新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会19・「若者と経営者で座談会」

●若者と経営者で座談会

 自分が持ち得る資源や権限などを用いて、若者が少しでも住み続けてくれる地域づくりのために何をどう取り組めば良いか。もともと自称”省エネ派”の私は、全くゼロベースから何かを生み出すのではなく、既存のものや継続しているものを土台にしたり活かしたりしての策を考えがちとなる。
 私が局長を引き継いだ新潟県の出先機関である新発田地域振興局では、主に観光系の地域資源の情報発信に注力してきた。もとより観光といえば地域のモノやサービスの消費によりお金を落とすものであるが、これまでは、来訪を誘うまでにとどまり、それが少しは引き起こすであろう"人のさざ波"をいかに"稼ぎのタネ"にできるかというような、次なる展開にまで及んでいなかったと考える。
 この地域ならではの観光交流資源を活かして稼ぐことができれば、正にこの地への定着に繋がる。我が局が積み重ねて来た膨大な地域の魅力発信のコンテンツをネタ元にして、収益につなげる具体的な例や実効性あるパターンを見出していけるようにすれば、これまでの取組との延長で発展的な取組みにしていけると思う。
 そしてそれは何よりも、就職前で若くて経験の少ない学生さんでもその気になれるようなモデルでないと、一旦の東京圏への離脱を留めることができない。
 つまり、仕事に関する経験が少ない若者のホンワカとした”やりたい事”や”面白いと思う事”でも、この地域の資源を活かして稼いでいけるとイメージすることができなくてはならない。
 これまでの学生さんとの座談会で、「地域の山野草を活かしたアイスクリームを開発したのでそれを商売にできないか」とか「新発田市の街なか歩きをサポートするアプリが作れないか」などといった意欲が聴けたところだ。彼らを実際の起業経験者や地元の商工界の中堅どころなどが囲んで、現実味ある事業の始め方や実効ある経営スキルを助言したりすることで、若者の発意から稼ぎに繋げるケーススタディーができそうだ。
 考えてみると、起業についての相談窓口や意欲ある人の集まる場所は新潟県内に増えてきているが、大抵は流行りのIT系の”とんがった人”向けのソサエティであり、商工業一般となると、「産業創造機構」という普通の生活者には少し近寄りがたくて敷居が高い感じの組織体になってしまう。地域ならではの資源を活かした素朴な内容で”こじんまり”と始めようという人向けの対応受け皿は少ないように思う。
 具体性ある内容での意見交換と、生々しい起業や経営の話を聴きだすとなれば、やはり少人数での座談会方式が適していると考える。学生を前に”ここだけ話”を含めてざっくばらんに話してくれる参加者を選ぶことが肝要だ。土地勘がなく地域事情に疎くて人選に悩む私が思い浮かべるのは、またも「伊藤正仁」さんだ。
 事前にアポをとって街中の観光交流施設「寺町たまり駅」となりの伊藤さんの拠点に伺う。旧釣具店の古い内外装を活かして多様な活用ができるようにガランと広い空間のままにしていると思われるその建物は、周囲の寺院が連携したイベントなどで来訪者が多い時などは焼き芋などを販売したりもしているという。
 残暑厳しい中、用務で忙しい様子にも拘わらず、事前のアポで時間を割いてくれて、私の企画や意図をお話すると大いに賛同してくれて、じっくりと考えながら趣旨に適う参加者を推薦してくれた。ネット検索とかおカネを掛けてでは中々知り得ない事情も含めて、地域の人材や人脈に詳しくて調整力もある人と早くから親しくなれたことは本当に有難いことだった。
 果たして、好きな事を仕事にできないかと考える学生2名と、彼らを囲んで若手の起業実践者4名、地元商工会の若手幹部1名が参加する「第5回地域ふるわせ座談会」が設定できたのだ。

(「新発田地域ふるわせ座談会19・「若者と経営者で座談会」」終わります。「新発田地域ふるわせ座談会20・「地元で起業できる仕組みを」」に続きます。)
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