たまに釣行記

たまに関門や山陰に行ってアオリイカを釣ろうとするもたまにしか釣れない釣行記

伊豆エギング春2回目:奇跡の1杯(2011年4月中旬)

2011-09-06 | エギング釣行

春も本番になり、大型がねらえるシーズンの到来です。

キロを超えるようなアオリを直接見たことはありませんでしたが、
ネット上で、大型を釣り上げている動画は色々見ていました。
心惹かれたのは、堀田光哉さんが南伊豆で3キロのアオリを釣るシマノTVの動画
ロッドが低く弧を描き、ドラグがうなる。エギンガーの「夢の瞬間」です。

でもこれは経験を積んだエキスパートの世界の話。
自分の目標は、秋より釣れにくいと言われる春に、
とにかく1杯釣ることです。ついでに自己記録(520g)を更新できれば、
理想のシーズン開幕戦になります。

東伊豆某港。前回にならって夕方4時半頃から始めます。
やや強めの風との予報でしたが、着いてみるとひどい強風です。
釣り人は誰もいません。
堤防先端付近から外洋向けにキャストします。

追い風なので飛距離は出ます。
が、落水の恐れがあるので、いつもより水際から一歩退いて立ちます。
そのため竿先を足元水面に向けるいつもの構えが出来ず、調子が狂います。

さらに、追い風はロッドとラインを持ち上げるように煽るので、
エギからの情報を受け取っている実感がほとんどありません。
釣りが成立しない状況とはこういうことかもしれません。

それでもせっかく来ている以上、即撤退はできません。
風の様子を見て、キャスト、様子見、キャスト、様子見、と繰り返し、
1時間ほど過ぎると、風が少し弱まりました。

そのお陰で、水際でもしゃがみ込んだ姿勢なら落水の危険は感じません。
この姿勢で、竿先をなるべく海面に近づけて保持すれば、
ロッド、ラインへの追い風の影響も少なくなります。
これでいつもの釣りの感覚に近づきました。

キャストを繰り返し、30分程経つも反応はありません。
強風に吹かれ続けて体が冷えてきました。
しゃがんだ姿勢の保持が体力を奪うためか、
段々と集中力が無くなっていきます。

そろそろ一時撤退かな、と思いました。
最後のエギチェンジをおこなって、
これを何回か投げたら撤収しようと決めます。

一投目。着底。ジャーク、フォール、ずる引き。しゃくり、フォール、ずる引き。
集中力が無いので、一番シンプルなパターンを機械的に繰り出すことしか出来ません。
二投目。着底。ジャーク、フォール、ずる引き。しゃくり、フォール、ずる引き。
最後のずる引きで、ラインにテンションが出ます。

合わせを入れました。するとどうでしょう!
ロッドが大きく曲がり、ドラグがうなりをあげます。
強い重量感で、ラインが勢いよく沖に向けてズゴーーーンと引かれていきます。

最初の走りがなかなか止まりません。スプールからどんどんラインが
無くなっていくのを見て不安になります。実際どれくらいラインが出たか
分かりませんが、感覚的には15m位走られた気がします。
ようやく止まりました。ドラグを少し締めて、ゆっくり寄せます。

タモはセッティング済みでした。
寄せながら、タモを伸ばして、取りやすい位置にスタンバイさせます。
寄せてくる間、2、3度小さく走られましたが、大きな反抗はありません。
でもやたら重いのです。

水面に浮いてくる様子はありません。
パワーの弱いロッドで、バットから曲がりきっているので、持ち上がらないのでしょうか。
姿が見えないので、ある疑念が頭に浮かびます。これはアオリなのか?
もしかしたら、巨大なコウイカ類とか…

足元まで寄せてきました。薄暗い時間帯なので、水面付近まで上げないと
姿が見えません。見えました。といっても白い花びらのように開いた足だけが
見えました。見えたと同時に、真下にゴーーーンともぐります。
再び巻き上げ、白い足が見えたところで、タモを入れます。

タモを近づけると、また真下にゴーーーンともぐります。大量の墨が吐かれます。
再度水面まで巻き上げ、もぐられてもいいようにタモを深めに差し入れて、
すくいあげます。入りました。ランディング。
湯船に浸かった時のような「う゛あ゛ーー」という声が出ます。
緊張が一挙に解けたのです。

タモの上で横たわるこのイカは何イカなのか。
裏返った胴体が白々としています。
ひっくり返して表にします。見慣れたベッコウ色を見て、疑念は晴れました。

P10000912

胴長46cm、重量約3.2kg(現地釣具店計量)のアオリイカです。

これ以上何もする気が起きず、納竿です。

【メモ】
・ヒットエギは墨族ノーマルタイプのレッドクリア4号です。
・釣れたのは満潮直前でした。
・天気は曇りで、少し薄暗い時間帯でした。

【振り返る】
予期せぬ大型が釣れました。
前回の教訓からタモの準備が出来ていたのはラッキーでした。
ほぼ満潮だったこともあって、思ったより楽に取り込めました。

たまたまひとつだけ持っていた4号のエギで釣れました。
「大型には大きなエギ」というセオリー通りになった形ですが、
狙っていたわけではなく、カラー選択でたまたまそれを選んだ結果でした。
でもこれ以降は、このセオリーに引きずられて、
4号のエギを必ず1、2本携行するようになりました。

まさか自分が、ネットの動画で見ていた「夢の瞬間」と
同じ状況におかれるとは思いもよりませんでした。
貴重な経験を与えてくれた伊豆の海にとにかく感謝しました。

今回の釣果は、さまざまな条件がたまたま重なった偶然・奇跡だと思いました。
技術・経験・知識の無さ。これは言うまでもありませんが、
なによりも、大型を全くねらっていなかったのです。まさしくまぐれの釣果でした。
いつか大型をねらって釣りたい。これが自分にとっての遠い目標になりました。

コメント
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