判の後、身柄を拘留され、解放されたっものの、今日になって、ベラルーシ外務省に召喚され、またニュースになっていました。


 「我らはロシアとともに!」というロシアの政党がウクライナのメリトポルに事務所を構えていましたが、このメリトポリ本部のある建物がウクライナのパルチザンによる攻撃を受けて、破壊されました。


 ザポリージャ原発が「周辺の空間線量に異常はない」「ただちに影響が出るものではない」と発表されながらも、綱渡りの状態が続いており、心配しています。
 国際原子力機関(IAEA)はバックアップ用の送電線3系統のうち1系統と送電施設が損傷し、非常用自家発電機で対応しているものの、大量の燃料を必要とします。1日あたり巨大なディーゼル油のタンクが4個必要になるそうです。
 すでにウクライナ政府は、燃料が不足すると危機的な状況に陥るため、原発周辺の住民に避難を呼びかけています。
 EUは放射線被曝など重大事故が発生した場合に備え、ウクライナへヨウ素剤の錠剤550万個を提供しています。
 正しい判断ですね。


 ロシア軍による2月下旬のウクライナ侵攻開始後、ロシアからイスラエルに移住するユダヤ人が急増しているそうですね。
 ロシアのユダヤ人は16万5000人とされ、イスラエル中央統計局によると、2月24日~7月31日にロシアから約1万9000人が移住。
 イスラエルはもともと世界各地に散らばっているユダヤ人がイスラエルに戻ってくる(というより集まる)ことを願っているので、ロシアからの移住も歓迎していると思います。確かに急増すると、住居などの問題も出てくると思いますが、大きな社会問題にはならないでしょう。
   

 国連安全保障理事会は、露軍や親露派勢力が占領地でウクライナ住民に対して「ろ過作戦」と呼ばれる尋問を行い、「ウクライナ軍や政府の関係者、反露的なウクライナ住民が拘束されたり、拷問されたり、消息不明になっている」と報告しました。
 そのような目にあっているウクライナ人が、90万から160万人に上る、国外追放された人はサハリンやウラジオストクなどわざとウクライナから遠い「ロシア極東に強制移送されている」そうです。
 ロシアの国連大使は「ウクライナを支援する西側諸国が新たな偽情報キャンペーンを始めた」と反論しました。
 ウクライナ人の子どもがロシア人家庭の養子にされたりしています。暖かく育ててくれるならまだしも、養親の中には虐待したりする人もいるでしょう。新たな悲劇の始まりです。
 今は21世紀なので、もし自分が住んでいる国で戦争が起きたら、子どもの髪の毛を保管しておくとかして、行方不明になった場合、DNA鑑定をできるようにしておいたほうがいいのかと暗い気持ちになりました。


 ラトビア正教会が、ロシア正教会から分離する動きが出てきました。ウクライナ正教会と同じ道を進もうとしているようです。

 
 過去1年間にポーランドへベラルーシから1000人、ウクライナから1000人の医師が移住・就職しました。ポーランド保健省の発表によります。一方でベラルーシ人とウクライナ人以外の外国人医師はあまり転職してきていないようです。
 現在、ポーランドでは、ベラルーシとウクライナの医師に限り就職が簡素化されています。
 以前は、医大の卒業証書を確認し、大学院での経験を積み、専門職とポーランド語の試験に合格する必要がありましたが、現在はポーランドの医師免許を簡単な方法で取得できます。
 ベラルーシでは医療従事者が常に不足していましたが、1年間で1000人もポーランドへ移ってしまったら、ますます人手不足になってしまいます。
 昨年、ベラルーシ大統領自ら国内の医療関係者の人手不足について発言しました。
 今年4月には、保健大臣は、国外に医療従事者が流出していることを認め、その数を年間約200から250人としましたが、ポーランドだけで1000人がこの1年間に移住しているのですから、昨年後半から流出数が激増したと言えるでしょう。今年の5月にはウクライナ人医療従事者がベラルーシで就職できるよう、手続きや条件が簡素化されました。しかし、この制度に則ってベラルーシで就職したウクライナ人医療従事者は10数人ていどだそうです。

