新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会20・「地元で起業できる仕組みを」

●地元で起業できる仕組みを

 令和5年10月18日水曜日の午前10:00。新発田地域の特性を活かした何か面白くて楽しめることで自営や事業ができないかと考える学生さんを、地域での起業実践者や商工会中堅幹部さんらで取り囲んで、意見交換を通じて実現に向けた具体化をイメージしていけるような座談会を開催した。
 新発田地域振興局長の私を含めて8人という小規模であり、ざっくばらんなやりとりができるようにと、役所の設営にありがちな会議室での四角張った配席に離れて座るのではなく、振興局長室の会議用の大きな楕円卓にお座りいただき、すぐに気楽にワイガヤ感が出せるような雰囲気にさせていただいた。
 敬和学園大学での座談会で、ゼミでの活動などを通じて山野草使いのアイスクリームを開発して大学内やイベントで販売している、と報告してくれた同大3年生のSさんは、地域資源を活かしたものを商売につなげられないかと意向を話してくれた。
 職業能力開発短期大学での座談会で、新発田市の街なか歩きをサポートするアプリを卒業制作で開発中という同大2年のAさんは、こうしたものを仕事につなげられないかといった思いを語ってくれた。
 いずれも、地域が持つ資源を活かして地域の盛り上がりにつなげることに通じるものだ。
 地元の老舗企業である”(株)関川産業”代表取締役であり、地元商工会の中堅どころとして活躍されている「関川良平」さんは、ご自身で新発田地域の中心市街地活性化に取り組む”NEOHATT(ネオハット)”という団体の代表を務め、街なかの空き店舗を活用した起業の支援等を行っているほか、街なかでのイベントを仕掛けて子供達に楽しい思い出を作ってもらい、一度地域外に出ても地元を想起して戻ってもらいたいという中長期的な視点での取組もされている。立場と活動内容により内外の人脈が非常に豊富で、学生さん達の話を聴くなり、こうした人が紹介できるとか場所が使えるのではなどと様々な助言が次々と出てくるので嬉しい。若い人を関係付けることで地域活性化につながる化学反応をもたらす大いなる触媒になってくれそうで頼もしい限りだ。
 ”月岡ブルワリー”というクラフトビール製造業を起業した「新保典司」さんも異色の才人であり、Uターンにあたって実家の酒販売店を単に継ぐのではなく、隣に簡易郵便局を作って局長をしていたほか、新発田市の街なかでの賑わいイベントで知り合った会社経営者とともに、同ブルワリーを創設した。イベントを通じて需要が見込める商品を見極め、市内における人の流れのデータに基づき立地を決定するなど、大らかな表情と語り口の一方で徹底した分析による経営思想が垣間見える。クラウドファンディング(CF)の実践者であるが、その実相を勘案して、資金調達というより事業PRや商品宣伝に主眼を置いて展開したとのこと。CF流行りに感化されていた私自身にも非常に響くお話だった。実践的な細かなお話も様々に教えてくれて、学生さん達にとって起業のリアリティが感じられたに違いない。
 関川さんの”NEOHATT”の協力を得て街なかの空き店舗でフラワーデザインのお店を起業したのが、”OLIOLI FLOWER(オリオリフラワー)”の「伊藤美波」さん。若い人の通りも少なく閑散とした商店街での開業ではお客確保に難儀しているのではと伺うと、唯一無二の独自の世界観をもって情報発信していることで関心を持ってくれた方が店舗を目掛けて訪れてくれるという。控えめに仰るが、お客の紹介を通じての新潟市でも有名なワイン醸造施設「カーブドッチ」における結婚式装飾で力量を認められ、継続的に受注しているというので、相当な腕前があっての誘客力なのだろう。ご自身のように個人事業をしたいと市内外から相談に訪れる主に主婦が20人以上もいるという。これは街なかの活性化に向けて重要な潜在力だと思う。前出の関川さんも高い関心を寄せていた。
 食材など胎内市産に拘ってキッチンカーでのイベント出店やハーブシロップなど食品製造を手掛ける若者5人組の”BASE CRAFTER(ベースクラフター)”からは、リーダー格で英語講師やカメラマンなども兼ねる「平野伸哉」さんと、地元の大きな工場の勤務を辞めてデザイン担当などとして参画している「小熊龍太郎」さんが駆けつけてくれた。胎内市の活性化と移住者の増という公益貢献への意思が強いので、そうしたものに通じる取組を本日参加の学生さん達が進めるのであれば、機動的な事業展開やメンバー各々の個性や才覚を活かした商品開発や販路確保などで、大いに相談に乗ってくれそうだ。
 息つく間もなく活発に意見交換していると、予定の1時間半は直ぐに超過してしまったが、まだまだ話はつきないようだ。lINEグループを作って引き続き思う都度で相互に意見交換していくこととした。
 地域活性化を想いつつも別々に活動している人達を関連づけて新発田地域を「振るわせる」ことができないかとお集まりいただいたところ、若い人がやりたいことで稼いで暮らしたいと考えた時に、地元商工界の幹部が繋いでくれそうな人脈、若手の起業実践者らが持つ商品の企画製造や売上げ確保などのノウハウが、次々と飛び交って溢れ出る宝石箱のような座談会になった。テーマ次第で臨機に開催する"仕組み"にしたいと思うのだ。

(「新発田地域ふるわせ座談会20・「地元で起業できる仕組みを」」終わります。「新発田地域ふるわせ座談会21・「情報のみならずリアルのために」」に続きます。)
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