労働基準法に基づく付加金の制裁基準が争われた主な判例を以下に挙げます。
1. **朝日急配事件(名古屋地裁昭和58年3月25日判決)**
36協定を締結せずに従業員に時間外労働や深夜労働を行わせ、その割増賃金の支払いを怠った事例です。裁判所は、使用者の行為が悪質であると判断し、付加金の支払いを命じました。 ([uenishi-sr.jp](https://uenishi-sr.jp/20240923-2/?utm_source=chatgpt.com))
2. **H会計事務所事件(東京地裁平成22年6月30日判決)**
管理監督者ではない従業員に対し、長時間の時間外労働を行わせ、割増賃金を支払わなかった事例です。裁判所は、使用者の行為が悪質であると認め、付加金の支払いを命じました。 ([uenishi-sr.jp](https://uenishi-sr.jp/20240923-2/?utm_source=chatgpt.com))
3. **ゴムノナイキ事件(大阪高裁平成17年12月1日判決)**
会社がタイムカードを導入せず、出退勤管理を怠った結果、長期間にわたり超過勤務手当が支給されず、労働基準監督署から是正勧告を受けていた事例です。裁判所は、使用者の対応が不誠実であると判断し、付加金の支払いを命じました。 ([uenishi-sr.jp](https://uenishi-sr.jp/20240923-2/?utm_source=chatgpt.com))
4. **Aラーメン事件(仙台高裁平成20年7月25日判決)**
会社が従業員の雇用期間を通じて時間外手当の支払いを怠り、元従業員からの請求にも誠意ある対応をしなかった事例です。裁判所は、使用者の行為が悪質であると認め、付加金の支払いを命じました。 ([uenishi-sr.jp](https://uenishi-sr.jp/20240923-2/?utm_source=chatgpt.com))
5. **江東運送事件(東京地裁平成8年10月14日判決)**
会社の未払い賃金が、労働基準法の知識不足によるものであり、悪質性が低いと判断された事例です。裁判所は、付加金の支払いを命じることは酷であるとして、付加金の支払いを命じませんでした。 ([uenishi-sr.jp](https://uenishi-sr.jp/20240923-2/?utm_source=chatgpt.com))
これらの判例では、未払い賃金の金額や期間、使用者の対応の誠実さなどを総合的に考慮し、付加金の支払いが命じられるか否かが判断されています。特に、使用者の行為の悪質性が高い場合、付加金の支払いが命じられる傾向があります。