2022年9月7日。ウクライナ侵攻から197日目

2022-09-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月7日。
 昨日、有罪判決が出た日本人男性について、日本のマスコミでも報道されましたね。
 今までは20代の日本人男性とされていましたが、今回のニュースでは年齢が22歳だとはっきり報道されました。
 ですので、昨日の裁判で2005年から2020年までの間にアナーキスト活動をしていたという罪で裁くのはおかしいのです。2005年時点でこの人は5歳ですよ。5歳の子どもが反政府活動をしてたんですか。
 もっとも、この男性は10代からアナーキストのグループに入り、2020年8月時点ではリーダー格になっていました。大統領選挙前からのアナーキスト活動(と本人たちは真面目なんだろうけど、傍から見れば、フーリガン行為)を何度も繰り返し、もちろん2022年の大統領選挙結果に反対するデモに参加。そして前から革命を起こそうと準備していたので、全てまとめて16年の懲役刑という判決が出たのです。
 もっとも、確定ではなく、上告して減刑される可能性もあります。また恩赦により刑期が短くなることもありえます。
 模範囚なら刑期が短くなるかもしれません。しかし、昨日の裁判中、判決が言い渡された途端、政治的なスローガンを叫んだ被告もいたそうですが、そういうことはやめておいて、素直に反省した態度を見せればいいのに、と思いました。
 
 昨日の裁判のようすが画像撮影されて、メディアのニュースで見ることができましたが、この日本人男性は、横を向いていたり、裁判官に背を向けて立っていたりしているようすが写っていました。若さゆえにわざと反抗的な態度を取っているのかもしれません。
(日本だと法廷内スケッチ、つまり絵に描かれるのですが、ベラルーシではそのような規定はなく、マスコミが写真を何枚も撮影してそのまま報道します。傍聴席に座っている人も一部鮮明に顔などが写ってしまうこともあるのですが、日本だと問題ですよね。
 ちなみに2011年にミンスク地下鉄で起きた爆発事件の犯人の裁判は、国民の関心が非常に高いということで、裁判のようすが国営テレビで生中継されました。法廷内スケッチなんて概念そのものが、この国にはないんだとそのとき思いました。)

 今回の裁判で罰金刑が出ていますが、収監されるのが刑務所ではなく、更生施設です。
(これは分かりやすく説明すると日本の少年院と刑務所の中間のような施設。殺人などの重犯罪者へ刑務所の独房に入れられますが、軽犯罪者は更生施設に入れられることが多いです。ただし、未成年者が殺人を犯すと、刑務所ではなくこの更生施設に入れられるので、重犯罪者が全員刑務所に送られるとは断言できないです。)
 つまり刑務所の独房に入れられるわけでもないので、更生施設での懲役刑です。つまり刑務作業をします。それに対して賃金が支払われるので、罰金刑が出ている人は賃金をそのまま、罰金への支払いに充てることができます。もっとも賃金は安いので、逆に言えば長く服役して働かないと罰金を返せないことになります。

 本人の代わりに親族などが罰金を肩代わりすることもできます。
 ライアンエアー緊急着陸事件のとき、逮捕されたプロタセヴィチ氏の恋人で、同じく逮捕されたサペガ氏も6年間の更生施設での懲役刑と罰金刑の判決が出ましたが、すでに父親が全ての罰金を支払っています。サペガ氏はロシア国籍を持っていることもあり、6年より早く(早ければ3年、遅くても5年で)釈放される可能性が高いです。

 今回の日本人男性について、現地の日本大使館は、できる限りの支援をすると日本のマスコミの取材で答えていますが、この男性のお母さんが大使館員なんだから、もっと力を入れて支援のアクションを起こしてもいいのに、特に何もしていません。裁判の傍聴はしているだろうけど、ベラルーシのニュースを読んでも、今回の裁判で日本大使館の外交官が傍聴席にいたとは、どこのメディアも書いていません。それぐらい目立たないということです。日本の外務省も判決のニュースにコメントを出しているように見えないです。(私が把握していないだけかもしれませんが。)
 スイス国籍のベラルーシ人が大統領選挙反対デモに参加して、逮捕されたときは、スイス政府側が早急の釈放を求め、それがニュースになり、実際には早めに釈放されたときは、更生施設前までスイス人外交官が出迎えに来るほどでした。
 日本政府側が、この日本人男性に支援しづらい立場になっているのは、やはり罪状の内容が内容だからです。大統領に反対だとデモに行ったらたまたま逮捕された、というのではなく、もう何年も前からアナーキスト活動、革命運動という名のフーリガン行為を繰り返していた人物に、早期釈放を、と求めたら、ベラルーシ政府側から、我が国の法令や罰則規則を尊重しないのか?と日本政府が叱られます。
 できる限り支援をしますと言ってても、どうしようもないです。できる限りの支援をすると言っても、実際には何もしないでしょう。無力だからです。
 とにかく上告して、刑期が少しでも短くなることをまずは試してほしいです。

