◇◇◇三菱・ギャラン・ヴィエント
[1994年10月から2009年9月まで子育て時代を支えてくれた]◇◇◇
[1994年10月から2009年9月まで子育て時代を支えてくれた]◇◇◇
▼スペック編
四輪車として4台目を「三菱ギャラン・ヴィエント1800」に決めたのは、色々な観点から吟味の上でではあったが、あくまでもパンフレットなどから得られたデータや図式による諸元に基づく机上のものであり、事前に現車に試乗できる機会というのが得られなかった。
足を使って探し回れば可能であったのかもしれないが、当時の私は平日はもとより土日も残業や行事があったりで車の展示を探して回るいとまが無かったし、今日のようにネットで最寄りの現車展示店を効率的に探すこともできなかったのだ。更に、購入店は亡き父が勤めていて顔なじみの営業マンがいた柏崎市の店舗に決めていたので、もっぱらその人とのやり取りで物事を決めていたのだ。
なので、納車と初乗りが待ち遠しくてしかたなかった。試乗無しで手にしたのはこれまで乗り継いできた3台とも同様なのだが、自ら選びようがなかったこれまでと異なり、今回は自分で色々と調べて検討して決めた一台。思い入れがひとしおなのだ。
1994年11月初旬の土曜日であったか。柏崎市の実家で待機していると、所定の時間に玄関の呼び鈴が鳴った。玄関前の駐車スペースに飛び出ると、三菱ギャラン・ヴィエント1800が、マフラーから薄く白い煙をくゆらせ、規則正しく穏やかに脈打つような低い排気音を響かせていた。
「思ったより大きい」が第一印象だが、テレビCMやパンフレットでも目を引いていた車体の、特に前部フェンダーからトランク周りのテールに至る部分の、グラマラスな曲線のラインは、実物を見て改めて魅了される形状であった。この膨らみが3ナンバー規格のなせる業なのかもしれない。単なる見た目ではなく、ドアの内部に横からの衝撃を緩和するアブソーバーを仕掛ける空間づくりにも資するデザインということのようなので、更に好感が高まる。
一刻も早く運転したかった私は、車検証などの書類の引き渡しと車両取り扱いの簡単な説明を受けると、なじみの営業マンを早々に見送り、運転席に乗り込んだ。運転席のシートのホールド感は、3ナンバー車ゆえの余裕サイズによるものなのかもしれないが、廉価モデルとは言えやはり三菱自動車の代表格であるギャランであることを感じさせる上質さであり、これまで乗り継いできたランサーなどよりは一段格上だよと言わんばかりの様であった。
実家の車庫前の駐車スペースから県道に乗り出すと、広々とした長い直線を試したくて、国道116号の4車線道路、いわゆる西山バイパスに入った。三桁国道ながら高速道路並の幅と直線を走らせられる区間で、慣らし運転には最適であり、歴代の愛車達もここがデビューコース。片側二車線なので急ぐ車は追い越させてじっくりと自車の細部にわたるコンディションなどが把握できるというもの。といいつつ、広い直線に入ると、信号停止からの初速の立ち上がり具合とか、60km/hに入るまでの加速感とか、けっこう”やんちゃ”な扱いをしてしまうのだが…。
とにかく加速は良い。停止状態から思い切ってアクセルをベタ踏み近くまでにすると、大げさでなく駆動輪である前輪が空転するような音と振動が伝わる。FF車なのでエンジンの重さが駆動輪を圧着させているのではと思うが、とにかくアクセルと駆動輪の反応の直結ぶりに驚く。この型のギャランにマイナーチェンジされてからのTVコマーシャルでは、第一義的な魅力である車体のデザインよりも、エンジンのストレスのなさやどこまでも伸びやかな力強さを強調するものになっていた。型式は忘れてしまったが新たなエンジンシリーズは三菱自慢のプロダクトだったのかもしれない。
そして何よりも走行安定性と広々した居住空間の静けさ。3ナンバー車として車輪の横幅や前後ろ幅が広いことが大きいのであろう。先代のランサー・フィオーレのようなバタバタ感がなく、どこまでも長時間乗り続けていけそうなのだ。確かにFFで3ナンバーということで右折左折の取り回しはやや大きくなってしまうが、それも考えようによっては大人としての運転術の余裕を身に着けさせようとする仕掛けのようでもある。
興奮冷めやらぬまま実家に戻り、ボンネットを開けて見ると、なんともスカスカしたエンジンルームで地べたがあちこちから見えるほど。本来は2.5リッター程度のでかいエンジンを積めて、ターボやら色々と仕込める空間なのであろう。私が購入したヴィエントは最もシンプルな、いわば”お買い得版”なので1.8リッターのコンパクトなエンジンが控えめに置いてあるといった風情だ。
それでも、機器がシンプルなことで車重が軽くなっているのだろう。この頃開発されたエンジンは相対的に見て強力なものであり、その組み合わせが駆動輪たる前輪を簡単に空転させてしまったのも頷けたのだ。
