グアンタナモ、僕達が見た真実

【注!】ネタバレあり。

グアンタナモ、僕達が見た真実』のDVDを観ました。

【STORY】
アシフ、ローヘル、シャフィク、ムニールは、
パキスタン系イギリス人の青年たち。

裕福な生活とは言えないが、
それなりに楽しい毎日を送っていた。

アシフは結婚式を挙げるため、
3人を誘ってパキスタンへと向かう。

パキスタンへ到着した彼らは、隣国アフガニスタンの
実情を知るため、国境を越える。

ほんの好奇心だった……。

だがアフガニスタンで米軍による空爆が始まり、
アシフたちは混乱に巻き込まれ、ムニールが行方不明に。

残りの3人は、タリバンに間違えられ捕虜となり、
やがて米軍によって、キューバのグアンタナモ基地へ
移送される。

そこで待っていたのは、まるで生き地獄のような
日々だった……。


グアンタナモ基地で捕虜に対して非人道的な
扱いが行なわれたという話は、雑誌で読んだりして
漠然とは知っていましたが、もっと真実を知りたいと思い、
この作品を観ました。

アシフたち本人のインタビューを交えながら、
再現ドラマを展開させるという手法が、
実に淡々としていながらも、妙に真実味がありました。

まるで、ドキュメンタリーを観ているようでした。

非人道的な扱いを受けるアシフたちに、
救いの手を差し伸べるヒーロー的な人物が
現れないところが、ノンフィクションというカンジがします。

フィクションだったら間違いなく、ヒーロー的人物が登場し、
彼らを助けたハズ。

しかし実際には、誰一人として、
「タリバンとは無関係
」と主張するアシフたちの言葉を
信じる者はなく、ただひどい拷問を繰り返すだけ。

いつか自由になれる日を信じて、無実を訴え続けた
アシフたちの精神力は強靭だと思いました。

死ぬほどツラい日々のなかで思い出すのは、
みんなでピザを食べている姿だったりするんです。

ホントに、♪なんでもないようなことが幸せだったと思う♪
っていうカンジ。

きっと自分も、同じような状況に追い込まれたら、
何気ないこの普段の生活を幸せだったと
思うんでしょうね。

人は、不幸な目に遭わないと、
自分の幸せに気づかないモノなのかも……。

アシフたちを誤って捕虜にしたことに気づいても、
米軍が決して謝罪することがなかったのには
驚きました。

2年余りも、無実の罪で収監したのにですよ?

ついつい、9.11のテロによって悲しみのどん底に陥った
アメリカに同情の念を寄せてしまいますが、
そのアメリカが、罪のない人々にひどい仕打ちをした
という事実にも目を向けなくてはなりませんね


テロや戦争からは、憎しみ以外は生まれないのだと、
改めて痛感しました。

9.11のテロがなければ、アシフたちが
あんなひどい目に遭うことはなかったでしょう。

いろいろなことを考えさせられ、
この作品を観てよかったと思います。

グアンタナモ、僕達が見た真実
東北新社
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