 ちなみにベラルーシでは、逮捕から判決が確定するまでの、いわゆる中途半端な立場の状態で勾留されているとき、その間の食費を国に支払わないといけません。
 服役中の食費は税金から出るけれど、服役が始まるまでの間、つまり、取り調べ中留置場にいる間の食費は本人負担です。
 だから、逮捕されたらすぐに裁判が始まって、すぐに結審してしまうほうがいいのです。
 また、昨日の投稿記事に書きましたが、身柄拘束中の期間も服役の期間に含めて計算するというシステムがあるので、求刑が懲役一ヵ月の裁判は優先して早くしてくれるのですが、今回のように求刑15年クラスの裁判だと、後回しにされてしまい、逮捕されてから2年以上経ってやっと判決が出る・・・ということになります。その間の食費を払わないといけません。
 今のベラルーシはしなくてはいけない裁判が山盛りあるので、いつどの裁判をするのか決めるだけでも大変だと思います。こうしてどんどん時間が経ってしまいそうです。

 
 リトアニア、ラトビア、エストニアは、ロシアとベラルーシとの国境を越えたロシア国民の移動を制限することについて原則的に合意に達した と ラトビア外務省が発表しました。
 このニュースを読んでどきっとしたのですが、ベラルーシ国民の移動の制限はなさそうです。今のところ。


 ロシア大統領は、ウラジオストクで開催中の第7回東方経済フォーラムの全体会合で演説し、
「ロシアは何も失っていない。むしろ主権を強化した。」
と強調しました。
「われわれは軍事作戦を始めたのではなく、(2014年以来の危機を)終わらせようとしている。」
と主張。(あれ? ウクライナ侵攻のことは特別軍事作戦と呼んでいませんでしたっけ? 戦争と呼ぶのはいけないんですよね?)
 演説では、欧米の制裁がロシアではなく、全世界に脅威をもたらしているとしています。
 食料輸出国ロシアを標的とすることで「人道危機につながる」との持論を展開。
 対ロ制裁に加わっていない中国やインドを含むアジア太平洋地域などとのつながりを念頭に、欧米は、
「ロシアを孤立させることはできない。」
と話して、ロシア国民を安心させようとしています。ロシアは一人ぼっちじゃない、と言いたいわけです。

2022年9月6日。ウクライナ侵攻から196日目

2022-09-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月6日。
 ミンスクはもう秋が来たようです。

 2020年大統領選挙の際、日本人男性を含む10人のベラルーシ人アナーキストが革命を起こそうと活動していたことにより逮捕され、去年11月に始まった裁判について、今日ミンスク市裁判所で判決が出ました。
 罪状により、5 年から 17 年の懲役刑とそれぞれ判決が異なるのですが、日本人男性は16年の懲役刑を言い渡されました。
 ベラルーシでは逮捕されてから身柄を拘束されていた期間もこの懲役刑の期間の一部として計算します。2020年に逮捕されたので、出所できるのは2036年8月という計算になります。
 
 最も重い量刑だったのは、ベラルーシ・アナーキストのリーダー、アレクサンドル・フランツケヴィチで、17年の懲役刑。日本人男性は1年短いだけです。
 10人のうち4人がリーダー格と見られ、12年以上の懲役刑で、残りの6人は5年か6年の懲役刑です。
 またこの4人には2万2400ベラルーシ・ルーブルの罰金も課せられました。日本円にしておよそ120万円です。(残りの6人も全員罰金が課せられましたが、リーダー格の4人より少ない額です。)
 最も重い刑が出たフランツケヴィチ被告ですが、具体的には更生施設での17年間の懲役刑で、最も厳しい条件下で監視されます。(面会などの制限が多いタイプ)そして罰金刑。
 日本人男性は更生施設での16年間の懲役刑で、次に厳しい条件下。そして罰金刑。
 10人の被告の中で唯一の女性の被告人は更生施設での15年間の懲役刑で、あまり厳しくない条件。そして罰金刑。
 4人目のリーダー格は更生施設での12年間の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさ。そして罰金刑。
 残りの6人は更生施設で5年か6年の懲役刑で、日本人男性と同じ厳しさの条件下。そして上記4人より少ないものの罰金刑・・・となっています。
 
