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始業前の準備行為・準備時間が労働時間と認められなかった判例

2025-01-19 13:30:27 | 法律

労働時間の定義と判断基準

労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を指します。そのため、始業前の準備行為が労働時間に該当するか否かは、以下の点が考慮されます。

  • 使用者からの明示的な指示の有無: 準備行為が使用者から明確に指示されている場合、労働時間と認められる可能性が高まります。

  • 業務遂行上の必要性: 準備行為が業務を円滑に進めるために不可欠であり、労働者の裁量で行うものではない場合、労働時間と判断されることがあります。

関連する判例

  1. **三好屋商店事件(東京地裁昭和63年5月27日判決)**

    • 始業前の出勤時刻について、労働者が余裕をもって出勤することで始業後直ちに就業できるように考えた任意のものであったと推認され、労働時間とは認められませんでした。
  2. **イーライフ事件(東京地裁平成25年2月28日判決)**

    • 始業時刻よりも前の打刻について、特別の事情が認められない限り、始業時刻をもって業務開始時刻と認めるのが相当とされました。

これらの判例から、始業前の準備行為が労働時間と認められるか否かは、使用者の指示の有無や業務上の必要性、労働者の任意性など、具体的な状況により判断されることが分かります。

まとめ

始業前の準備時間・準備行為が労働時間と認められるかどうかは、個別の状況に依存します。使用者としては、就業規則や業務指示を明確にし、労働時間の管理を適切に行うことが重要です。労働者としては、自身の準備行為が業務上必要不可欠であり、使用者の指示によるものであるかを確認し、疑義がある場合は労働基準監督署や専門家に相談することをおすすめします。



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