足を使って探し回れば可能であったのかもしれないが、当時の私は平日はもとより土日も残業や行事があったりで車の展示を探して回るいとまが無かったし、今日のようにネットで最寄りの現車展示店を効率的に探すこともできなかったのだ。更に、購入店は亡き父が勤めていて顔なじみの営業マンがいた柏崎市の店舗に決めていたので、もっぱらその人とのやり取りで物事を決めていたのだ。
なので、納車と初乗りが待ち遠しくてしかたなかった。試乗無しで手にしたのはこれまで乗り継いできた3台とも同様なのだが、自ら選びようがなかったこれまでと異なり、今回は自分で色々と調べて検討して決めた一台。思い入れがひとしおなのだ。
1994年11月初旬の土曜日であったか。柏崎市の実家で待機していると、所定の時間に玄関の呼び鈴が鳴った。玄関前の駐車スペースに飛び出ると、三菱ギャラン・ヴィエント1800が、マフラーから薄く白い煙をくゆらせ、規則正しく穏やかに脈打つような低い排気音を響かせていた。
「思ったより大きい」が第一印象だが、テレビCMやパンフレットでも目を引いていた車体の、特に前部フェンダーからトランク周りのテールに至る部分の、グラマラスな曲線のラインは、実物を見て改めて魅了される形状であった。この膨らみが3ナンバー規格のなせる業なのかもしれない。単なる見た目ではなく、ドアの内部に横からの衝撃を緩和するアブソーバーを仕掛ける空間づくりにも資するデザインということのようなので、更に好感が高まる。
一刻も早く運転したかった私は、車検証などの書類の引き渡しと車両取り扱いの簡単な説明を受けると、なじみの営業マンを早々に見送り、運転席に乗り込んだ。運転席のシートのホールド感は、3ナンバー車ゆえの余裕サイズによるものなのかもしれないが、廉価モデルとは言えやはり三菱自動車の代表格であるギャランであることを感じさせる上質さであり、これまで乗り継いできたランサーなどよりは一段格上だよと言わんばかりの様であった。
実家の車庫前の駐車スペースから県道に乗り出すと、広々とした長い直線を試したくて、国道116号の4車線道路、いわゆる西山バイパスに入った。三桁国道ながら高速道路並の幅と直線を走らせられる区間で、慣らし運転には最適であり、歴代の愛車達もここがデビューコース。片側二車線なので急ぐ車は追い越させてじっくりと自車の細部にわたるコンディションなどが把握できるというもの。といいつつ、広い直線に入ると、信号停止からの初速の立ち上がり具合とか、60km/hに入るまでの加速感とか、けっこう”やんちゃ”な扱いをしてしまうのだが…。
とにかく加速は良い。停止状態から思い切ってアクセルをベタ踏み近くまでにすると、大げさでなく駆動輪である前輪が空転するような音と振動が伝わる。FF車なのでエンジンの重さが駆動輪を圧着させているのではと思うが、とにかくアクセルと駆動輪の反応の直結ぶりに驚く。この型のギャランにマイナーチェンジされてからのTVコマーシャルでは、第一義的な魅力である車体のデザインよりも、エンジンのストレスのなさやどこまでも伸びやかな力強さを強調するものになっていた。型式は忘れてしまったが新たなエンジンシリーズは三菱自慢のプロダクトだったのかもしれない。
そして何よりも走行安定性と広々した居住空間の静けさ。3ナンバー車として車輪の横幅や前後ろ幅が広いことが大きいのであろう。先代のランサー・フィオーレのようなバタバタ感がなく、どこまでも長時間乗り続けていけそうなのだ。確かにFFで3ナンバーということで右折左折の取り回しはやや大きくなってしまうが、それも考えようによっては大人としての運転術の余裕を身に着けさせようとする仕掛けのようでもある。
興奮冷めやらぬまま実家に戻り、ボンネットを開けて見ると、なんともスカスカしたエンジンルームで地べたがあちこちから見えるほど。本来は2.5リッター程度のでかいエンジンを積めて、ターボやら色々と仕込める空間なのであろう。私が購入したヴィエントは最もシンプルな、いわば”お買い得版”なので1.8リッターのコンパクトなエンジンが控えめに置いてあるといった風情だ。
それでも、機器がシンプルなことで車重が軽くなっているのだろう。この頃開発されたエンジンは相対的に見て強力なものであり、その組み合わせが駆動輪たる前輪を簡単に空転させてしまったのも頷けたのだ。
(「ほのぼの愛車遍歴13「三菱・ギャラン・ヴィエント」(その2)」終わり。「ほのぼの愛車遍歴14「三菱・ギャラン・ヴィエント」(その3)」続きます。)
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