 リーダーのフランツケヴィチ被告は前科もあり、今回の裁判での罪状を全て合計すると100年以上服役しなといけないほど多くの犯罪をしてきたことになっていますが、ベラルーシはアメリカのように刑期を加算することはないので、最も重い量刑の17年に決まったようです。同じように日本人男性の16年の懲役刑も計算されたと思われます。(私は裁判を傍聴したわけではないので、細かい点はよく分かりません。)
 判決によると、リーダー格の4人は資金調達をし、それを使って様々な道具を購入、あるいは製造し、政権転覆のために使い、革命を起こそうと目論んでいた、これまでも(大統領選挙前からの)2005年から15年間に渡り、フーリガン行為や反政府活動を繰り返していたことが有罪判決につながったそうです。今20代の日本人男性が2005年から15年間もアナーキストだったとは思えないのですが、とにかくベラルーシでの反政権的工作活動を全て引っくるめて裁いたという形になっています。
 日本人男性がどうしてベラルーシのアナーキストグループの、しかもリーダー格になったのか、私には理解できません。
 判決が言い渡された後、被告人の何人かは政治的なスローガンを叫びました。アナーキストなので何かの機会につけて主張したくなるのは分かりますが、裁判所でこういうことはしないほうがいいですよ。
 10人の被告は上告できるので、今回の判決が将来変わる可能性は十分あります。おそらく上告するでしょう。してほしいです。
 

 ベラルーシ内務省は、2020年以降にベラルーシを出国した反政府派のベラルーシ人は、国籍を剥奪し、ベラルーシへの入国を30年間禁止する法律を作ることについて協議中であることを明らかにしました。
 野党のチハノフスカヤ氏など、30年間帰国できないということになります。


 ザポリージャ原発に調査団を派遣した国際原子力機関は報告書を公表しました。それによると、核燃料貯蔵用の建物や放射性廃棄物の保管施設、警報システムを収容する建物などに損傷があり、原発の安全な運用に不可欠な外部からの電力供給が数回にわたって遮断されたことも指摘しました。
 現時点では緊急事態を引き起こしてはいないとしながらも、原子力の安全に対する継続的な脅威であり、重大事故を引き起こす可能性があるそうです。
 さらに原発のタービン建屋内でロシア軍とその設備を発見したとも指摘しました。軍用車両が駐車されるなどしていたそうです。ロシア政府は原発を警備する部隊は駐在していると主張しています。
 また、発電所を運営しているウクライナ人スタッフの労働環境について「常に高いストレスとプレッシャーにさらされている。これは持続可能ではなく、原子力の安全性に影響を与えるヒューマンエラーの増加につながる可能性がある」と指摘しました。(職員の方々に心から同情します・・・。)
 国際原子力機関は、原発と関連施設へのさらなる被害を避けるため、周辺での砲撃を直ちに停止するよう勧告しましたが、ロシアとウクライナ双方が相手に攻撃の責任があると非難し合っています。報告書は責任の所在については触れていませんが、この調査団の目的は原発に攻撃したのは誰なのか調べることではないので、当然ですね。



 日本のデジタル庁は今日、政府の法令や行政手続きを調べられる総合サイト「e―Gov(イーガブ)」でシステム障害が起きていると明らかにしました。ロシアのハッカー集団「キルネット」が日本へのサイバー攻撃を発表しています。他にもミクシィや名古屋港などもサイバー攻撃を受けたと思われる障害が起きています。
 モスクワでは9月1日、タクシー配車アプリ、ヤンデックス・タクシーがハッキングされました。数十台のタクシーが同じ場所に呼び出されて大渋滞を引き起こしています。アノニマスはツイッターで「ウクライナのIT軍と協力して実行した」と主張しています。
 これからこのようなサイバー攻撃が当たり前のように行われるでしょう。21世紀の戦争だなと思います。

2022年9月5日。ウクライナ侵攻から195日目

2022-09-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月5日。
 今日、ミンスクは少し寒かったです。

 ザポリージャ原発で再び砲撃があり、稼働中の最後の原子炉が送電網から切り離されたとウクライナ国営の原子力企業「エネルゴアトム」は今日、明らかにしました。
 この砲撃による火災で予備の送電線が損傷し、稼働していた最後の原子炉が送電網から切り離されましたが、内部の発電機を使って電力の供給は続いているということです。
 ウクライナのエネルギー相はSNSで、「戦闘が続いていて送電線の修復は不可能だ」としたうえで、「世界は再び原発事故の危機に瀕している」と懸念を示しました。
 ロシア国防省は砲撃はウクライナ軍によるものだと改めて強調し、「ウクライナ軍がザポリージャ原発で挑発行為を続けている」と非難しました。

 エネルホダル市は、ウクライナ軍の攻撃により、ザポリージャ原発の特別施設や発電所近くの蒸留水が貯まったタンクが損傷したと報告しました。
 死傷者はなく、技術的な問題もないそうです。


 日本のニュースを見ていると、ウクライナがロシアに占領されていた地域を奪還した、そこでウクライナ国旗が掲揚されたとか報道されています。
 しかしロシア発のニュースでは、ウクライナの反撃は失敗している、ウクライナ兵士が○○人死んだ、ウクライナ政府は橋を破壊したと発表しているが、実際には穴がちょっと空いただけで、通行はできている。はしけに乗っている民間人を攻撃するので、ウクライナ軍は非道である・・・といった報道がされています。


 ヘルソン州で実施予定のロシア編入の是非を問う住民投票について、ロシアが設置した行政当局者は今日、治安情勢を理由に一時停止されたと発表しました。交通や輸送に問題があるからだそうです。本当の理由は別にあるかもしれません。
 


 辞任あるいは長期休暇を発言したチェチェン共和国のカディロフ首長について、ロシア大統領報道官は、まだ辞任していないし、今もチェチェン部隊を率いていると述べました。カディロフ首長がやめてしまうのは困るということでしょうか。ということは、ロシアがやめさせようとしているわけではないということですね。


 ベラルーシ副首相はEU諸国のエネルギー危機により、ベラルーシにチャンスが訪れたと発言しました。現在、ベ偉ルーシでは木質ペレットを大量に生産しており、薪代わりにヨーロッパに輸出する(利益につながる)準備ができているそうです。天然ガスの価格高騰で、困っている西側の国のうち積極的に購入する国が出てくるでしょうか。


 ロシア政府は5日、ウクライナ侵攻を批判しているアメリカ俳優のベン・スティラーさんとショーン・ペンさんを制裁対象に加えました。


 「日出づる国」は日本ではなくロシアだとプーチン大統領は5日、訪問先の極東カムチャツカで若者の自然保護団体のイベントに出席した際に述べました。カムチャツカが日本より東にあるからだとしています。
 またロシア政府は日本人と北方領土住民による「ビザなし交流」に関する合意を一方的に破棄する政令を出しました。
 プーチン政権は、ウクライナ侵攻をめぐって欧米と協調して対ロシア制裁を発動した日本を「非友好国」に指定しているので、当然の決定なのかもしれません。
 政府のポータルサイトで発表された政令は「1991年の日ソ外相間の往復書簡による(四島交流の)合意、ならびに99年の日ロ間の(口上書による自由訪問の)合意の効力を停止する」と説明しました。91年の合意を提案したゴルバチョフ元ソ連大統領は8月30日に死去しました。

2022年9月4日。ウクライナ侵攻から194日目

2022-09-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年9月4日。
 ザポリージャ原発で国際原子力機関が調査中。ロシア軍占領地域から発射されたとみられるロケット弾の残骸についてロシア側専門家が、
「ウクライナ軍のロケット弾が奇跡的に180度回転した。」
と調査団に強弁する動画が拡散しています。
 論理がめちゃくちゃですね。
 調査団が滞在しているのが分かっているのに、原発への砲撃は止まらないので、もしかすると砲撃している部隊はニュースも見ていないし、上層部から情報ももらっていないので、調査団が来ていることすら知らないのでは?と思います。
 しかも調査団にサングラスにスキンヘッドの怪しげな男性がロシア側の人間として、ずっと同行しています。
 日本の報道によると、ロシア国営原子力企業「ロスアトム」の社長顧問で、ロシアメディアでは原子力専門家と紹介しているが、実は原子力とはまったく関係がない人物で、裏工作のプロだそうです。
 ウクライナ側は今回の調査団訪問について懐疑的で、これで状況が良くなるとは期待していないようです。
 国際原子力機関はザポリージャ原発に専門家2人を常駐させるそうですが、かえって人質扱いになり、足手まといにならないか心配です。
 

 ドイツではケルン市民の親ロシア派による大規模なデモが行われました。ドイツには親ロシア派が一定数いるんですね。日本では親ロシア派のデモなんてありえないですよね。対ロシア制裁の解除と、Nord Stream2の実施、ウクライナへの武器供給の即時停止と、光熱費の値下げを要求しました。
 チェコの首都プラハでも昨日、約7万人が参加して、国民よりもウクライナにばかり関心を払っていると政府を批判するデモが行われました。


 ウクライナ国防省情報総局は、クリミア半島の住民に対しロシア軍が移動などした場合、詳細な情報を伝えるよう協力を求めました。
 クリミアで協力的な住民と非協力的な住民に分かれるかもしれません。
 協力的な住民はパルチザン化(ゲリラ化)したり、地下活動をしたりするようになる可能性があります。
 住民の間で分断が起きるのだろうと思います。これから人間関係が崩れていくでしょう。


 ロシア軍は通信にロシア語ではなく、トィバ語(トゥヴァ語)を使用しているため、ウクライナ軍は解読できないとロシア国防省が明らかにしました。要するに暗号化する代わりに外国語を使用しているということです。
 でも、そんなことを公表したら、ウクライナの中にもトィバ語ができる人がいるだろうし、暗号が解読されてしまいます。どうして国防省はそんなことを今になってしたんでしょう。もしかすると今後は別の言語を使うのか、別の暗号化する方法を採用することになったので、秘密を明らかにしても大丈夫だと判断したのか。
 ロシア国防大臣はトィバ出身なので、それでこの言語が選ばれたようですね。

 

2022年9月3日。ウクライナ侵攻から193日目

2022-09-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2022年9月3日。

 チェチェン共和国の首長、カディロフ氏が辞任すると発表。長く首長の座に居続けた、しばらく休みたい、それは無期限とか、ビデオメッセージで話しています。
 何があったのか? ちょっと前まで、ウクライナなんてもうすぐ落とせるとか、小馬鹿にした発言をしていたのに・・・。実はロシア大統領からやめさせられたとか、やめさせられる前に自分からやめると言ったとか、ロシアに勝ち目がなさそうなので、逃げることにしたとか、いろんな憶測が飛んでいます。
 今後の戦局に影響が出そうです。

 
 軍兵士を増強させる予定のロシア。しかし、かなり実現は難しそうです。
 ロシアは国鉄職員1万人を兵士にする計画を立てているようです。今、鉄道関係で仕事をしている人はどう思っているのでしょうか。こんな方法で数だけ兵士を増やしても強い軍隊になるわけないです。
 それに今は21世紀。軍人の数が少なくても強力な武器を持つほうが効果的では・・・と思います。
 ともかくこの調子だと、各方面の企業に「あんたの会社からは○○人差し出せ。」と人数を割り振って要請してきそうです。企業が国営だったら、断れません。ベラルーシにも割当の人数が通達されそうで、その可能性は十分あります。何のためにわざわざ極東地域で合同の軍事演習をしているのか、と言われたら、反論できません。
 

 ベラルーシ農業大臣によると、今年のベラルーシの食料輸出は、初めて80億ドルに近づく可能性があるそうです。去年は67億ドルに達していたので、この予測が当たれば、食料輸出が大幅に伸びたことになります。つまり輸出利益が増えるので、ウクライナ侵攻の影響で食料高騰、いや食糧危機が起こる?と世界が心配している中で、ベラルーシは勝ち組になりそうです。ただこの予測が当たるかどうか分かりません。また利益を求めて輸出しすぎて、国内で初期両不足が起きる可能性もあります。

 
ドネツク州内で昨日、ロシア側による3日の攻撃により民間人4人が死亡し、2人が負傷しました。ミコライウ州知事は4日、州内の民家をロシアが3日、ミサイル攻撃し、子ども1人が死亡、子ども3人を含む4人が負傷したと発表しました。


 チェルニーヒウ市内で武器の展示会を開催していたところ、展示されていたグレネードランチャーを見学していた子どもが触ったら稼働。爆発を起こし、2歳から12歳の子供4人を含む5人が負傷しました。特に2歳の子どもは重症です。
 こんな事故で死にたくないです。どうして稼働する武器を子どもが大勢集まる展示会場に展示するのでしょう。おそらく事前のチェックミス?と思っていたら、主催者側(領土防衛軍の軍人)が安全装置を外していたようです。
 もう武器などに近づかないほうがいいですよ。チェルニーヒウ市議会は、この展示会に対して正式な許可を出しておらず、開催通知さえも受け取っていないと話しています。ウクライナ軍が主催者ということになっているのですが、軍から市に通達していなかったんでしょうか。